デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

グレートモスクワサーカス

2009-08-07 17:18:58 | 観覧雑記帳
グレートモスクワサーカス
会期 8月30日まで
開演時間:11:00~、15:30~の2回公演
入園券をお持ちの方、ご宿泊のお客様がご覧いただけます。
休演日:7/29,8/5,8/19,8/26
会場 ルスツリゾート内特設テント

ルスツリゾートのサーカスも今年で7年目になる。最初の頃はサーカスより、遊園地やプールということで、途中で帰るお客さんも結構いたが、いまではお客さんのなかで、サーカスを見ることが予定に入っていて、楽しみにしているのがよくわかる。ルスツのサーカスのいいところは、サーカスを楽しみにしているお客さんが、出演するアーティストに心から声援を送り、それに対してアーティストがそれを糧に精一杯の演技をする、その両者の一体感じゃないだろうか。ここで出演するアーティストはみなほんとうに気持ちよく演技しているのがよくわかる。フィナーレのときのアーティストの顔の美しいこと、そしてそれに最後まで声援を送る観客たちの嬉しそうな顔、これを見るたびなにか胸が一杯になってくる。自分の会社が呼んでいるサーカスで、手前味噌になることは承知のうえ、この番組の感想を。

1. オープニング ロシア民族衣裳を身につけた4人の女性と4人の男性によるダンス(もちろんダンサーではなく出演者)が始まり、ストラップがおりてきたところで、オレグが登場する。
2. 空中ストラップ 
オレグは、フライングトラペーズのメンバーでもあり、3回転の演者でもある。ストラップではジーンズにデニムシャツという、コスチュームとは思えないラフなスタイル。途中このシャツを脱ぎ捨て、上半身裸になったところで、場内を一周するのだが、ここで女性たちの嬌声が。このへんの反応は十分見込んだ上の演出であろう。オープニングにふさわしいアクトである。ヘルプの関係でストラップをもう少しあとにという話も最初はあったが、このアクトはやはりオープニングのあとである。
3. イリュージョン 人間浮遊+人間貫通

前回も好評だった「マクシーモフファミリー」4人によるイリュージョン。前回も観客を驚嘆させた人間浮遊から始まる。そして今回初お目見えの「人間貫通」がテンポよく演じられる。以前ビデオで見ていたときは、リーダーのナターシャが通り抜ける役を演じていたのだが、今回は嫁のワーリャが演じている。ビデオではおどろおどろしい音楽を使っていたが、ナターシャは全体のプログラムの楽しい雰囲気を壊したくないということで、あっさりとスピィディーに演出していた。このテンポある演出がとてもよかった。
4.フットジャグリング エレーナピンク、ブルーなど数あるコスチュームのなかでは、白い清楚な感じのコスチュームが自分は一番好きなのだが、この清楚なイメージどおりの美しい演技である。なによりもそのスタイルの良さを120%活用し、足と手をつかって座布団を回す。その姿勢がとても美しい。間奏曲のような味わいをもったアクトである。
5.イリュージョン 人間縦切断
今回の公演のためにおよそ半年かけてつくってきた新作イリュージョン。人間切断というと、人間の身体を横に寝せて、それを横に切断するのだが、彼らはこれを縦に切断できないかということで、考え道具を創作した芸。苦労がよくわかる。これもナターシャの考えであるのだが、コミカルに演じさせている。すべては全体の楽しい雰囲気をこわさないようにしようということなのだが、仰々しく演じられるマジックよりこうしてカラっと演じた方がこのグループにはあっていると思う。それとテンポの良さが光る。
6.空中バンブー オリガ&イーゴリ
公演2ヶ月前に予定したバンブーの演者さんが来日できなくなり、急遽参加してもらったのだが、代役の役割を果たす以上の見事な空中演技を見せてくれる。なによりも中間で入れる、三連続離れ業に息を飲む。バンブーでこれだけ離れ業が入るのは珍しいのではないか。観客席から一番キャーの声が起こるのはこの演技の時だろう。(ほんとうの一番はフライングトラペーズで失敗して飛び手がネットに落ちる時)最後のバンブーでオリガが旋回するそのスピードも見事である。
7.イリュージョン 瞬間移動
箱の中であっという間に人間が消え、別な人間が現れるという瞬間移動のイリュージョンをテンポよく見せてくれる。技術的なことはよくわからないが、このイリュージョンが一番観客を驚かしている。アダムス・ファミリーの音楽に乗って、4人がハケルところは大好きである。
8.自転車アクロバット サーシャ
自転車のアクトがこれだけ盛り上がるとは思ってもいなかった。サーシャが自転車に乗って出てくるだけで、客席がワーと沸き、そして演技を重ねるたんびに客席のテンションはさらにあがっていく。おかしいのは後ろで次の演目のフライングトラペーズの準備をしている他のメンバーまでがヤンヤの声援をおくっていることである。まさに客席と舞台が見事に一体化したショーになった。サーシャという芸人さんの持っている雰囲気というのもあるかもしれない。古いサーカスの匂いが漂ってくる、味わい深い芸人さんである。
9.フライングトラペーズ マヤ・ニコラエワグループ
去年と同じように、ネット張りの間にマクシーモフファミリーのボーバとマクシムのふたりが客席をまわってリングのマジックを披露。そしてネットの準備がほぼできたところで、ワーリャが登場、ロープ抜けのマジックを観客と一緒に演じる。
見事なつなぎ。そしてフライングトラペーズ。今年は踊りの振付を変えたということで、さかんに自慢していたが、やたら手ばかり振り回すので、実はあまり感心していない。ただ演技は相変わらず、ミスも少なく、とにかく飛行が美しい。キャッチャーのアンドレイが、5キロぐらい肥ったのだが、これによりずいぶんキャッチングが楽になったといっていた。去年は失敗が多かったジェーニャもバシバシ決めている。
10.フィナーレ
全員そろってのフィナーレ。50分以上のショーを演じていたのが12人のアーティストだったことに改めて驚かされる。しかも演技内容は動物芸はないが、フライングトラペーズまで入っている充実感がある。それを一番知っているのは、見ていたお客さんである。アンコールの拍手で再びステージに出てくるアーティストたちを見て、さらにお客さんのボルテージが上がる。中には立って、さらに頭上で手を叩き、声援を送っている。これがサーカスなのだと思う。
もしも北海道に行く機会があったなら、ぜひ見てこの感動を分かち合ってもらいたい。

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「琵琶法師 山鹿良之」

2009-08-07 13:16:58 | 観覧雑記帳
長編記録映画 「琵琶法師 山鹿良之」
監督 青池憲司  1992年度作品 80分 
上映日 8月6日(木)19時30分上映
会場   野方区民ホール

たいへんな琵琶法師がいたもんだ。なぜこの山鹿良之という男のことをマークしなかったのだろう。若松若太夫を追いかけ、小栗判官のことをあれだけ調べていたのに、この山鹿のことが完璧に漏れていた。なんとも悔しい限りなのだが、こうして映像記録が残っていたことを幸いとしなければならない。貴重な映像であることは間違いない。小栗判官の語りの実演を軸に、ひとりで暮らす彼の日常生活、対談などが綴られていく。盲目でひとりで生活をするということがどれだけ大変かと思うのだが、山鹿は淡々と飯をよそい、おかずをつくり、食べる、そして酒を飲む。この日常の映像がかなりきいている。
しかし山鹿の語りの声のハリの良さ、よく通る声だし、なによりもあれだけの語りの作品をそらで覚えているというのもすごいと思う。小栗判官をはじめ、彼の語りものはすべて口伝えで身につけたものであるという。ただたんに覚えているというのではなく、彼の身体と声を借りて、芸の神が語らしているのだと思う。それはしみこんだものというのではなく、憑依したもの、この語りを伝えてきた人々の思いがとりついて語らしているのではないか。それと琵琶の音がまた効いている。三味線のように艶がない、素朴の弦の力が、語り物にはぴったりであった。小栗判官は全七段、6時間かかるという。見たかったな。映画の中で口伝えで教わっている人がいたがあの人はどうしているのだろう。
語りものに少しでも関心がある人は必見の映画である。明日も上映されるということである。ビデオとかにはならないだろうし、見逃すと後悔するのでは。
満足度 ★★★

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休み前

2009-08-07 00:38:59 | お仕事日誌
今日が一番夏らしい日だと思った。久しぶりに見る青空、蝉の声、30度を越える暑さ、やっぱこれが夏である。気分よく朝走っていたら、こっちは青信号で横断歩道を渡っているのに、危うく左折する車に牽かれそうになる。車の運転手軽く手をあげて走り去る。ムカッとくる。ドロップキックでも見まわしたいところだ。信号だけを頼ってはいけないということなのだろう、自分の五感を信じることだ。
明日から一週間夏休み、休んでいるときどこからも電話やメールが来ないようにしたいものだが、そんなことあるわけない。またチラシの件でやりとり。最近思うのだが、サハのイワン君といい感じで仕事ができている。彼はどうも17時までしか働かないようだが、すぐに返事はくれるようになったし、ちょっとどんくさいところはあるが、一生懸命やっているのはわかる。また写真の件でなんどかやりとり。
DVD観覧メモを作成。ロシアなどには来週いないことを伝える。
18時過ぎさあ帰ろうかと思ったら、空に暗雲がたちこめる。そして叩きつけるような雨が降り出す。家にメール、横浜はピーカンとのこと。こういう局地型のハリケーンが多いね。
30分ぐらい待機してから原宿駅に向かう。金曜日ということもあるのだろう、若い姉ちゃんたちで竹下口は人であふれている。
帰りの電車で藤沢周平『はしり雨』を読み終える。裏店を舞台にした短編集。女性がよく書けている。大好きなのは表題にもなっている『はしり雨』。泥棒をするため境内で様子をうかがっているところに、にわか雨が降り出し、突然雨宿りをしてるといろんな人がやってくる。逢い引きの帰り、喧嘩(殺人事件にまでなる)など、見なくても良かったさまざまな人間模様を見てしまう。そのうちに娘に脇を抱えられながら病身の女性が通る。主人公はもう泥棒なんかどうでもよくなる。彼は自ら協力を申し出て、この女性をおんぶして雨があがりそうな江戸の町へ消えていく。江戸の裏町コロニーで生きる人たちが実に見事に書いてあると思う。


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