ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画の興行成績 [6月25日(金)~6月27日(日)]と人気順位 ▶2ヵ月ぶりに韓国映画が1位→「非通知着信」 ▶観客動員数は依然として低レベルが続く

2021-07-01 22:04:34 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 このところ1つの記事が長い状態が続いています。2009年8月にこの<韓国内の映画の人気ランク&興行成績>カテゴリーがスタートした時の記事(→コチラ)を見ると1本の文字数が現在の約3分の1です。読むことを考えるとあまりにも長過ぎ。今の時代、電車内等のスキマ時間にスマホで見てる人が多いでしょうしねー。韓国の映画興行成績が目当ての方ならそのデータのみに絞ればいいわけだし・・・、というわけで何とかしたいとは思っていました。
 そこで今回からは観た映画の感想や韓国映画関係の(データ以外の)諸情報は<最近観た映画の感想と、韓国映画情報など>のカテゴリーに分けることにしました
 ・・・ということで、最新の興行成績ランキングを見ると、注目は4月30日(金)~5月2日(日)の青春メロドラマ「雨とあなたの物語」以来2ヵ月ぶりに韓国映画が1位になったこと。作品名はハングルで「발신제한(発信制限)」(右画像)。韓国語がそれなりにわかる人でも「何なんだ??」と思う人は多いのでは? 日本語だと電話の非通知設定のことです。とりあえず「非通知着信」と仮題を付けておきました。(内容は下の記事参照。ただ2週連続1位はムリっぽいかも。)
 その間、1位に限らずベスト10全体を見ても韓国映画が少なく、アメリカのアクションや日本のアニメが目立っていましたが、これから稼ぎ時の7~8月はどうなるでしょうか?(今後の上映予定作については近日中にお知らせします。)

         ★★★ NAVERの人気順位(6月29日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(-)さすらいのシェフ(韓国)  9.64(285)
②(1) 学校に行く道(韓国)  9.61(137)
③(-) ブータン 山の教室  9.39(165)
④(2) 封鎖修道院カルトゥシオ(韓国)  9.34(74)
⑤(-) 玆山魚譜(韓国)  9.32(2,582)
⑥(4) 復活: その証拠(韓国)  9.30(420)
⑦(5) 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(日本)  9.28(12,542)
⑧(3) クルエラ  9.28(5,596)
⑨(6) 草間彌生∞INFINITY  9.28(18)
⑩(-) 劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel]II.lost butterfly(日本)  9.23(588)

 4作品が入れ替わりましたが、すべて最近の上映作の再上映。新登場はありません。。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ノマドランド  8.00(8)
②(-) 水を抱く女  8.00(6)
③(-) 夏時間[ハラボジの家](韓国)  7.83(12)
④(2) 帰れない二人  7.67(6)
⑤(3) イントロダクション(韓国)  7.67(3)
⑥(5) ミナリ  7.58(12)
⑦(6) 逃げた女(韓国)  7.33(6)
⑧(7) ファーザー  7.13(8)
⑨(-) 玆山魚譜(韓国)  7.00(9)
⑩(-) ブータン 山の教室  7.00(5)
⑩(-) さすらいのシェフ(韓国)  7.00(5)

 新登場の作品はありません。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績6月25日(金)~6月27日(日) ★★★
         久々の韓国映画1位「非通知着信」

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(50)・・非通知着信(韓国) ・・・・・・・・・・・6/23・・・・254,025 ・・・・・・・350,693・・・・・・3,362・・・・・1,010
2(7)・・ヒットマンズ・ボディガード2 ・・6/23 ・・・135,663 ・・・・・・・236,712・・・・・・2,374・・・・・・・975
3(2)・・クルエラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/26 ・・・・132,973 ・・・・・1,452,963・・・・・14,059 ・・・・・・797
4(1)・・クワイエット・プレイス・・・・・・・6/16 ・・・・130,246 ・・・・・・・619,246・・・・・・6,184・・・・・・・792
       破られた沈黙
5(3)・・あの夏のルカ ・・・・・・・・・・・・・・・・6/17・・・・・79,658 ・・・・・・・245,372 ・・・・・・2,243・・・・・・・760
6(4)・・死霊館 悪魔のせいなら、無罪・・6/03 ・・・・17,853 ・・・・・・・764,535 ・・・・・・7,684 ・・・・・・271
7(6)・・ワイルド・スピード ・・・・・・・・・・・5/19・・・・・・9,175 ・・・・・2,275,323 ・・・・・21,917・・・・・・・197
       /ジェットブレイク
8(5)・・女校怪談 六番目の話・・・・・・・・・・6/17・・・・・・7,475・・・・・・・・・89,402 ・・・・・・・・814・・・・・・・264
       :母校(韓国)
9(新)・・イン・ザ・ハイツ・・・・・・・・・・・・・・6/30・・・・・・3,238・・・・・・・・・・5,780・・・・・・・・・・61・・・・・・・181
10(9)・・劇場版「鬼滅の刃」 ・・・・・・・・・・・1/27・・・・・・2,736 ・・・・・2,144,756 ・・・・・20,600・・・・・・・・91
       無限列車編(日本)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は1・9位の2作品だけです。
 1位「非通知着信」は韓国のスリラー&ドラマ。銀行センター長のソンギュ(チョ・ウジン)は、子供たちを乗せて出発したいつもと同じ平凡な車出勤の途中、誰からかわからない非通知着信電話がかかってきます。「今あなたの座席の下には爆弾が設置されています」。携帯の向こう側の謎の声は「車に仕掛けた爆弾は席を立つと爆発する」という警告なのですが、ボイスフィッシング(詐欺)だと軽く考えたソンギュは、すぐに会社の同僚の車が同じ方式で爆破されるのを目の前で目撃し、突然釜山都心テロの容疑者とされて警察の追撃を受けることになります。降りれば爆発する絶体絶命の瞬間、警察の追撃の中で謎の発信者との電話までも切ることはできない状況に置かれるのですが…。原題は「발신제한(発信制限)」です。
 9位「イン・ザ・ハイツ」は、トニー賞4冠とグラミー賞最優秀ミュージカルアルバム賞を受賞したリン=マニュエル・ミランダによるブロードウェイミュージカルの映画化作品です。ニューヨークの片隅に取り残された街ワシントンハイツ。祖国を遠く離れた人々が多く暮らすこの街は、いつも歌とダンスであふれている。そこで育ったドミニカ人のウスナビ(アンソニー・ラモス)、ヴァネッサ(メリッサ・バレラ)、ニーナ(レスリー・グレース)、ベニー(コーリー・ホーキンズ)の4人の若者たちは、それぞれ厳しい現実に直面しながらも夢を追っています。ところが真夏に起きた大停電の夜、彼ら4人の運命は大きく動き出します・・・。韓国題は「인 더 하이츠」。日本公開は7月30日です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・クレッシェンド ・・・・・・・・・・・・・・・6/24・・・・・・・2,241・・・・・・・・・・3,322・・・・・・・・・・・28・・・・・・・・55
2(1)・・思い、思われ、ふり、ふられ<実写>(日本)・・6/16・・1,671 ・・・・・・14,623 ・・・・・・・・・129・・・・・・・・45
3(28)・・メイド・イン・ルーフトップ(韓国)・・6/23 ・・・・1,231・・・・・・・・・・3,531・・・・・・・・・・・31・・・・・・・・76
4(新)・・散らばった夜(韓国)・・・・・・・・・・・・6/24 ・・・・・・・・953・・・・・・・・・・1,736・・・・・・・・・・・15 ・・・・・・・・41
5(4)・・復活: その証拠(韓国)・・・・2020/10/08 ・・・・・・・・917・・・・・・・・・51,065 ・・・・・・・・・423 ・・・・・・・・14

 1・3・4位の3作品が新登場です。
 1位「クレッシェンド」はドイツのドラマ。世界的なマエストロのエドゥアルトは、平和コンサートのためにオーディションを経てイスラエルとパレスチナの才能ある演奏者を選びます。数十年間続いてきた紛争と葛藤を越えて、ただ音楽だけを見て集まりましたが、これまでの深い怒りと憎しみからすぐにお互いを攻撃し合うことに・・・。ひとつのオーケストラのための指揮者エドゥアルトは、真心を込めて努力を続け、永遠に平行線を歩くようだった彼らは少しずつお互いを理解し始めます。しかし、公演を1日前に控えてパレスチナのクラリネット奏者オマール」とイスラエルのフレンチホルン奏者シラー」がいなくなります・・・。オーケストラの公演は無事に行われるのでしょうか・・・。韓国題は「크레센도」。日本では一般公開はなく、DVDが出ています。
 3位「メイド・イン・ルーフトップ」は韓国のドラマ&ラブロマンス、といっても男&女の恋愛物ではなく、男&男のクィア映画。しかし、クィア映画といえば、たとえば性同一性に悩む主人公たちを取り巻く暗く深刻な雰囲気の作品が一般的です。しかしキム・ジョハン監督はそんなイメージから抜け出したいと考え、愛に不器用な青春の爽やかさとロマンチックで気持ちのいいエネルギーを感じさせる本作を制作しました。主人公は就職浪人中のハヌル(イ・ホンネ)。「俺もクールになるよ!」と、3年の間熱くなっていたボーイフレンドのジョンミンにウソの別れを伝えるという<ミルダン>(밀당.恋の駆け引き)に失敗してそのまま部屋を出ることに。別れて1日目、足の向くままハヌルが向かったのは友人のボンシク(ジョンフィ)の暮らす屋上部屋でした。ボンシクは韓国版ニコ生と言うべきアフリカTVのBJ(ジョッキー)をして稼いだお金でフレックスして[カッコつけて]、部屋をブランド品で飾り、「40歳前に死ぬ」を目標とし、今日だけを生きる自由な魂の持ち主で、恋愛などは必要ナシと言ってはいますが、積極的な<ソムナム>(感じのいい男子)に視線が行くことはしばしば。こんな彼ら2030世代の若者の生活事情と愛や友情を描いたさくひんです。原題は「메이드 인 루프탑」です。原題は「메이드 인 루프탑」です。
 4位「散らばった夜」は韓国のドラマ。イ・ジヒョン&キム・ソル監督という女性監督2人のデビュー作です。2019年の第20回全州国際映画祭の韓国映画コンペティションで大賞を受賞した作品で、また主人公の10歳の少女スミンを演じたムン・スンアちゃんも同じ10歳で俳優賞を最年少で受賞しました。物語は、スミンの両親の離婚をめぐる家族の解体を、スミンの視点から描くというもの。「このまま一緒に暮らしたらダメなの?」。突然家にやってくる見知らぬ人たち、スター英語講師のママと一緒に勉強に集中する中学生のお兄ちゃん、週に1度顔を見るかどうかというパパは博物館の学芸員。そして結局、両親は離婚を決意して、やむなく迫られることになった苦しい選択・・・。いや、自分が親を選ぶのか、あるいは親に選ばれるのか? 「親の離婚が子どもにとっても単純な問題ではないという当たり前の事実をじっくり込めた映画」と映画ジャーナリストのチョン・シウさんは書いています。原題は「흩어진 밤」です。