ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [11月14日(金)~11月16日(日)]

2014-11-18 23:51:35 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 「毎日新聞」(夕刊)の1面トップは高倉健さんの訃報でした。私ヌルボの青春時代以来のスターが亡くなることが多くなり、寂しい思いにかられます。高倉さんの出演作でとくに印象に残っているのは、ごくふつうに「幸福の黄色いハンカチ」です。若い頃(今も?)マジメだったヌルボはリアルタイムで任侠映画シリーズを観たことがなく、「熱気に満ちた」当時の映画館の雰囲気を体験していないのが残念です。彼については、今日のTBSラジオ「たまむすび」で町山智浩氏が「絶対見てほしい高倉健映画11作品」と題していろいろ語っていて、それを→コチラで読めます。作品を観ていなくても興味深いエピソードがいろいろ語られています。

 忙しい、いそがしい、パップダパッポ。11月に入って忙しい日々が続いています。といっても、大体は自分で忙しくしているだけですが・・・。
 今月はもう観た映画が10本。10月も11本と多かったのですが、それより早いペースです。政権の最初の頃の世相が垣間見られました。中学生は学生服・学生帽に学生鞄だったり・・・。フラフープも流行っていたのかな? その日は午後キネカ大森で「駅馬車」と「消えた画 クメール・ルージュ」も観て、久々の1日3本。それにしても、ポル・ポト政権の支配体制は北朝鮮と共通点が多いな。

 15日は横浜・馬車道の東京芸大大学院で<日中共同制作作品&日韓共同制作作品上映>というのを観てきました。徒歩で行ける所なのに行ったのは初めて。しかし、韓国文化院でも顔を合わせたSARUさんがここまでお出ましとは、さすが並大抵ではないオタクぶり。ジツは翌16日夜なかのZERO小ホールでの「もうひとつの約束」上映会でもお見かけしたんですけどね(笑)。
 この「もうひとつの約束」は、サムソンの半導体工場で労務災害と思われる白血病で亡くなった娘さんのお父さんの会社相手の闘いの記録というべきドラマ。(作品中では「ジンソン電子」となっていますが。) なんとなく思っていたような強い左翼臭(?)もなく、見応えのある映画でした。550席の7割方は埋まっていたのでは? 商業ベースではない作品でもこれだけの観客が集まったのは、関係組織も含めて多くの人たちの力が結集した結果だと思います。内容には直接関係ありませんが、舞台がこの6月に行った束草がということで親近感を覚えました。(あの印象的な蔚山岩はどこからの眺めなのかな?) 大阪上映会で観た方のブログ記事は→コチラ。蔚山岩の画像もあります。東京上映会で観た方の詳しい記事は→コチラです。

 明日(19日)夜は京橋のフィルムセンターで「煉瓦女工」に行かなくちゃ。そして週末から<東京フィルメックス>が始まります。読みさしの本、読む予定の本も貯まってきてるなー。いや、それより優先してやらなければならないことを片付けなければ・・・。

「朝鮮日報」11月14日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「鉄の夢」鉄の時代に献辞と檄文。 ★★★
 「地獄でなぜ悪い」貴方が期待する園子温。 ★★☆
 「ジ・アザー・ウーマン」女性の敵は女性? 違うよ! ★★☆
 「巨人」痛みさえ贅沢な青春に。 ★★☆
 「ウルブズ」粋で可愛く感じ良く。 ★★
 「ホワット・イフ」可愛いが少しミエミエ。 ★★
 「ザ・バッグ・マン 闇を運ぶ男」主人公はモーテル好き。 ★☆
※「ザ・バッグ・マン 闇を運ぶ男」は、日本では7月に公開されました。他の6作品は以下の記事中で紹介しています。


           ★★★ Daumの人気順位(11月18日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①誰にでもきらびやかな(韓国)  9.5(30)
②音叉(韓国)  9.5(31)
③ボックストロール  9.3(23)
④60万回のトライ(日本・韓国)  9.3(95)
⑤ジ・アングリエスト・マン・イン・ブルックリン  9.2(31)
⑥ある愛へと続く旅  9.1(25)
⑦弟子、玉漢欣(オク・ハンフム)(韓国)9.0(43)
⑧ぼくを探しに  9.0(131)
⑨カート(韓国)  8.9(456)
⑩巨人(韓国)  8.9(27)

 今回の新登場は①・⑨・⑩の3作品です。
 ①「誰にでもきらびやかな」は、今年5月の第15回全州国際映画祭上映作。慶尚南道の児童福祉機関の支援によって運営されている小学生のためのサッカーチームとその監督を描いたドキュメンタリー。サッカーに対する情熱は誰にも負けないという子どもたちのチーム「希望FC」の最初の監督の指導は厳しく、辞めていく子どもまで出てしまいます。ところが新しく就任した2代目の監督が教えたのは、サッカーの楽しさ。子どもたちをほめて自信をつけさせ、体力もつけながら戦術も学ぶという方式。チームも子どもたちも徐々に変わっていきます・・・。原題は「누구에게나 찬란한」です。
 ⑨「カート」については後述します。
 ⑩「巨人」は、今年の第19回釜山国際映画祭の<韓国映画の今日のビジョン部門>に招請され、市民評論家賞と今年の俳優賞(チェ・ウシク)を受賞した作品。うんざりするような家を出て、保護施設のグループホームで育った17歳の少年ヨンジェ(チェ・ウシク)。施設を出る年齢になったが無責任な父の家には決して戻りたくなくていらついています。善良を施す人はいくらでもひざまずいてあげてひざまずき、陰では後援物品を盗んで売り、嘘で友だちを裏切ったりして日々を送る・・・。そんなヨンジェの姿は、キム・テヨン監督自身の少年時代と重なるとか・・・。原題は「거인」です。

     【専門家による順位】

①6才のボクが、大人になるまで。  9.5(8)
②鉄の夢(韓国)  8.0(5)
③ゴーン・ガール  7.7(8)
④自由が丘で(韓国)  7.7(4)
⑤インターステラー  7.6(9)
⑥FRANK -フランク-  7.2(4)
⑦巨人(韓国)  7.1(7)
⑧地獄でなぜ悪い(日本)  7.0(4)
⑨帰来(カミング・ホーム)  7.0(3)
⑨ボックス・トロール  7.0(3)
⑨上海伝奇  7.0(3)

 今回は②「鉄の夢」、⑦「巨人」、⑧「地獄でなぜ悪い」が新登場です。
 ②「鉄の夢」は、今年2月の第64回ベルリン映画祭で同じ韓国の「ノンフィクション・ダイアリー」(チョン・ユンソク監督)とともにNETPAC(アジア映画振興機構)賞を受賞したパク・キョングン監督によるドキュメンタリー。韓国の産業化を、ポスコと現代重工業を中心に、鉄の観点から描いたもので、蔚山で発見された先史時代の文化遺産「盤亀台岩刻画」のクジラの絵と船舶の形状が似ている点に着目し作品を制作したと制作陣は明かしている、とのことです。原題は「철의 꿈」です。
 ⑦「巨人」については前述の通りです。
 ⑧「地獄でなぜ悪い」は園子温監督作品。2013年9月公開されました。韓国題は「지옥이 뭐가 나빠」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[11月14日(金)~11月16日(日)] ★★★

         「インターステラー」の勢い衰えず

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・インターステラー・・・・・・・・・・・・11/06 ・・・・・・・・・1,797,165 ・・・・・・・4,843,868 ・・・・・・・38,715・・・・・・1,410
2(28)・・カート(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・11/13 ・・・・・・・・・・・292,062・・・・・・・・・423,522 ・・・・・・・・3,135・・・・・・・・544
3(2)・・ファッション王(韓国) ・・・・・・・・11/06 ・・・・・・・・・・・・93,816・・・・・・・・・540,277 ・・・・・・・・4,003・・・・・・・・388
4(3)・・ゴーン・ガール ・・・・・・・・・・・・・10/23 ・・・・・・・・・・・・58,398・・・・・・・1,675,816 ・・・・・・・13,319・・・・・・・・282
5(新)・・ジ・アザー・ウーマン ・・・・・・・11/13 ・・・・・・・・・・・・34,888 ・・・・・・・・・51,983・・・・・・・・・・・398・・・・・・・・329
6(5)・・ボックス・トロール・・・・・・・・・・・11/06 ・・・・・・・・・・・・28,126 ・・・・・・・・・85,151・・・・・・・・・・・614・・・・・・・・202
7(新)・・ウルブズ ・・・・・・・・・・・・・・・・・11/13 ・・・・・・・・・・・・19,856 ・・・・・・・・・28,904・・・・・・・・・・・217・・・・・・・・281
8(新)・・ホワット・イフ ・・・・・・・・・・・・・・11/13 ・・・・・・・・・・・・11,182 ・・・・・・・・・20,183・・・・・・・・・・・153・・・・・・・・137
9(38)・・きかんしゃトーマス・・・・・・・・・11/13 ・・・・・・・・・・・・・8,619・・・・・・・・・・・9,645 ・・・・・・・・・・・・73・・・・・・・・110
         キング・オブ・ザ・レイルウェイ トーマスと失われた王冠
10(8)・・6才のボクが、大人になるまで。・・10/23・・・・・・・・・・・6,886・・・・・・・・・177,153 ・・・・・・・・1,316・・・・・・・・・40
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 前週に続き「インターステラー」がダントツ。先週よりも動員数が伸び、今日の数字ではすでに500万人を超えています。そのあおりを受けて、3位以下は10万人にも届いていません。
 今回の新登場は2・5・7・8・9位の5作品です。
 2位「カート」は、スーパー(韓国ではマートという)の非正規職の店員たちの解雇問題というドキュメンタリー的なテーマを掲げたドラマ。韓国の代表マートで一生懸命働いてきた店員たち。ところがある日、正職員になる直前だったソニ(ヨム・ジョンア)を始め、シングルマザーのヘミ(ムン・ジョンヒ)、清掃員のスルレ(キム・ヨンエ)たちは会社から突然解雇通知を受けてしまいます。彼女たちは勇気を出して会社に立ち向かうのですが・・・。原題は「카트」です。
 5位「ジ・アザー・ウーマン」はキャメロン・ディアス主演のラブコメ。つき合っていたボーイフレンドのマーク(ニコライ・コスター=ワルドー)が既婚者であることを知ったキャリアウーマンのカーリー(キャメロン・ディアス)は、マークの妻ケイト(レスリー・マン)、そしてマークの出張先での浮気相手アンバー(ケイト・アプトン)と組んで、さらなる浮気に励むマークへの復讐を開始する・・・。韓国題は「아더 우먼」。日本公開は未定です。
 7位「ウルブズ」は米・仏・カナダ合作のファンタジー・アクション。18歳のケイディン・リチャーズ(ルーカス・ティル)は高校フットボール・チームのキャプテンで、全優の秀才。ゴージャスな彼女までいた。しかし、ある夜目覚めると両親が虐殺されていて、自分は獰猛な野生の狼になっていることに気づく。
パニック状態に陥った彼は自分の身に起こったことを解明するため逃走し、やがて2つの勢力が戦争を巻き起こしている人里離れた地にたどりつく・・・。韓国題は「울브스」。日本公開は未定です。
 8位「ホワット・イフ」はカナダ・アイルランド合作のラブコメ。
医大を退学し落ち込んでいたウォレス(ダニエル・ラドクリフ)は、友人の紹介でアニメーターのチャントリー(ゾーイ・カザン.えっエリア・カザンの孫娘!)と出会います。理想の女性!と思ったらあにはからんや(←死語になりつつある?)彼女には同棲中の彼氏ベン(レイフ・スポール)がいて、友だちとしてつきあうことに。しかしいいフンイキの2人、いつまで友人でいられるのかな?・・・というお話。韓国題は「왓 이프」。これも日本公開は未定です。
 9位「きかんしゃトーマス キング・オブ・ザ・レイルウェイ トーマスと失われた王冠」は日本では今年5月に公開されています。韓国題は「토마스와 친구들: 잃어버린 왕관」です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数

1(新)・・ホワット・イフ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/13・・・・・・・・・・・・・11,182 ・・・・・・・・・・・・・20,183 ・・・・・・・153・・・・・・・・137
2(38)・・巨人(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/13・・・・・・・・・・・・・・5,838・・・・・・・・・・・・・・・9,971 ・・・・・・・・76・・・・・・・・・74
3(1)・・ダイビングベル(韓国) ・・・・・・・・・・・・10/23・・・・・・・・・・・・・・2,530 ・・・・・・・・・・・・・35,797 ・・・・・・・252・・・・・・・・・25
4(2)・・誰にもきらびやかな(韓国) ・・・・・・・・11/06・・・・・・・・・・・・・・2,335・・・・・・・・・・・・・・・9,792 ・・・・・・・・73・・・・・・・・・34
5(5)・・帰来(カミング・ホーム)・・・・・・・・・・・・10/08・・・・・・・・・・・・・・・・886・・・・・・・・・・・・・・50,775 ・・・・・・・380・・・・・・・・・・8

 1位「ホワット・イフ」、2位「巨人」、4位「誰にもきらびやかな」の3作品が新登場ですが、いずれも上述しました。