ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

[韓国語] ケータイの「マナーモード」は何と言う? メノモドゥじゃなくて・・・

2014-10-31 23:47:08 | 韓国語あれこれ
 一昨日(29日)韓国文化院で「最後まで行く」を観ていて思ったことの1つは、これはケータイ(韓国語で휴대폰(or핸드폰)がなかった時代では成り立ちえない映画だということでした。
 ケータイが出てくるシーンは30ヵ所くらいはあったように思います。家族間・職場関係・ナゾの男等々。そして思いがけない時に思いがけない所で着信メロディーが鳴り始めてあせったりするシーンも・・・。(ジツはカンオケから!)
 2つ前の記事(→コチラ)でも書いた韓国映画「チラシ:危険な噂」や、これも最近観た「監視者たち」でも同様で、ケータイが味方同士の連絡手段としてだけではなく、敵や味方の居場所を探知する道具としても用いられています。
 今や(とっくの昔から?)とくにアクション物には不可欠なツールですね。恋愛物でもかな? 「君の名は」はよく知りませんが、名簿の電話番号欄に(呼)マークがあった時代を経て、ほとんどの家庭に電話が普及した60年代後半以降でも、彼女の自宅に電話した時に彼女本人が最初に受話器を取るかおっかないオトーサンが出るかで一生が変わったりした例もあっただろうと思います。たぶん。

 閑話休題。9月18日の記事(→コチラ)で紹介した月刊「新東亜」の連載小説・イ・ウォンホ「黎明」もケータイなくしてはありえない小説です。開城工団の話かと思ったら副主人公の北朝鮮女性が親戚の有力者の粛清のあおりで脱北する事態となり、それを主人公の韓国人男性が自ら中朝国境まで助けに向かうという展開になっちゃっています。
 その間、主人公は連絡用として彼女に自分のケータイを渡し、新品を購入して番号も変え、中国に入ってからは当局(韓国の国家情報院!)の探知を避けるためそれも捨てたりと、ケータイを駆使し続けます。

 ・・・と、ここまでが(いつもの)長すぎる前置き。(アララ・・・。)
 その「黎明」の9章(「新東亜」11月号)に次のようなくだりがありました。

  진동 설정한 휴대전화가 부르르 떨었을 때는 11시 15분이다.
  (振動設定した携帯電話がブルルと震えた時は11時15分だ。)

 ここで진동 설정(振動設定)マナーモードを意味することはすぐわかります。しかし、この言葉は私ヌルボ、知りませんでしたね。韓日辞典や日韓辞典にないばかりか、NAVER辞典にもなく、google翻訳やexcite翻訳でもただ「振動設定」と変換されるだけです。そして日本語で「マナーモード」と打ち込むと매너모드(メノモドゥ)」としか変換されません。

 この「매너모드」も韓国内のネットを見てみると全然使われていないということではなく、「휴대폰 매너모드」の2語で検索すると約 90,000件がヒットします。しかし「휴대폰 진동설정」の場合は約408,000件、「휴대폰 진동모드」だと約179,000件で、やはり「振動設定」「振動モード」の方がずっと多いですね。

 ところで、日本ではマナーモードではない、音が出るモードを何というのか、私ヌルボ3分前まで知りませんでした。どうも「通常モード」といっているようですね。しかし、通常「マナーモード」にしている人が(たぶん)多いと思われる今、「通常モード」というのも違和感を覚えますが・・・。
 韓国の場合は、この音が出るモードのことを벨소리모드(ベル音モード)」とか벨소리 설정(ベル音設定)」といいます。
 また、音もせず、振動もしないモードを日本ではサイレントモード(サイレントマナーモード)と言っていますが、韓国では무음모드(無音モード)」。これは韓国の方が短くてわかりやすいと思います。

 次々に新しいモノが登場する現代で、紙の辞書や電子辞書だけでなく、インターネット辞典でさえも時代のスピードについていくのはタイヘンなようです。