ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [11月9日(金)~11月11日(日)]

2018-11-12 22:52:44 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸桜木町のブルク13で話題の「ボヘミアン・ラプソディ」を一般公開の前日8日の夜に観てきました。観客の年齢層は見たところまちまち。各々が70年代から90年頃まで(orその後)のどの時点でクイーンを認知したか、という点でわりと幅があるのでは?と思いました。映画の内容も、とくにLGBTに対する見方などに時代の流れを感じました。この点については、現代でも国や地域によってかなり違いますが・・・。
 なお、IMAXで観たのは初めて。やはりこういう映画はIMAXとかチネチッタのLIVE ZOUNDとかにかぎりますね。日韓ともに満点とか90/100点とかの高評価がほとんどで、それもわからないでもありませんが、音楽に対する感動がそのまま映画作品に対する評価に直結するかと考えるとちょっと疑問もなきにしもあらず。

▸シネマート新宿で昨秋から<のむコレ>と称する「劇場発信型映画祭」をやっています。(→コチラ参照。) ラインナップ中に韓国映画が3つあって、その1つの「七年の夜」を今日(12日)観てきました。鄭裕静(チョン・ユジョン)の原作ミステリーは2012年の韓国のベストセラーで、私ヌルボも夢中になって読みました。(といっても3ヵ月くらいかかったかな? 翻訳書はやっと昨年刊行。) 映画化の話は何年も前からあったのに、16年にやっとクランクアップというニュースが伝えられ、そして今年3月公開。しかし興行成績は今ひとつ(以上?)パッとしないまま終わってしまいました。今回の鑑賞は、なんでこの映画化がうまくいかなかったを確認しに行ったようなもので、感想は「なるほどね」。これも<のむコレ>で上映している「復讐のトリック」同様、時系列の構成が複雑になっている映画は小説以上にむずかしいのではと思いました。

▸12月のオススメは、といっても東京ですが、12月8日(土)~14日(日)渋谷のユーロスペースで催される<朝鮮半島と私たち>と銘打った映画祭。(→コチラ参照。) 戦前の清水宏監督「有りがたうさん」(1936)から現代の朴壽南監督「沈黙-立ち上がる慰安婦」(2017)まで全14作品+併映の短編。主催が日本大学芸術学部映画学科というのもいいですね。私ヌルボ、11作品は観てますが、残り3作品だけでなく他のも観なおしてみようと思います。

※先週も「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」と「週末の劇場街」は掲載されませんでした。このまま終わり?

         ★★★ NAVERの人気順位(11月12日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(1) ボヘミアン・ラプソディ  9.66(12,596)
②(3) ポーランドに行った子供たち(韓国)  9.54(307)
③(-) トック(韓国)  9.46(2,304)
④(-) ナミヤ雑貨店の奇蹟 -再生  9.44(16)
⑤(9) ミス・ペク(韓国)  9.27(6,103)
⑥(8) 悲しみに、こんにちは  9.26(80)
⑦(6) スタビー軍曹  9.25(53)
⑧(10) 万引き家族(日本)  9.24(2,854)
⑨(5) 劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~(日本)  9.24(156)
⑩(-) ハロー カボット:白亜紀時代(韓国)  9.23(2,055)

 ④「ナミヤ雑貨店の奇蹟 -再生」が今回の新登場です。2017年公開の「ナミヤ雑貨店の奇蹟」の中国・香港版リメイク。西田敏行の役を、コチラではジャッキー・チェンが演じているとか。日本でもすでに10月13日に公開されています。韓国題は「나미야 잡화점의 기적: 또 하나의 이야기」です。

     【記者・評論家による順位】

①(-) フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法  8.50(10)
②(1) エクス・リブリス ニューヨーク公共図書館  8.50(2)
③(-) ファントム・スレッド  8.22(9)
④(-) シェイプ・オブ・ウォーター  8.18(11)
⑤(2) 暗数殺人(韓国)  8.14(7)
⑥(3) 万引き家族  8.13(8)
⑦(4) ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ  8.00(7)
⑧(5) 生き残った子[最後の息子](韓国)  7.67(9)
⑨(6) バディントン2  7.67(3)
⑩(7) 悲しみに、こんにちは  7.50(8)

 今回の新登場の作品はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績11月9日(金)~11月11日(日) ★★★

         「完璧な他人」が先週に続き1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・完璧な他人(韓国)・・・・・・・・・・・・10/31・・・・・・・・・・999,623・・・・・・・3,375,745・・・・・・・28,553・・・・・・1,324
2(2)・・ボヘミアン・ラプソディ ・・・・・・10/31 ・・・・・・・・・784,104・・・・・・・1,843,189 ・・・・・・・16,588・・・・・・1,098
3(新)・・町内の人々(韓国)・・・・・・・・・・・11/07・・・・・・・・・・242,005・・・・・・・・352,082 ・・・・・・・・2,981 ・・・・・・・730
4(新)・・女哭声(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・11/08・・・・・・・・・・・42,934・・・・・・・・・55,997・・・・・・・・・・500 ・・・・・・・212
5(7)・・パウロ 愛と赦しの物語 ・・・・・10/31・・・・・・・・・・・36,524・・・・・・・・109,107・・・・・・・・・・869 ・・・・・・・211
6(6)・・ハリー・ポッターと賢者の石・・2001/12/13・・・・・・・36,431・・・・・・・・259,735 ・・・・・・・・2,279 ・・・・・・・・32
7(3)・・猖獗(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/25 ・・・・・・・・・・21,740 ・・・・・・1,588,415 ・・・・・・・13,194 ・・・・・・・404
8(4)・・ルイスと不思議の時計・・・・・・・・10/31 ・・・・・・・・・・20,058・・・・・・・・211,250 ・・・・・・・・1,629 ・・・・・・・246
9(新)・・ハーヴィーと魔法の博物館・・・11/08・・・・・・・・・・・18,596 ・・・・・・・・19,771・・・・・・・・・・152 ・・・・・・・252
10(33)・・グースバンプス2・・・・・・・・・・11/07・・・・・・・・・・・18,262 ・・・・・・・・21,400・・・・・・・・・・175 ・・・・・・・167
       ホーンテッド・ハロウィン
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は3・4・9・10位の4作品です。
 3位「町の人々」は、韓国のアクション&スリラー。女子高生が1人行方不明になったが、とても穏やかな人里離れた村に臨時教師として赴任した体育教師ギチョル(マ・ドンソク)は、村内の雰囲気が尋常でないと感じます。いなくなった女子高生の唯一の友人ユジン(キム・セロン)だけが彼女が拉致されたと確信して事件を追って、意図せずユジンと共に消えた少女を見つけるために乗り出したギチョルは、何者かによって彼女の痕跡が消されているという事実を知ることになります・・・。原題は「동네사람들」です。
 4位「女哭声」は、韓国のホラー&ミステリー。タイトルはもちろんあの「哭声」が前提になっています。原因不明の奇妙な死亡事故が続くある邸宅。たまたまここに足を踏み入れたオクプン(ソン・ナウン)は秘密を秘めたシン氏夫人(ソ・ヨンヒ)に会います。シン氏夫人はオクプンに家の中にいる間に必ず守らなければならない規則を話ます。そしてオクプンは想像すらできない怖ろしい真実に直面することになります・・・。原題は「여곡성」です。
 9位「ハーヴィーと魔法の博物館」(仮)は、チェコのアニメ。ハーヴェイはゲームが大好きな12歳の少年。パパが働くおもちゃ博物館が閉館の危機に直面すると、事件を解決しようと中に入り込みます。偶然博物館の秘密のスペースを見つけたハーヴェイは魔法を解き、博物館のおもちゃたちを生き返らせて空を飛ぶ龍にも出会うことに。ところが、恐ろしい博物館マスターまで目が覚め、村の人々を皆おもちゃに作ると宣言します。はたして、ハーヴェイは危機を解決して博物館や村を救うことができるでしょうか? 韓国題は「박물관이 진짜 살아있다(博物館が本当に生きている)」ですが、英題の「Harvie and the Magic Museum」を訳して仮題としました。日本公開はどうかな?
 10位「グースバンプス2 ホーンテッド・ハロウィン」(仮)は、アメリカ・オーストラリア合作のファンタジー&冒険。日本でも2015年に公開された「グースバンプス モンスターと秘密の書」に続く<グースバンプス>シリーズの第2作です。元はと言えば、日本でも20冊ほど(?)岩崎書店から翻訳書が出ているR・L・スタインによる子供向けのホラー&ミステリーシリーズ。私ヌルボは読んだことはありませんが、大人が読んでもけっこう怖くておもしろい(?)そうです。今作は、ハロウィンが近いある日、仲良しのソニーとサムが空き家で見つけた本のカギを開けてしまったため、モンスターたちが目覚めて大変なことになる、というお話のようです。韓国題は「구스범스: 몬스터의 역습」。日本公開は未定のようです。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・パウロ 愛と赦しの物語 ・・・・・・・10/31 ・・・・・・・・・36,524・・・・・・・・109,107・・・・・・・・・・869・・・・・・・・・211
2(66)・・聴説 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2010/6/17・・・・・・・・・・・3,170・・・・・・・・・22,156・・・・・・・・・・170・・・・・・・・・113
3(新)・・ナチス第三の男・・・・・・・・・・・・・・11/08・・・・・・・・・・・1,142・・・・・・・・・・2,094・・・・・・・・・・・16・・・・・・・・・・51
4(新)・・母の情に泣く2人の息子(韓国)・・1972/?/?・・・・・・・・・・919・・・・・・・・・・6,793・・・・・・・・・・・13・・・・・・・・・・・1
5(新)・・ナミヤ雑貨店の奇蹟 -再生・・・・・11/08 ・・・・・・・・・・・・897・・・・・・・・・・1,288・・・・・・・・・・・10・・・・・・・・・・45

 2~5位の4作品が新登場です。
 2位「聴説」は、台湾の2009年の大ヒット青春ラブストーリーで、韓国では2010年以来の再上映。日本でも2010年の大阪アジアン映画祭で上映され、観客賞を受賞しました。台北でのデフリンピック(聴覚障碍者のスポーツ競技大会)開催に合わせて制作された作品です。デフリンピック出場をめざす女子水泳選手小朋[シャオポン](ミシェル・チェン)と、彼女を支える妹の秧秧[ヤンヤン](チェン・イーハン)。配達でプールを訪れた弁当屋の青年天闊[ティエンクオ](エディ・ポン)はそんな健気なヤンヤンに一目惚れします・・・。物語は笑えるところもあったりして決して重たい感じにならず、大半は手話というユニークな形で進行します。韓国題は「청설」です。
 3位「ナチス第三の男」は、フランス・イギリス・ベルギーの合作によるラインハルト・ハイドリヒの伝記映画。ローラン・ビネの小説「HHhH プラハ、1942年」(東京創元社)の映画化作品です。ラインハルト・ハイドリヒはヒトラー、ヒムラーに続く<第三の男>と称されたナチスの高官で、冷徹な手腕から<金髪の野獣>と呼ばれ、ヒトラーも恐れたという人物。150万人を超えるユダヤ人虐殺の首謀者となって大きな権力をふるうハイドリヒに対し、その暴走を止めるため2人の兵士が暗殺要員として送り込まれるのですが・・・。韓国題は「철의 심장을 가진 남자(鉄の心臓を持った男)」。日本公開は2019年1月25日です。
 4位「母の情に泣く2人の息子」(仮)は、1972年の韓国のドラマ。亡夫の意を受けて腹違いの子のサンテと実子のドゥホを育てていたユノク(キム・ジミ)は、貧しい生活のためドゥホを孤児院に預け、サンテだけを育てようとしますが、サンテが貧困に疲れて病気になると、ユノクは精神に異常をきたしてしまいます。3年を精神病院で過ごしたユノクはサンテを探しますが、すでに他の家に養子に入った後でした。20年後、苦労で転々としていたユノクは偶然養父母の財産を受け継いで社長になったサンテと、工事現場の作業員になったドゥホと会いますが、彼らの前で母親と名乗ることができず苦心しているうちに交通事故で目を失ったサンテに目を提供して波乱の多かった生涯を終えます。一歩遅くこれを知った2人の息子は、母親の心を推し量って後悔の涙を流します・・・。うーむ、やはり70年代ですねー。1館の上映ということは平和市場のシルバー映画館? 原題は「모정에 우는 두 아들」です。
 5位「ナミヤ雑貨店の奇蹟 -再生」については上述しました。

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