ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [10月31日(金)~11月2日(日)]

2014-11-04 23:52:17 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 29日に観た「最後まで行く」は<コリアン・シネマ・ウィーク2014>中一番の期待作でした。たしかに「晩餐」と比べるとコチラは娯楽作だけあって不都合な死体の隠し方でもフツーじゃなく、すごく凝っています。いや、凝っているのは脚本自体。「ありえない!」というシーンがいくつもあって、むしろ凝り過ぎの感あり。「テロ,ライブ」の方が楽しめたな、やっぱり。同日の「これが私たちの終わりだ」はちょっと期待外れ。コンビニの24時間から現代の厳しい社会状況を描き出すと言う設定はよしとして、作りがモロB級。次々にヘンな客が来るし、バイトの女子が大幅に遅刻して開店が遅れるってありえないでしょ。(韓国ではあるの!?) またいくら客が来なくてヒマだからといって、店員2人でイートインで軽く飲み食いというのも・・・。この映画、韓国ではなぜか青少年観覧不可。店員同士の同性愛がダメなの!?

 暴力・貧困関係の映画が続いた後、台湾映画「祝宴!シェフ」でバッチリ気分転換。「お父さん」(老爸.lǎo bà)と「お母さん」(老媽.lǎo mā)が「アッパ」「オンマ」と聞えてしまいます(笑)。

 11月はシネマヴェーラ渋谷の<韓国映画の怪物 - キム・ギヨンとキム・ギドク –><「金日成のパレード 東欧の見た“赤い王朝”」「北朝鮮・素顔の人々」ロードショー>の他、<東京フィルメックス>(→コチラ)もあるし、11月16日(日)には「もうひとつの約束」東京上映会(→コチラ)もあるし「殺人の疑惑」(ヒューマントラストシネマ渋谷で1週間限定レイトショー)なんて観に行く余裕はなさそうだなー。韓国文化院での映画上映会もあるし・・・。え、明日(5日)?
「朝鮮日報」10月31日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「わたしが眠りにつく前に」ドキドキ刻む味がある。 ★★★
 「ザ・サルベーション」ミケルソン、目力だけで。 ★★☆
 「潔く柔く きよくやわく」日本漫画のファンなら。 ★★
 「弟子、玉漢欣(オク・ハンフム)」まだあなたが偲ばれる。 ★★★
 「ジ・アングリエスト・マン・イン・ブルックリン」キャプテン、安らかなれ。 ★★☆
 「百瀬、こっちを向いて。」当時僕らが愛した少女。 ★★
※「弟子、玉漢欣(オク・ハンフム)」は、大韓イエス教長老会に所属した牧師で、メガ・チャーチのサラン教会の元老牧師だった玉漢欣(1938~2010)のドキュメンタリー。日本の2作品は説明省略。他の3作品は以下の記事中で紹介しています。


           ★★★ Daumの人気順位(11月4日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①音叉(韓国)  9.5(21)
②神秘世界歴険記 2  9.5(26)
③60万回のトライ(日本・韓国)  9.3(96)
④ジ・アングリエスト・マン・イン・ブルックリン  9.2(23)
⑤チョコレートドーナツ  9.1(63)
⑥ある愛へと続く旅  9.1(23)
⑦ザ・サルベーション  9.1(20)
⑧ぼくを探しに  9.0(130)
⑨6才のボクが、大人になるまで。  8.8(84)
⑩その人 枢機卿(韓国)  8.7(28)

 ①④⑥⑦の4作品が新登場です。
 ①「音叉」は、戦後長く中国で暮らす旧慰安婦被害者をテーマにしたインディペンデント映画。<DAUM映画>では韓国映画となっていますが、「聯合ニュース」の記事(→コチラ)では韓中合作になっています。この作品は日本の植民地時代に中国に連行(?)された密陽出身のパク・オクソンさんの実体験を基に描いた物語。紡績工場への就職を斡旋するとの言葉にだまされ中国に連れて行かれた女性クィイム(イ・オッキ)は大戦が終わって韓国が解放された後も故国に帰れず、中国で70年間朝鮮族ハルモニとして暮らします。彼女の唯一の希望である孫娘のヒャンオク(チョ・アン)はハルモニを故郷に連れてくるという夢を抱きながら語学研修のため韓国に向かいます。1人中国に残ったハルモニは、ヒャンオクからの便りを待つのですが・・・。この映画については、「中央日報」が連載コラムで「慰安婦・性奴隷映画、国際映画祭で大ヒットさせよう」という記事を載せています。(→コチラ。)
 ネット内では案の定「反日宣伝映画だ!」といった声も出始めていますが、観ないうちから丸ごと非難するのもどんなものでしょうか? ただ、予告編についてはSARUさんがツイッターで「日本の官憲が腕をつかんで<強制的に連行>したように見える」と書いてましたが、→コチラで見るとたしかにそんな感じですね。今の韓国でどう教えられほうじられているかよりも、パク・オクソンさんの人生そのままが知りたいところ。原題は「소리굽쇠」です。
 ④「ジ・アングリエスト・マン・イン・ブルックリン」は、イスラエルのコメディ映画「Mar Baum」(1997年)のハリウッド版リメイク。躁うつ病を患っているヘンリー(ロビン•ウィリアムズ)は日常的に不満憤懣が一杯の厄介な性格の人。ある日本来の主治医の代わりに診療に入ってきた女医のシャロン(ミラ•クニス)は、ヘンリーの挑発にを受けて彼の人生が90分しか残っていないと告げます。残りの90分間、新しい人生を生きることを決意したヘンリー、仲間のアドバイスにしたがって愛する家族と過ごすことに決心するのですが、妻は和解申請を受けてくれるはずもなく、彼と対立している次男は連絡すら避けてしまいます。一方、遅まきながら事態の深刻さを悟ったシャロンはヘンリーの周辺の人たちと一緒に彼を見つけるためにブルックリンへ・・・。韓国題は「앵그리스트맨」。日本公開は未定のようです。
 ⑥「ある愛へと続く旅」は、 日本では2013年11月に公開されました。韓国題は「투와이스 본」です。
 ⑦「ザ・サルベーション」はデンマーク・南アフリカ・イギリス合作の西部劇。1870年代のアメリカを舞台に、デンマークからの入植者ジョンが、家族を虐殺したギャングに対する復讐の物語。主演は昨年のカンヌ映画祭で最優秀男優賞を受賞したマッツ・ミケルセン。韓国題は「웨스턴 리벤지(ウェスタン・リベンジ)」。日本公開は、東北新社が買いつけたとのことですが、東北新社のサイト(→コチラ)を見ても何も書かれてないゾ。そういえば、ミケルセンが主演した「バトル・オブ・ライジング コールハースの戦い(ミヒャエル・コールハース)」は韓国では劇場公開され好評だったのに、日本では9月にWOWWOWで放映されただけでオシマイなのかな?

     【専門家による順位】

①6才のボクが、大人になるまで。  9.5(8)
②その人 枢機卿(韓国)  8.0(1)
③ゴーン・ガール  7.7(8)
④自由が丘で(韓国)  7.7(4)
⑤夜間飛行(韓国)  7.6(3)
⑥FRANK -フランク-  7.2(4)
⑦her/世界でひとつの彼女  7.0(6)
⑦帰来(カミング・ホーム)  7.0(3)
⑨ジミーズ・ホール  6.8(6)
⑩情報提供者(韓国)  6.6(8)

 今回は順位変動はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[10月31日(金)~11月2日(日)] ★★★

         1位「ゴーン・ガール」、2位「私たちは兄弟です」は変わらず

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・ゴーン・ガール・・・・・・・・・・・・・・10/23 ・・・・・・・・・・・452,681・・・・・・・1,226,436 ・・・・・・・・9,760・・・・・・・・686
2(2)・・私たちは兄弟です(韓国) ・・・・10/23 ・・・・・・・・・・・243,236・・・・・・・・・807,679 ・・・・・・・・6,078・・・・・・・・504
3(23)・・私の独裁者(韓国)・・・・・・・・・10/30・・・・・・・・・・・・207,680・・・・・・・・・273,951 ・・・・・・・・2,089・・・・・・・・654
4(3)・・私の愛、私の花嫁(韓国) ・・・・10/08 ・・・・・・・・・・・134,645・・・・・・・2,061,059 ・・・・・・・16,033・・・・・・・・367
5(4)・・レッド・カーペット(韓国) ・・・・・・10/23 ・・・・・・・・・・・・68,825・・・・・・・・・274,800 ・・・・・・・・2,094・・・・・・・・285
6(5)・・ドラキュラZERO・・・・・・・・・・・・・10/08・・・・・・・・・・・・・56,770・・・・・・・1,303,800・・・・・・・・10,469・・・・・・・・277
7(8)・・6才のボクが、大人になるまで。・・10/23・・・・・・・・・・43,212・・・・・・・・・126,487 ・・・・・・・・・・969・・・・・・・・183
8(22)・・わたしが眠りにつく前に ・・・・10/30・・・・・・・・・・・・・26,182 ・・・・・・・・・35,433・・・・・・・・・・・281・・・・・・・・197
9(6)・・情報提供者(韓国) ・・・・・・・・・・10/02・・・・・・・・・・・・・21,994・・・・・・・1,745,595 ・・・・・・・13,452・・・・・・・・199
10(7)・・メイズ・ランナー ・・・・・・・・・・・・・9/18 ・・・・・・・・・・・・18,592・・・・・・・2,807,657・・・・・・・・21,453・・・・・・・・・95
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は3・8位の2作品だけです。
 3位「私の独裁者」は、アラ、またソル・ギョング、そしてまたまたパク・ヘイルじゃないですか! 最初の南北正常会談を前にして、無名俳優キム・ソングン(ソル・ギョング)は会談リハーサルのための金日成の代役オーディションに合格する。人生で初めての主人公の役に言葉遣いからジェスチャーまで必死に取り入れようとするソングン。結局、南北正常会談はなくなったが、彼は金日成役から抜け出すことができない。それから約20年後、自らを金日成だと信じる父ソングンのせいで頭がおかしくなりそうな息子テシク(パク・ヘイル)。借金精算のためやむなく昔の家へ父を招いたテシクは独裁者「首領同志」に仕え、穏やかな時のない毎日を送るようになり・・・。設定から、当初コメディかと思いましたがそうでもなさそう。父性愛の物語、かな? 原題は「나의 독재자」です。
 8位「わたしが眠りにつく前に」は、イギリスの作家SJ・ワトソンの同名スリラー小説(ヴィレッジブックス)の映画化作品。主人公クリスティーン・ルーカス(ニコール・キッドマン)は、毎朝目覚める度に前日までの記憶が失われてしまう特殊な記憶障害を持つ女性。夫のベン(コリン・ファース)は、毎日記憶の無い妻に彼女が記憶を喪った経緯や自分が夫であることを説明するのです。ところがある日、神経心理学者のDr.ナッシュと名乗る人物から彼女に電話が・・・。彼の話では、クリスティーンはベンに内緒で治療を受けていて、それにしたがって彼女は日記を書いていたとのこと。そして彼女が隠し場所で見つけた日記に書いてあったのは「ベンを信用するな」という言葉だった。はたして真実はどこに・・・? 韓国題は「내가 잠들기 전에」です。あら、全米公開が10月31日で、韓国はその1日前なの? 日本公開は未定です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(2)・・ダイビングベル(韓国) ・・・・・・・・・・・・10/23・・・・・・・・・・・・・・7,486 ・・・・・・・・・・・・・22,062 ・・・・・・・159・・・・・・・・・29
2(1)・・はじまりのうた[ビギン・アゲイン]・・・・8/13・・・・・・・・・・・・・・4,043・・・・・・・・・・・3,423,858 ・・・・27,071・・・・・・・・・28
3(新)・・ヴァン・ゴッホ:偉大な遺産・・・・・・・10/30・・・・・・・・・・・・・・3,393 ・・・・・・・・・・・・・・4,484・・・・・・・・・34・・・・・・・・・40
4(3)・・キル・ユア・ダーリン・・・・・・・・・・・・・・10/16・・・・・・・・・・・・・・2,508 ・・・・・・・・・・・・・29,783・・・・・・・・232・・・・・・・・・32
5(28)・・クワイエット・ワン ・・・・・・・・・・・・・・・・9/18・・・・・・・・・・・・・・2,471・・・・・・・・・・・・・・・9,665 ・・・・・・・・74 ・・・・・・・・・30

 新登場は、3位「ヴァン・ゴッホ:偉大な遺産」だけです。ゴッホの強烈な人生と名作誕生の秘密を描いたオランダ映画。韓国題は「반 고흐: 위대한 유산」。韓国語だと「ゴフ」ね。日本公開はなさそう、かな?
 5位「クワイエット・ワン」は9月23日の記事で紹介済みです。
コメント (9)
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