
韓国の往年の人気漫画「ヤクトンイとヨンパリ(약동이와 영팔이)」を読みました。
方泳軫(パン・ヨンジン.방영진.1939~99)の代表作で、発行年は1962年ですが、私ヌルボが読んだのは2003年発行の復刊本です。元々は1部20巻、第2部20巻の合計40巻になるシリーズでしたが、この復刊本1冊には1部の1~3巻が収められています。


その右はヤクプニ(약분이)。ヤクトンイの妹で中学2年。
そして3人目がヨンパリ(영팔이) いかにも顔つきそのままの、向こう気の強い少年で、ヤクトンイのいるクラスに転校生として入ってきたところから物語が始まります。ところで、60年代日本の中高生にもたくさんいたニキビ面の生徒は、今もふつうにいるのかな? 昔ほどには見なくなったような気もしますが・・・。
右の6人はその周囲の人たち。左の2人はヤクトンイ兄妹の両親、中の2人はヨンパリのお父さんとお祖母さん。それぞれ子供たちとよく似ています。大人たちは皆韓服ですね。右端の2人はヤクトンイたちと親しい級友で、左がホルチュギ(홀쭉이.やせっぽち)、右がトゥントゥンイ(뚱뚱이.太っちょ)。この2人は物語が進むほどにずいぶん活躍もするのですが、ずっとこの見た目通りのあだ名のままで、なんだかなー、です。




絵を見ただけではわかりません。日本の小学校で授業の始まりと終わりを知らせる鐘を(当時の言い方では)小使いさんが振って回っていたのは1950年代まで?(未確認) 私ヌルボ、かすかに記憶に残っています。
「この学校は鐘1つ買う金もないのか?」に対する答えは、あとの展開を見ると「その通り」のようです。「この学校には緑がない」という校長の言葉を受けて、全校(男子&女子)で植樹に取り組みます。山持ちの家の生徒を通じて山の木を選定し、掘って校庭に運んで移植するまで全部生徒の作業で、公費支出ゼロ。この方式がどれだけ一般的だったかは不明ですが・・・。




その場は一応おさまります。が、その後もなかなかヨンパリは級友たちとソリが合わず、とくにヤクトンイがなぜかヨンパリに主敵とみなされてしまいます。


ヤクトンイは「영차(ヨンチャ)」(よいしょ)と掛け声を発していますが、この漫画では何度も出てくる言葉です。それだけ少年たちの力が頼りになる場面が多かったのですね。


左はヨンパリ父子。「もしもし、そのブタは売り物ですか?」「そうだ!」 「じゃあ私に売ってくださいよ。そのウサギまで買いますよ。」 (ヨンパリはウサギ2羽が入った箱を背負っている。) しかしヨンパリ父はここでは売りません。
一方、右はヤクトンイ兄妹。豆を売りに来ました。「全部で何斗かな?」「4斗です。」 「まず量ってみよう。」「良い豆だわねえ。」 ※[韓国語学習] ここでは「말」=「斗」、「되다」=「量る」の意。
ヤクトンイは豆を売ったお金でウサギを買う心づもりでした。おりしもヨンパリがウサギを売っているのを見つけ、いくらか訊くと「1匹400ウォン」と高値をふっかけられます。父親からは「1匹200ウォンで売れ」と言われていたのですが、「ヤクトンイには売るものか!」という気持ちが先行。別の所でその話を兄から聞いたヤクプニが選手交代でヨンパリの所に行くと・・・。

この時、ヨンパリはまだヤクプニがヤクトンイの妹だということを知りません。後でそれを知ることになって、ヤクトンイと仲良くした方がよさそうだと・・・、まあ自然な考えか。また上記の山の木の移植作業の中でのホルチュギとトゥントゥンイによる2人を仲良くさせる策略(委細省略)も功を奏して、この本の半ばくらいになってヨンパリはヤクトンイ(&ヤクプニ)と親しくつき合うようになります。
以下、→②に続きます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます