ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [12月22日(金)~12月24日(日)]

2017-12-27 14:49:26 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸20~26日の1週間で映画7本鑑賞。うち日本映画はドキュメンタリー「獄友」の試写会(at日比谷図書館)のみ。その間飲み会2回と、学生時代の友人2人と共に大森方面歴史散歩、そして仕事関係の会議とかもあって、密度の濃い日々でした。
 外国映画6本中5本は「立ち去った女」「ドリーム」「星空」「否定と肯定」「女神の見えざる手」と、女性が主人公。中でも「否定と肯定」と「女神の見えざる手」にはいろいろ考えさせられました。社会的問題を扱った作品ですが、<正義>を主張するにもその戦略・戦術が決定的というほど大きな要素を占めるとは・・・。そして<正義>を追求する<有能な>主人公たちの仕事に対する姿勢自体からして<戦い>そのもの。アメリカ(イギリスもか)が、そんなにもディベートが大きな意味を持つ社会だということがよくわかりますが、それって国際社会一般のことになってるのかな? もしかして日本も? よくわかりませんが、私ヌルボの性には合わないなー・・・。
 なお「否定と肯定」の中でしばしば出てきた<歴史修正主義>という言葉は<厄介>だと思います。たとえば今、慰安婦問題について多数派の日本人が思っていることを語ると、いずれは<歴史修正主義者>として指弾されるかも・・・。実際、批判されても仕方ないような日本人も多いから問題ではあるんですけどねー・・・。(<歴史修正主義>&<慰安婦>で検索してみてください。)
 「ドリーム」(←やっぱりひどいタイトルだな(笑))について。観た人の評点が一番高いのはわかります。しかし私ヌルボ、最初の感想は「この作品が40年前に作られていたらすごいのに、人種差別反対も女性差別反対もとっくに常識となってるのに、なんで今?」という疑問。その後映画館内の掲示物を見たら「なぜ今この映画が公開されたのか。それは重要なこと」という主演のタラジ・P・ヘンソンの言葉が記されていました。つまり「それはこの頃(50~60年代)の出来事がまた起きようといているから」とのこと。なるほど、とトランプ及び彼を当選させたアメリカ社会のことが思い浮かび・・・、と3~4割程度考え直しました。

▸20日に観た韓国映画「ありふれた悪事」(原題:보통사람(普通の人)は観て得した感じ。1987年民主化闘争の高揚期、全斗煥の軍事政権による弾圧とくに拷問の問題を扱っていて、韓国の最新作「1987」とか、「南営洞1985」(2012)にも相通ずるものがあります。それから昨秋公開されたドキュメンタリー「自白」とも。※来年1月20日この「自白」の上映会が開かれます。→詳細。軍政時代の韓国の拷問についての本(小説&非小説)もいろいろありますが、いずれ別記事で・・・。(って、いつ?)    
    
「朝鮮日報」12月23日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「パターソン」
   平凡な日常 非凡な観察 ★★★☆



 「神と共に-罪と罰」

   善く生きよう、許しつつ ★★★



 「グレイト・ショーマン」

   今のままで貴方は最高 ★★★


 「まじめな遊び」

   冷たく異国的な恋愛潭 ★★☆

 4作品とも以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(12月26日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(-) グレイテスト・ショーマン  9.55(4,500)
②(2) ルター  9.33(216)
③(3) 再び生まれ変わっても、私たち(韓国)  9.32(770)
④(5) アイ・アム・ホープマン(韓国)  9.22(36)
⑤(6) ゴッホ~最期の手紙~  9.19(4,007)
⑥(-) KING OF PRISM -PRIDE the HERO-(日本)  9.19(701)
⑦(8) モーディー  9.18(2,645)
⑧(7) ポロロ劇場版 恐竜島大冒険(韓国)  9.17(2,567)
⑨(9) 劇場版総集編『ハイキュー!! 才能とセンス』(日本)  9.17(288)
⑩(-) 共犯者たち(韓国)  9.16(100)

 今回の新登場は①「グレイテスト・ショーマン」だけですが、この作品については後述します。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 牯嶺街少年殺人事件[デジタルリマスター版]  9.00(6)
②(-) パターソン  8.20(9)
③(-) ムーンライト  7.89(9)
④(2) スター・ウォーズ/最後のジェダイ  7.71(7)
⑤(3) オン・ボディー・アンド・ソウル  7.67(6)
⑥(4) ゴッホ~最期の手紙~  7.50(8)
⑦(-) オクジャ(韓国・アメリカ)  7.33(15)
⑦(5) メリー・クリスマス ミスター・モ(韓国)  7.33(15)
⑨(7) 静かなる情熱 エミリ・ディキンスン  7.20(5)
⑩(9) 七月と安生  7.17(6)

 ②「パターソン」が今回の新登場です。日本では(めずらしく)韓国より4ヵ月も早い8月に公開され、高評価を得ています。韓国題は「패터슨」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月22日(金)~12月24日(日)) ★★★

         「神と共に-罪と罰」が破格の数字で1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(72)・・神と共に-罪と罰(韓国)・・・・・・・12/20・・・・・・・・2,729,930・・・・・・・・3,554,004 ・・・・・・・28,731 ・・・・・・・1,884
2(1)・・鋼鉄の雨[STEEL RAIN](韓国)・・12/14 ・・・・・・・・・779,421・・・・・・・・3,131,270 ・・・・・・・25,074 ・・・・・・・1,005
3(27)・・グレイテスト・ショーマン・・・・12/20 ・・・・・・・・・302,869 ・・・・・・・・・392,273 ・・・・・・・・3,250・・・・・・・・・702
4(47)・・劇場版ポケットモンスター・・・12/21 ・・・・・・・・・173,279 ・・・・・・・・・189,020 ・・・・・・・・1,425・・・・・・・・・622
       キミにきめた!(日本)
5(25)・・モンスター・ファミリー・・・・・・12/21 ・・・・・・・・・134,729 ・・・・・・・・・151,101 ・・・・・・・・1,121・・・・・・・・・583
       恐竜島大冒険(韓国)
6(2)・・スター・ウォーズ/最後のジェダイ・・12/14・・・・108,589・・・・・・・・・・874,180 ・・・・・・・・7,785・・・・・・・・・482
7(3)・・ポロロ劇場版 ・・・・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・71,746・・・・・・・・・・660,032 ・・・・・・・・4,989・・・・・・・・・379
       恐竜島大冒険(韓国)
8(78)・・ザ・スター ・・・・・・・・・・・・・・・・・12/21 ・・・・・・・・・・26,345 ・・・・・・・・・・31,468 ・・・・・・・・・・231・・・・・・・・・158
9(4)・・メアリと魔女の花(日本)・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・10,825 ・・・・・・・・・527,018・・・・・・・・・4,005 ・・・・・・・・・101
10(新)・・ラブ・アクチュアリー・・2003/12/05 ・・・・・・・・・・・8,788 ・・・・・・・・・301,119・・・・・・・・・2,092 ・・・・・・・・・・93
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 先週の記事では「神と一緒に」と書いたのは、原作漫画の日本語版のタイトルに合わせたから。そして「神と共に」だとちょっと硬い感じがしたから。しかしネット内ではほとんど「共に」になっているので合わせることにしました。その「神と共に」が圧倒的な数字で1位。しかしネチズンの評点を見ると「グレイテスト・ショーマン」>「鋼鉄の雨」>「神と共に」の順。今後の推移はどうなるかまだわからず。次の注目作「1987」も登場することだし・・・。
 今回の新登場は1・3・4・5・8・10位の6作品です。
 1位「神と共に-罪と罰」は、チュ・ホミンの人気ウェブトゥーンが原作。火災現場で命を失った消防士ジャホン(チャ・テヒョン)が49日の間あの世で七大地獄を廻って・・・という物語で、日本でもおなじみの(?)地獄のようすが現代感覚で、またユーモア雑じりで描かれます。原題は「신과함께-죄와 벌」です。
 3位「グレイテスト・ショーマン」は、アメリカのミュージカルエンタテインメント。“ショービジネスを生み出した男”と称される実在した興行主、P.T.バーナムの波乱万丈の生涯を描いた作品。職を失った夢想家のバーナム(ヒュー・ジャックマン)はあるアイデアをきっかけにショービジネスの道へと足を踏み入れ、イギリスに渡ります。そして女王に謁見。そこで出会ったオペラ歌手ジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン)と共にアメリカに戻り、全米を魅了するショーを繰り広げますが・・・。韓国題は「위대한 쇼맨」。日本公開は来年2月16日です。
 4位「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」はシリーズ第20作目になるのか。最初が1998年。早いものです。韓国でも最初から全部公開されています。韓国題は「극장판 포켓몬스터 너로 정했다!」です。
 5位「モンスター・ファミリー」はイギリスのコメディ・アニメ。退屈な日常の中、ウィッシュボーン一家は会えばケンカをしているという家族。そんな家族の和合のためにと、ママはハロウィーンパーティーを準備します。ところが吸血鬼の歯を探していて本当のドラキュラと電話がつながってしまい、そのドラキュラの陰謀であっという間に家族全員がモンスターに変身してしまいます。しかし、変身した当初は当然困ったものの、そのうちパワーもUPする等々人間の時よりもけっこう魅力的。むしろ楽しいことが増えたのです。といってもやっぱり・・・。はたしてこの家族、再び人間に戻ることができるのでしょうか? 韓国題は「몬스터 패밀리」。日本公開はなさそう、かな。
 8位「ザ・スター」(仮)は、イエス・キリスト誕生を素材にしたアメリカのアニメ。天使がマリアに救世主を身ごもっていると告げた言葉を盗み聞きしていたネズミのアビー。「救世主が降臨する。その証拠に新しい星が夜空に出現したぞ」と他の動物たちにふれ回ります。その3ヵ月後、自由を夢見ていたロバのボーは、ベツレヘムで明るく輝く星を発見し、小麦を挽く仕事を棄ててマリアとヨセフのもとへ。そしてハトのデイブや羊のルースたちとともにヘロデ王の策謀に対抗します・・・。韓国題は「더 크리스마스(ザ・クリスマス)」。日本公開は、これもなさそうかな?
 10位「ラブ・アクチュアリー」は、2003年の英米合作ロマンチック・コメディの再上映。これもクリスマス映画ですね。韓国題は「러브 액츄얼리」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・ラブ・アクチュアリー・・・・・・2003/12/05 ・・・・・・・・・・・8,788 ・・・・・・・・・・301,119 ・・・・・・・・・2,092・・・・・・・・・・93
2(2)・・ゴッホ~最期の手紙~ ・・・・・・・・・・11/09 ・・・・・・・・・・・8,427 ・・・・・・・・・・369,172 ・・・・・・・・・2,934・・・・・・・・・・54
3(18)・・パターソン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/21 ・・・・・・・・・・・8,331 ・・・・・・・・・・・12,164・・・・・・・・・・・・99・・・・・・・・・・60
4(1)・・チューリップ・フィーバー ・・・・・・・12/14 ・・・・・・・・・・・3,550 ・・・・・・・・・・・47,670・・・・・・・・・・・381・・・・・・・・・・27
5(新)・・まじめな遊び ・・・・・・・・・・・・・・・・・12/21 ・・・・・・・・・・・1,573 ・・・・・・・・・・・・2,814・・・・・・・・・・・・22・・・・・・・・・・43

 1・3・5位の3作品が新登場です。
 1位「ラブ・アクチュアリー」と、3位「パターソン」については上述しました。
 5位「まじめな遊び」(仮)は、スウェーデンのラブロマンス、というか不倫ドラマというか・・・。有望な若手の記者アビッドと画家の娘リディアは一目で恋に陥ります。しかし、突然リディアの父が死を迎え、将来への不安が2人の間を引き離します。若い恋人の眩しい季節はそうして通り過ぎてしまいます。その後10年が経って2人は再会します。長く別れていただけに切なさが押し寄せてきて、彼らは互いを渇望するようになりますが・・・。韓国題は「스톡홀름의 마지막 연인(ストックホルム最後の恋人)」です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする