ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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[韓国の街歩き] 頭上運搬はとくにおどろくべきことではない

2013-02-10 10:55:01 | 韓国の街ネタ、観光ポイント、店・施設等
 下の写真は、2011年9月光州で撮ったものです。

    

 頭に(正確には帽子の上に)バッグを載せて歩く女性を見て、「アラめずらしい」と思ってデジカメで撮りました。

 ところが、昨年12月ソウルに行った時に、たまたま正午過ぎに東大門市場辺りを歩いていたら、短い間に何人ものアジュマの頭上運搬を目にしました。
 それもバッグのように落としても大丈夫(?)な物ではなくて、食堂の出前の品です。

       

 驚いたことには、左の写真のように4人前を重ねて載せています。
それで人込みの中を普通よりも早足でスイスイ歩いて行くのです。写真を撮ろうとして追いかけても、早くて見失ってしまいそうなほどです。

       

 今この写真を見たら、上の左の写真と同じ人ですね。こちらの撮影時刻は3分後。2人分のトレーはその間に配達したのかな?

       

 人込みだけでなく、小さな店が立ち並び、商品もあふれている街で平然と食堂のアジュマは行き来しています。

 これら一連の東大門市場付近での写真はわずか15分くらいの間に撮ったものです。つまり、この時間帯、この場所ではごくふつうの光景なんでしょうね。
 そういえば、以前(たぶん)配達のコーヒーを盆に載せたのを頭上運搬しているのを目撃したこともありました。

 ・・・というようなことをサークル仲間に話してみたら、返ってきた言葉は「今頃そんなことに気がついたの?」「今まで何を見てきたんですか?」等々の厳しいお言葉。
 南大門市場等々、他でもふつうに見られることで、何を今さら、という感じ。

 大分前に、この件について中国朝鮮族の女性は「今の私たちはそういうことはしません」と言ってた記憶がありますが、韓国の食堂で働く女性の間では昔からの頭上運搬の文化はふつうに受け継がれているということのようです。
 私ヌルボ、試してみてはいないのですが、そんなに厳しい習練を積まなくてもできるようになる、というレベルの技術なんでしょうかねー。

※日本でも周知のようにかつては広く頭上運搬が行われていました。以前宮本常一だかの本(??)で読んだ記憶によると、山道のような起伏のある細い道だと方向変換に適しているとか。