ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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[韓国語] 「蒸し暑さ(ムドウィ)」と「虹(ムジゲ)」の共通項は?

2015-10-04 21:28:35 | 韓国語あれこれ
 9月25日の記事<双八年度>って、いつのこと?>(→コチラ)の中で韓国SBSの番組「1億クイズショー(1억 퀴즈쇼)」のことを画像付きで少し書きました。
 そこで私ヌルボ、8月にもこの番組の画像を見たことを思い出しました。その時は「虹」つまり「무지개(ムジゲ)」という言葉に関する問題でした。

 で、その「무지개」について検索したきっかけは、「朝鮮日報」の連載コラム「萬物相」でした。8月8日は<무더위 강더위(蒸し暑さ、強烈な(?)暑さ)>という見出しで書かれていました。(→コチラ。)
 いかにも、とくに暑かった今年の夏の真っ盛りの記事です。見出しにある<무더위><蒸し暑さ><더위(トウィ)>=<暑さ>に무(ム)が付いてしあつさ>なので、日本人としては憶えやすいですね。
 ところが、もう1つの<강더위>という言葉は知りませんでした。
 記事の冒頭に「<강(強)추위>「雪が降って刺すような風が吹く厳しい寒さ」だ」とあるので、<강추위>や<강더위>の강は強。つまり「強烈な」寒さ・暑さのことをいうのかと思いましたが、それは一瞬。次のような文章が続いています。
 純粋の韓国語<강추위>は全然違う。「雪も降らず、風も吹かない、ひたすら厳しい寒さ」だ。」
 つまり、この場合の강は漢字の「強」ではなく、固有語の接頭語。たしかに辞書にもあります。「厳しい・酷い」といった意味です。
 <강추위>の意味は上記のように雪のような水気のない寒さ。そして同様に<강더위>湿気のないカラカラの暑さのことをいうのだそうです。これに対して<무더위>「湿度と温度が高く、蒸すような堪えがたい暑さ」です。今年の夏は降水量が少なく、貯水量も9月半ばの時点で平年の約7割だし、まさに<강더위>の夏だったということでしょう。

 さて、この記事を読んで知ったのが「なんで<暑さ.더위>にが付くと<蒸し暑さ.무더위>という意味になるのか?」ということ。記事によると、この물(ムル.水)から転じたものだとか。えっ、そうなの!?と私ヌルボ、目からウロコ。
 で、この물に由来した무が頭に付いている言葉として<무좀>(ムジョム.水虫)<무지개>(ムジゲ.虹)が例にあげられていました。後者については、물방울(水滴)が作った<지게>(チゲ.지게문すなわち門)という意味なのだそうです。

 と、ここで関連の韓国記事をいくつか見てみた中に上述の「1億クイズショー」があったというわけです。(→コチラ。)
 2012年6月の放送で、出された問題は「무지개の語源は何か?」
 しかし、その問の内容は무の部分についてではなく지개の意味を問うもの。「무지개は元々水で 作られた「これ」であるという言葉だった。「これ」とは何か?」という2択問題で、選択肢は①활(弓) ②문(門)。先に「萬物相」を読んでたので当然ラクショー。画像を見ると正答者6人で間違った人2人。英語のrainbowが「雨+弓」なので、「それはないだろう」という読みがほしかったところ。

 この「1億クイズショー」という番組についてちょっと興味を持ったので調べてみたら、2011年11月にスタートして1年後に終わったようで、今はありません。