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ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [11月27日(金)~11月29日(日)]

2015-12-01 23:52:53 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 11月28日にフィルムセンターで「君と僕」「迷夢」を鑑賞。「君と僕」では初めて永田絃次郎(金永吉)が歌う場面を観ました。(こんな所で!と李香蘭も登場。) YouTubeには永田の歌がいろいろありますが、そのほとんど(全部?)が軍歌か国威発揚の歌なのは韓国・朝鮮人ならずとも哀しい気がします。「迷夢」は以前YouTube(→コチラ)で観たので内容はほぼ記憶に残っていました。<籠の鳥>から脱しようという点で前週に観た「自由夫人」と共通するところがありますね。

 渋谷の気骨ある映画館の1つユーロスペースでは12月12~18日の<イスラーム映画祭2015>に続いて12月19~25日は<ニッポン・マイノリティ映画祭>。日本大学藝術学部映画学科の企画・運営で、被差別・在日韓国人・アイヌ民族・沖縄の基地問題・広島&長崎の被爆者・LGBTなどを扱った15作品を上映。上映作品(→コチラ)を見てみると在日韓国人関係は(私ヌルボ未見の)「異邦人の河」だけですが、全体的に意義のあるラインナップで、<日韓国交正常化50周年 韓国映画1934-1959 創造と開花>と折り合いをつけつつ観に行こうと思っています。

「朝鮮日報」11月27日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「バケモノの子」
   決めた!子供とまた観る ★★★☆

 「情熱みたいなこと言ってるね」

   会社員に笑いと慰労を ★★★


 「桃李花歌」

   パンソリでないと空腹 ★★★

 「スティーヴとロブのグルメトリップ」

   料理より美味・声帯模写 ★★★


 「アイランド:時間を盗む島」

   カメラだけが騒がしい ★★☆


 「スティーヴとロブのグルメトリップ」は、「イタリアは呼んでいる」のウィンターボトム監督の旧作(2010)で、イギリス各地の一流レストランを食べまわるグルメレポート旅行に出た男2人の愉快な珍道中を描いたコメディ。「アイランド:時間を盗む島」は韓国のミステリー。不慮の大きな事故に遭った後、K(オ・ジホ)は全てを失って故郷の済州島に帰って来ます。しかし、「20年前に消え去った彼女が戻ってくる!?」。夜ごとにそんな奇妙なことが・・・。その謎を探るうちに、島の秘密が徐々に暴かれていきます・・・。「ピーター・パン」の著者バリーの戯曲「メアリー・ローズ」が原作。日本未公開。他の作品についてはすべて下の記事中で紹介しています。

           ★★★ Daumの人気順位(12月1日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①危路工団(韓国)  9.3(32)
②ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ  9.1(43)
③ミューン:月の守護者  9.1(34)
④JSA(韓国)  8.9(362)
⑤エターナル・サンシャイン  8.8(502)
⑥あなたをずっとあいしてる(日・韓)  8.8(87)
⑦ブリッジ・オブ・スパイ  8.4(138)
⑧エール!  8,2(109)
⑨内部者たち(韓国)  8.2(1929)
⑩ウィ・アー・ユア・フレンズ  8.2(45)

 入れ替わりは4作品ありましたが、新登場はありません。

     【専門家による順位】

①タクシー  8.5(6)
②シチズン・フォー  8.2(5)
③今は正しいがその時は間違いだ(韓国)  8.2(4)
④ブリッジ・オブ・スパイ  8.1(8)
⑤危路工団(韓国)  8.0(7)
⑥エヴァの告白  8.0(5)
⑦オデッセイ  7.8(6)
⑧ザ・ロブスター  7.6(6)
⑨EDEN/エデン  7.6(3)
⑩ザ・ウォーク  7.2(7)

 順位変動は少しありましたが、新登場の作品はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[11月27日(金)~11月29日(日)] ★★★

         1~4位は韓国映画が独占、だが・・・

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・内部者たち(韓国)・・・・・・・・11/19・・・・・・・・・・1,136,656 ・・・・・・・・3,589,454・・・・・・・・・28,765・・・・・・・1,129
2(2)・・黒い司祭たち(韓国) ・・・・・11/05 ・・・・・・・・・・・236,987 ・・・・・・・・4,905,657・・・・・・・・・38,344・・・・・・・・・538
3(33)・・情熱みたいなこと・・・・・・・11/25 ・・・・・・・・・・・225,091・・・・・・・・・・341,001・・・・・・・・・・2,511・・・・・・・・・560
       言ってるね(韓国)
4(新)・・桃李花歌(韓国) ・・・・・・・・11/25 ・・・・・・・・・・・138,061・・・・・・・・・・228,262・・・・・・・・・・1,635・・・・・・・・・563
5(3)・・ハンガー・ゲーム FINAL:・・11/18 ・・・・・・・・・・117,244・・・・・・・・・・679,059・・・・・・・・・・5,119・・・・・・・・・409
       レボリューション
6(69)・・バケモノの子(日本)・・・・・・11/25・・・・・・・・・・・・80,019・・・・・・・・・・108,873 ・・・・・・・・・・・811・・・・・・・・・363
7(28)・・烈車戦隊トッキュウジャー・・11/26・・・・・・・・・・45,269・・・・・・・・・・・50,149 ・・・・・・・・・・・369・・・・・・・・・344
       VSキョウリュウジャー THE MOVIE(日本)
8(4)・・007 スペクター ・・・・・・・・・・11/11 ・・・・・・・・・・・・41,576・・・・・・・・・1,778,530・・・・・・・・・13,979・・・・・・・・・207
9(新)・・クリムゾン・ピーク・・・・・・・11/25 ・・・・・・・・・・・・20,587 ・・・・・・・・・・・31,889 ・・・・・・・・・・・260・・・・・・・・・255
10(5)・・エターナル・サンシャイン・・2005/11/10・・・・・17,943 ・・・・・・・・・・411,467 ・・・・・・・・・・3,093・・・・・・・・・・67
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 1~4位を韓国映画が独占しましたが、新しい方の2作つまり3位「情熱みたいなこと言ってるね」と4位「桃李花歌」は期待ほどの数字ではなく、製作者側にとっては落胆が大きいようです。2作の共通点は女性が単独主人公ということ。→コチラの記事(韓国語)の見出しは「パク・ボヨン、スジも惨敗 女性単独主人公映画のヒットはいつ?」というもの。内容は、韓国では女性ファンは1人でも映画館に行くが、男性の多くは女性連れで観る映画も女性任せであり、その女性ファンは女性単独主人公の韓国映画はあまり選ばない、ということだそうです。(ホントにそうなの?) しかし、パク・ボヨンもスジも、「黒い司祭者たち」の熱演で注目されたパク・ソダムよりも魅力的なので、女性ファンの皆さんもこの機会にぜひ、とキム・ジョンファン記者は呼びかけています。
 今回の新登場は3・4・6・7・9位の5作品です。
 3位「情熱みたいなこと言ってるね」は、スポーツ紙の芸能部の女性新米記者ト・ラヒ(パク・ボヨン)の奮闘記。期待が大きかった芸能記者生活のしょっぱなで彼女の幻想は崩されます。課せられた仕事でアクシデントを巻き起こす彼女にハ・ジェグァン部長(チョン・ジェヨン)の罵声が浴びせられます。部長も上司のコ局長(オ・ダルス)にスクープを持ってこいとせっつかれてるようですが。そんな中、ラヒもライバル新聞社のチェウン記者(リュ・ヒョンギョン)から取材上のアドバイスをもらったり等々してがんばります・・・。あるネチズン評に、ドラマ「未生」の新聞社の芸能部版みたいだ、とありましたがいかがなものでしょうか? 原題は「열정 같은 소리하고 있네」と、「情熱」ではなく「熱情」。で、「熱情」のハングル表記は「劣情」と同じ(笑)ことに今気づきました。
 4位「桃李花歌」は、朝鮮後期(19世紀後半)興宣大院君が権力の座にあった頃のパンソリの大家・申在孝(シン・ジェヒョ.1812~84)と、彼が育てた朝鮮最初の女流名唱・陳彩仙(チン・チェソン.1847~?)という2人の実在した人物の間の「秘められた物語」を描いた作品。身寄りのない少女チェソン(ペ・スジ)は、偶然に聞いたシン・ジェヒョ(リュ・スンリョン)の歌声を忘れられず、歌い手の夢を持ち続け、ある日朝鮮最初のパンソリ学堂・桐里精舍にジェヒョを訪ねて歌を習うことを希望します。しかし、当時は女性がパンソリをすることが許されていなかったため、ジェヒョはチェソンの申し出を断ります。しかしチェソンはあきらめず、男装をして桐里精舍に入ります。その後興宣大院君が全国の歌い手のための落成宴という競演を開催するとの知らせが入り、ジェヒョはパンソリ「春香歌」の歌い手として男たちが決して真似することのできない声を持つチェソンを受け入れることを決心します。チェソンが女であることが分かれば死刑を免れない危険の中、ジェヒョはチェソンに自分の全てを教えるのですが・・・。その時代に女性の歌い手は認められていなかったとは知りませんでした。パンソリ映画というと何といっても「風の丘を越えて~西便制」ですが、あえて今、スジが「建築学概論」以来の2作目でパンソリに挑戦ですか。全て吹き替えなしで撮ったそうです。うーむ・・・。原題は「도리화가」です。
 6位「バケモノの子」は、日本で7月の公開以来好評でしたが、韓国ネチズンの評価(→コチラ)もなかなか高いです。韓国題は「괴물의 아이(怪物の子)」。漢字・ひらがな・カタカナのある日本語の表現力◎。
 7位「烈車戦隊トッキュウジャーVSキョウリュウジャー THE MOVIE」は、大人気放映中の<スーパー戦隊シリーズ>38作目とのことです。私ヌルボの数多い苦手分野のひとつで、「大人気放映中」どころか、このシリーズ自体も知りませなんだ・・・。韓国題は「극장판 파워레인저 트레인포스 VS 다이노포스 THE MOVIE」です。
 9位「クリムゾン・ピーク」は、アメリカのスリラー。幽霊を見ることができるイーディス(ミア・ワシコウスカ)は、恋人トーマス(トム・ヒドルストン)との結婚を機に、彼の姉ルシール(ジェシカ・チャステイン)と共に“クリムゾン・ピーク“と呼ばれる山頂にある広大な屋敷で暮らすことになります。ところが、新しい生活に慣れてきた頃、深紅の亡霊たちが現れ、イーディスにある警告します・・・。古い屋敷に幽霊か。どこに新味が、と思ったらギレルモ・デル・トロ監督か。「パンズ・ラビリンス」はよかったな。韓国題は「크림슨 피크」。日本公開は来年1月8日です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・エターナル・サンシャイン・・・・2005/11/10・・・・・・・・・・・・17,943 ・・・・・・・・・・411,467・・・・・・・・・・・3,093 ・・・・・・・・・67
2(2)・・THE IDOLM@STER MOVIE ・・・・・・11/19 ・・・・・・・・・・・・・4,983・・・・・・・・・・・・18,930 ・・・・・・・・・・・・138 ・・・・・・・・・36
       輝きの向こう側へ!(日本)
3(3)・・ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ・・2001/3/01 ・・・・・・・・・・2,626・・・・・・・・・・・・17,110 ・・・・・・・・・・・・131 ・・・・・・・・・34
4(14)・・偽善者たち(韓国)・・・・・・・・・・・・・・11/26・・・・・・・・・・・・・・1,747 ・・・・・・・・・・・・・6,753・・・・・・・・・・・・・42 ・・・・・・・・・23
5(4)・・ザ・ロブスター・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/29 ・・・・・・・・・・・・・1,595 ・・・・・・・・・・・・49,207・・・・・・・・・・・・404 ・・・・・・・・・17

 4位「偽善者たち」が新登場です。就職活動中の女子大生ソヨン(クォン・ミンジュン)は、大企業就職を条件に<性上納>を強要されます。これに対し、彼女はセクハラや売春等の問題はすべての国に原因と責任があると判断し、大韓民国を相手に訴訟を提起すします。前代未聞の国相手の訴訟は国全体の論議を呼び、生番組のTV討論のテーマになります。弁護士、作家、女優、文化評論家等々の間の議論は責任の所在から社会指導層の二重性や社会の不条理にも及び、徐々に熱を帯びて相互の暴露までがが飛び交う事態に・・・。そして放送局長は視聴率のためにもっとやれとディレクターを煽ります・・・。全てが終わった時、一人取り残されたソヨンは静かに口を開きます・・・。ヌルボの疑問は、これがどこまで韓国の現実を反映しているか?ということ。日本だと明白な犯罪でしょ?(日本でなくても、ですね。) 原題は「위선자들」です。
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