公演タイトル 「ニクーリンサーカス第128回公演-ジェルジャーワ(列強)」
観覧日 2009年8月23日(日)午後7時開演(終演午後9時20分)
演出 Natalia Makovskaya
会場 モスクワ・ニクーリンサーカス劇場
総評
非常にすばらしいサーカス公演だった。去年の11月で見たモスクワでの公演があまりにもひどく、さらに今年のJCBホール、夏のボリショイ日本公演と決して面白いとはいえないサーカスだったので、あまり期待しなかったのだが、演出も良かったし、個々の演目にも力があり、それに新しいことへの挑戦も見られたし、ここ数年見たサーカスではまちがいなく一番面白いサーカスであった。
オープニング 女性騎手三人が騎乗する三頭の馬の高等曲馬のエチュード。気品があったし、高等曲馬が演じられるのをロシアで見るなんて久しぶりである。
空中リング Anastasiya Akhlubkina
馬がはけたあと、出演者全員がステージに登場、そこで女性が空中に舞い上がる。美しい導入、そして演技である。
ジャグリング Soslan Sunov (モンテカルロフェス銅賞・パリ・トゥモローサーカス銅賞受賞)
ここでも出演者全員がステージに残り、ジャグリングの演技を見つめるという演出がとられる。バランシングボールのジャグリング。失敗もあったが、鮮やかな手さばき。
シフォン Evgeny Efremov & Oliga Golubeva(サラトフサーカスフェスティバル『デビュー賞』受賞)
男女ペアのシフォン。今年のリトルの男女ペアのストラップと同じような演出だった。
クイック・チェンジ Nina & Vladimir Burakovi
ロシアの民族衣裳を次々にチェンジしていくおなじみのマジック。
キャットショー Anelya Roslyakova (第7回モスクワ国際ヤングサーカスコンクール受賞者)
高そうな猫が出てきたのが目を惹いたが、演技自体はよくある猫のショー。
ロシアン・バー Mikhil Kanakov指揮(パリ・トゥモローサーカスコンクール銀賞・ブタペストサーカスコンクール銀賞受賞)
今年のJCBホールに出演したロシアン・バーは、バレエ的要素が強過ぎて、早く演技しろよという感じだったが、このチームは実にスピーディーに、次々に技を繰り出し来るから実に小気味いい。最後の三回転などは、高さはないのに見事な跳躍であった。
オラウータンとチンパンジーショー Aziz Ackapryan (中国国際サーカスコンクール金獅子賞受賞)
オラウータンが3匹出てきたのにまずびっくり。チンパンジーが車で一斉に出てきたときは、またいつものショーかと思っていたのだが、これがこれが大違い。まったく新しいショーになっていた。どんだけ笑ったことか。5匹のチンパンジーが次々に、さまざまなダンス(タップダンス・ジプシーダンスなどたぶん10種類ぐらいのダンス)をしたのには驚いた。社交ダンスするときに二匹のチンパンジーがちょっと喧嘩していたが、ああいうのは難しいのだろう。嫌な調教師だけど、ここまでオリジナルなショーをつくったのはお見事。
(15分休憩)
リバティ・ホース Elena Pavlovich
冒頭の曲馬にも出演していた女性が、見事なむちさばきで三頭の馬を操る。馬が狭いリンクを走り回る姿はいつ見ても美しい。そしてここから次のジギトに繋いでいく演出は見事であった。
ジギド Raisa Shanina 指揮
女性が指揮するジギドというのは初めて見た。女性が指揮しているということもあるのか、2人の女性が騎乗アクロバットを演じていた。今回は前から3列目の席だったので、馬が走りる姿にすっかり夢中になれた。
ハイワイヤー Marina Osinskaya (ロシア人民芸術家)
20年ほど前に来日したボリショイサーカスの時も見ているが、全然その技術は衰えていない。セルゲイの話だといまたぶん60才を越えているはずだというが、命綱もつけずに、地上8メートルほどの高さで、見事な演技を見せる。この芸にもかなり圧倒された。
イタチのショー Olga,Artem, Yury Samoilrnko
これも驚いたアクト。まさかイタチが芸をするなんてという驚き。一度ミンクが集団で芸をしたのを見たことがあったが、それも凄かったが、イタチ君もなかなかやる。おそらくイタチの習性をうまく生かしているだけなのだろうが、袖口を通って、また袖口から出てくるという芸(?)などは十分に驚かせるものをもっている。
フットジャグリング&フットバランス Oliga Golubeva Yulya Samoilenko
シフォンを演じた女性がこんどボールをつかったフットジャグリングを演じる。これはリングではなく上の舞台で演じられた。美人で顔がよく似ているので姉妹かもしれない。
ストラップ Alexsandr Sidorov
男性の力を全面に出したストラップ
シーソーアクロバット Andrey Kovgar 指揮 特別参加 熊のレスリング Yury Panteleneko
締めは、集団演技の花、シーソーアクロバット。こういう集団技が入ると締まる。そしてこれも驚きのひとつだったのだが、口輪をしていない巨大な熊が現れ、調教師と戯れるようにレスリングをしていた演技が間に入ったこと。こんな演技は日本では絶対無理だろうが、初めて見た。歯を抜いていたようにも見えたのだが。
特筆すべきは、今回のショーにフランスから来たというサーカスクラウン Jemus Gudvinというクラウンの達者なクラウニングであった。ふたつのネタ(ブーメランをつかったネタとマイクをつかったネタ)でも十分笑わせてくれたが、その他にもチョコチョコ出演して、うまく間を繋いでいく。このクラウンが出たことによって、かなり番組が締まったのだと思う。クラウンを海外から招聘するというのもひとつの方法かもしれない。
満足度 ★★★★
観覧日 2009年8月23日(日)午後7時開演(終演午後9時20分)
演出 Natalia Makovskaya
会場 モスクワ・ニクーリンサーカス劇場
総評
非常にすばらしいサーカス公演だった。去年の11月で見たモスクワでの公演があまりにもひどく、さらに今年のJCBホール、夏のボリショイ日本公演と決して面白いとはいえないサーカスだったので、あまり期待しなかったのだが、演出も良かったし、個々の演目にも力があり、それに新しいことへの挑戦も見られたし、ここ数年見たサーカスではまちがいなく一番面白いサーカスであった。
オープニング 女性騎手三人が騎乗する三頭の馬の高等曲馬のエチュード。気品があったし、高等曲馬が演じられるのをロシアで見るなんて久しぶりである。
空中リング Anastasiya Akhlubkina
馬がはけたあと、出演者全員がステージに登場、そこで女性が空中に舞い上がる。美しい導入、そして演技である。
ジャグリング Soslan Sunov (モンテカルロフェス銅賞・パリ・トゥモローサーカス銅賞受賞)
ここでも出演者全員がステージに残り、ジャグリングの演技を見つめるという演出がとられる。バランシングボールのジャグリング。失敗もあったが、鮮やかな手さばき。
シフォン Evgeny Efremov & Oliga Golubeva(サラトフサーカスフェスティバル『デビュー賞』受賞)
男女ペアのシフォン。今年のリトルの男女ペアのストラップと同じような演出だった。
クイック・チェンジ Nina & Vladimir Burakovi
ロシアの民族衣裳を次々にチェンジしていくおなじみのマジック。
キャットショー Anelya Roslyakova (第7回モスクワ国際ヤングサーカスコンクール受賞者)
高そうな猫が出てきたのが目を惹いたが、演技自体はよくある猫のショー。
ロシアン・バー Mikhil Kanakov指揮(パリ・トゥモローサーカスコンクール銀賞・ブタペストサーカスコンクール銀賞受賞)
今年のJCBホールに出演したロシアン・バーは、バレエ的要素が強過ぎて、早く演技しろよという感じだったが、このチームは実にスピーディーに、次々に技を繰り出し来るから実に小気味いい。最後の三回転などは、高さはないのに見事な跳躍であった。
オラウータンとチンパンジーショー Aziz Ackapryan (中国国際サーカスコンクール金獅子賞受賞)
オラウータンが3匹出てきたのにまずびっくり。チンパンジーが車で一斉に出てきたときは、またいつものショーかと思っていたのだが、これがこれが大違い。まったく新しいショーになっていた。どんだけ笑ったことか。5匹のチンパンジーが次々に、さまざまなダンス(タップダンス・ジプシーダンスなどたぶん10種類ぐらいのダンス)をしたのには驚いた。社交ダンスするときに二匹のチンパンジーがちょっと喧嘩していたが、ああいうのは難しいのだろう。嫌な調教師だけど、ここまでオリジナルなショーをつくったのはお見事。
(15分休憩)
リバティ・ホース Elena Pavlovich
冒頭の曲馬にも出演していた女性が、見事なむちさばきで三頭の馬を操る。馬が狭いリンクを走り回る姿はいつ見ても美しい。そしてここから次のジギトに繋いでいく演出は見事であった。
ジギド Raisa Shanina 指揮
女性が指揮するジギドというのは初めて見た。女性が指揮しているということもあるのか、2人の女性が騎乗アクロバットを演じていた。今回は前から3列目の席だったので、馬が走りる姿にすっかり夢中になれた。
ハイワイヤー Marina Osinskaya (ロシア人民芸術家)
20年ほど前に来日したボリショイサーカスの時も見ているが、全然その技術は衰えていない。セルゲイの話だといまたぶん60才を越えているはずだというが、命綱もつけずに、地上8メートルほどの高さで、見事な演技を見せる。この芸にもかなり圧倒された。
イタチのショー Olga,Artem, Yury Samoilrnko
これも驚いたアクト。まさかイタチが芸をするなんてという驚き。一度ミンクが集団で芸をしたのを見たことがあったが、それも凄かったが、イタチ君もなかなかやる。おそらくイタチの習性をうまく生かしているだけなのだろうが、袖口を通って、また袖口から出てくるという芸(?)などは十分に驚かせるものをもっている。
フットジャグリング&フットバランス Oliga Golubeva Yulya Samoilenko
シフォンを演じた女性がこんどボールをつかったフットジャグリングを演じる。これはリングではなく上の舞台で演じられた。美人で顔がよく似ているので姉妹かもしれない。
ストラップ Alexsandr Sidorov
男性の力を全面に出したストラップ
シーソーアクロバット Andrey Kovgar 指揮 特別参加 熊のレスリング Yury Panteleneko
締めは、集団演技の花、シーソーアクロバット。こういう集団技が入ると締まる。そしてこれも驚きのひとつだったのだが、口輪をしていない巨大な熊が現れ、調教師と戯れるようにレスリングをしていた演技が間に入ったこと。こんな演技は日本では絶対無理だろうが、初めて見た。歯を抜いていたようにも見えたのだが。
特筆すべきは、今回のショーにフランスから来たというサーカスクラウン Jemus Gudvinというクラウンの達者なクラウニングであった。ふたつのネタ(ブーメランをつかったネタとマイクをつかったネタ)でも十分笑わせてくれたが、その他にもチョコチョコ出演して、うまく間を繋いでいく。このクラウンが出たことによって、かなり番組が締まったのだと思う。クラウンを海外から招聘するというのもひとつの方法かもしれない。
満足度 ★★★★