ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [7月4日(金)~7月6日(日)]

2014-07-08 21:49:26 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 中国映画「罪の手ざわり」は、感動とかハラハラドキドキといった映画ではないのですが、中国社会の抱える問題を、ドキュメンタリーのような、いやそれとは別種の表現で捉えた作品で、観てよかったと思いました。このタイトル、その微妙な感じにぴったり。誰がつけたのかな?
 昨日観た「死刑執行人もまた死す〈完全版〉」は初めて鑑賞。フリッツ・ラング監督、世評通りです。134分の長尺ですが緊張が持続。娯楽的要素もある凝った展開ですが、ワナにはめられる「裏切り者」も考えてみれば哀れ・・・。これを観たのが新橋文化劇場。「チャップリンの独裁者」との2本立てで一般900円・/学生・女性・シニア800円とは安い! また予告編で久しぶりに「息もできない」を観ました。あの出会いの場面といい漢江の土手の場面といい、思い出し涙うるうる・・・。8月2~8日上映予定だそうですが、「グラン・トリノ」との2本立て! 特上寿司とステーキのセットというか・・・。(←たとえがビンボー人ぽい。) しかしこの映画館、JR高架下の耐震補強工事のため8月末日で閉館とは残念。1学期末に好きになりかけた彼女が夏休み中に遠くへ引っ越すと聞いた高校生のような・・・。(←たとえが青い。)

 韓国映画、期待の「怪しい彼女」は7月11日公開! 公式サイトは→コチラ。もちろん予告編が見られます。

「朝鮮日報」7月4日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「ネイバーズ」上階の騒音に困ったら。 ★★★
 「ベルト・モリゾ」マネよりモリゾに注目! ★★★☆
 「神の一手」囲碁、拳と包丁で打つか? ★★★
 「少女怪談」学校はやはり怖ろしい。 ★★☆ 
 「ジョー」誰もが変われると思う。 ★★★☆
 「おやすみなさいを言いたくて」働く母親、いかに辛いか。 ★★★
※「ベルト・モリゾ」はカロリーヌ・シャンプ監督作品で、女性画家ベルト・モリゾとマネ等彼女を取り巻く画家たちとの物語。日本でも年内に公開。「ジョー」は森林で働く前科者ジョー(ニコラス・ケイジ)が15歳の少年を暴力的な父親に内緒で雇ったことから問題が生じていくというドラマ。日本公開未定。その他の作品は以下の記事中で紹介。

           ★★★ Daumの人気順位(7月8日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①賢い解法(韓国)  9.7(38)
②ブラック・ディール(韓国)  9.5(50)
③バックコーラスの歌姫〈ディーバ〉たち  9.1(21)
④ハン・ゴンジュ(韓国)  8.9(271)
⑤少女は自転車に乗って  8.9(23)
⑥Refuge(避難所)  8.9(31)
⑦最後まで行く(韓国)  8.6(992)
⑧ベルベット・ゴールドマイン  8.5(51)
⑨鑑定士と顔のない依頼人  8.5(140)
⑩her/世界でひとつの彼女  8.4(285)

 新登場は②「ブラック・ディール」だけです。韓国のドキュメンタリーで、副題は「誰のための民営化なのか?」。日本でも報道された韓国の鉄道民営化をめぐる争議を冒頭で映し出しながらも、制作スタッフは続いて英国、アルゼンチン、チリ、フランス、ドイツ、日本等世界各国の民営化の実態を伝えます。どこでも民間大企業の関係者は民営化による発展を強調し、市民たちは公共分野のサービス低下や日常生活の不便を訴えます。この映画のタイトルは、この民営化の本質を端的に示しています。それは民営化の代価として企業と政治家たちが「ブラック・ディール(黒い取引)」を行っているということ。こういう反権力的なドキュメンタリーはあいかわらず高い支持を得ています。参考記事は→コチラ(「ハンギョレ」)と→コチラ(confuocoさんのブログ記事)。
 韓国の社会・労働問題のドキュメンタリーでは、以前紹介した「貪欲の帝国」(副題:韓国・サムスン電子告発ドキュメンタリー)が7月26日(土)<2014レイバー映画祭>の中で上映されます。詳細は→コチラ


     【専門家による順位】

①ハン・ゴンジュ(韓国)  7.3(6)
②慶州(韓国) 7.2(7)
③X-MEN:フューチャー&パスト  7.1(7)
④少女は自転車に乗って  7.1(6)
⑤グレート・ビューティ  7.0(7)
⑥her/世界でひとつの彼女  7.0(6)
⑦最後まで行く(韓国)  6.8(6)
⑦100歳の華麗なる冒険  6.8(6)
⑨バックコーラスの歌姫〈ディーバ〉たち  6.8(5)
⑩色情狂vol.1  6.7(7)

 順位・評点とも前々週・前週と全く同じです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[7月4日(金)~7月6日(日)] ★★★

         囲碁&アクション「神の一手」、好調に2位確保!

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・トランスフォーマー・・・・・・・・・・・・6/25・・・・・・・・・・・・960,603・・・・・・・4,156,841 ・・・・・・・35,033 ・・・・・・1,096
            /ロストエイジ
2(15)・・神の一手(韓国)・・・・・・・・・・・・・7/03・・・・・・・・・・・・925,652・・・・・・・1,181,058 ・・・・・・・・9,700・・・・・・・・789
3(新)・・少女怪談(韓国)・・・・・・・・・・・・・7/03・・・・・・・・・・・・216,350・・・・・・・・・293,546 ・・・・・・・・2,218・・・・・・・・455
4(2)・・オール・ユー・ニード・イズ・キル・・6/04・・・・・・・・・・・125,063・・・・・・・4,599,930 ・・・・・・・37,985・・・・・・・・331
5(3)・・最後まで行く(韓国)・・・・・・・・・・・5/29・・・・・・・・・・・・114,090・・・・・・・3,331,681 ・・・・・・・26,166・・・・・・・・345
5(52)・・ネイバーズ・・・・・・・・・・・・・・・・・7/03・・・・・・・・・・・・・18,663・・・・・・・・・・26,316 ・・・・・・・・・・217・・・・・・・・128
7(5)・・100歳の華麗なる冒険・・・・・・・・6/18・・・・・・・・・・・・・13,027・・・・・・・・・223,292 ・・・・・・・・1,698・・・・・・・・102
8(6)・・グレース・オブ・モナコ・・・・・・・・・6/18・・・・・・・・・・・・・10,260・・・・・・・・・216,219 ・・・・・・・・1,605・・・・・・・・・96
              公妃の切り札
9(4)・・美女と野獣・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/18・・・・・・・・・・・・・・7,938・・・・・・・・・311,050 ・・・・・・・・2,357・・・・・・・・・85
10(8)・・her/世界でひとつの彼女・・・5/22 ・・・・・・・・・・・・・・7,648・・・・・・・・・309,242 ・・・・・・・・2,520・・・・・・・・・36
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「トランスフォーマー/ロストエイジ」はあっという間に400万人超え。韓国映画では「神の一手」が久々に好調なスタートを切りました。
 しかしその他はあまり動きナシ。今回の新登場は2・3・5位の3作品だけです。どうもこの頃全体的に停滞気味かも・・・。
 「窓から逃げた100歳老人」は、邦題が「100歳の華麗なる冒険」になったので今回からそのように変更しました。日本公開は11月8日です。
 2位「神の一手」は、6月24日の記事(→コチラ)でチラシ画像付きで少し紹介しました。プロ碁士のテソク(チョン・ウソン)は賭け碁に巻き込まれ、サルス(イ・ボムス)チームの陰謀で兄を失い、さらに殺人の汚名を着せられ刑務所で服役。数年後サルスとの対決のため、全国から名だたる棋士を集める。テソク、チュニム(アン・ソンギ)、コンス(キム・イグォン)、ホモクス(アン・キルガン)たち。1回でも負けると生きては帰れない悪名高いサルスチームとの大勝負が始まる・・・。これらの役名はどうも意味ありげ。サルスは明らかに「殺手」だろうし・・・。原題は「신의 한 수」です。
 3位「少女怪談」は恒例の季節物。幽霊が見えるという一人ぼっちの少年インス(カン・ハヌル)が記憶を失った少女の幽霊(キム・ソウン)と出会い、友情を分かちながら学校に広まっている血色のマスク怪談やクラスメイトの連続失踪、そして少女幽霊に関する秘密を暴いていく・・・。原題は「소녀괴담」。
 5位「ネイバーズ」はアメリカのコメディ。娘が生まれたばかりの夫婦マック(セス・ローゲン)とケリー(ローズ・バーン)の家の隣に、ある日大勢の若者たちが引っ越してきます。彼らは大学のフラタニティ(クラブ)なんですが、夜な夜な繰り広げられるパーティーでの馬鹿騒ぎがぶっとんでるレベル。騒音に悩まされる夫婦はフラタニティの代表に苦情を申し入れるものの、さらに続くハチャメチャ。ついに警察に通報すると一気に関係は険悪化。家の庭にゴミや使用済みコンドーム等を撒き散らされたりしたマックとケリーはついに反撃に出るのですが・・・。この映画については6月3日のTBSラジオ「たまむすび」で町山智浩さんがいろいろおもしろいことを語ってます。(→コチラ。) 韓国ネチズンの評点が低い(平均4.8)のは、笑いの質がアメリカと違うということかな、と推定。たぶん日本でも同様? 韓国題は「나쁜 이웃들(悪い隣人たち)」です。いずれ日本でも公開とか。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・100歳の華麗なる冒険・・・・・・・・・・・・・6/18・・・・・・・・・・・・・13,027 ・・・・・・・・・・・・223,292 ・・・・・1,698・・・・・・・・102
2(3)・・her/世界でひとつの彼女 ・・・・・・・・・5/22・・・・・・・・・・・・・・7,648 ・・・・・・・・・・・・309,242・・・・・・2,520・・・・・・・・・36
3(19)・・色情狂vol.2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/03・・・・・・・・・・・・・・5,803 ・・・・・・・・・・・・・・8,428・・・・・・・・・70・・・・・・・・・51
4(3)・・色情狂vol.1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/18・・・・・・・・・・・・・・3,686 ・・・・・・・・・・・・・51,879・・・・・・・・411・・・・・・・・・33
5(31)・・おやすみなさいを言いたくて・・・・・・・7/03・・・・・・・・・・・・・・2,136・・・・・・・・・・・・・・・3,137・・・・・・・・・23 ・・・・・・・・・25

 3・5位の2作品が新登場です。
 3位「色情狂vol.2」はもちろん「色情狂vol.1」の続編というか1セットというか・・・。全8場を2つに分けているのかな? 韓国題は「님포매니악 볼륨 2(ニンフォマニアックvol.2)」です。
 5位「おやすみなさいを言いたくて」は、年モントリオール国際映画祭で外国映画部門賞を受賞したノルウェイ・アイルランド・スウェーデン合作映画。舞台はアイルランドの海辺の町。主人公のレベッカ(ジュリエット・ビノシュ)は女性報道カメラマンで、世界各地を飛び回っています。娘が2人いますが、理解ある夫マーカス(ニコライ・コスター=ワルドー)が彼女を支えてくれています。しかし取材中に彼女は大きな事件に巻き込まれてしまい、心配した家族から「もう危険な所へは行かない」と約束させられます。このことがきっかけで彼女や家族たちの思いが複雑に交錯していきます。そんな中でレベッカが取った選択とは・・・。韓国題は原題「A Thousand Times Good Night」のままの「천번의 굿나잇(千回のグッドナイト)」です。日本では今年12月からお正月ロードショー決定、とのことです。


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