ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[10月15日(金)~17日(日)]

2010-10-19 23:57:07 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 韓国とも映画とも関係ないですが、一昨日の「毎日新聞」の<詩歌の森>で8月に亡くなった歌人河野裕子さんの「絶筆十一首」中の5首が紹介されていました。

死がそこに待つてゐるならもう少し茗荷の花も食べてよかつた 
あなたらの気持ちがこんなにわかるのに言ひ残すことの何ぞ少なき
さみしくてあたたかかりきこの世にて会ひ得しことを幸せと思ふ
八月に私は死ぬのか朝夕のわかちもわかぬ蝉の声降る
手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が


 30年ほど前に、代表作とされる「たつぷりと真水を抱きてしづもれる 昏き器を近江と言へり」を知って以来注目してきた歌人です。・・・死の前日まで読み続けたという歌人の最後の作品に、どんな感想が書けるでしょうか?

 韓国とは関係ないですが、映画の話。今年の映画で言えば「息もできない」「冬の小鳥」のような監督が精魂を込めて作った映画については、本ブログでもリキを入れて記事にしてきました。しかしそんな映画ばかりだと疲れてしまうのが人間というもの。逆方向、つまりとことん楽しむ方向にすごいパワーを感じたのが昨日観た「ゲキ×シネ 蛮幽鬼」です。昨秋の劇団新感線の公演をそのまま撮ったもので、これを映画として評価するのは疑問もあるでしょうが、とにかく舞台の熱気が(たぶん)7割方は伝わってくるのでは? 間に15分休憩が入って3時間20分。各種割引ナシの2500円ですが、新橋演舞場の3階B席でも3500円という料金や、物語自体のおもしろさ等々を勘案すると決して高くはないと思います。強力推薦します!

   ★★★ Daumの人気順位(10月19日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①泣くな、トンズ(韓国)  9.9(269)
②ゴッドファーザー2  9.8(45)
③Live in 3D フィソン It’s Real(韓国)  9.6(33)
④アジョシ[おじさん](韓国)  9.3(5435)
⑤サンキュー、マスター・キム(豪・日)  9.3(20)
⑥招かれざる客(韓国)  9.2(21)
⑦怪盗グルーの月泥棒  9.2(254)
⑧Letters to Juliet  9.1(380)
⑨深夜のFM  8.8(320)
⑩パンガ? パンガ!(韓国)  8.6(908)

 初登場は⑨だけ。後述します。

【専門家による順位】

①ゴッドファーザー2  9.0(3)
②オッキの映画(韓国)  8.5(5)
③ブンミおじさん  8.1(7)
④キム・ポンナム殺人事件の顛末(韓国)  8.0(8)
⑤招かれざる客(韓国)  8.0(1)
⑥インセプション  7.7(8)
⑦啓蒙映画(韓国)  7.2(4)
⑦サンキュー、マスター・キム(豪・日)  7.2(4)
⑨ほうき、金魚になる(韓国)  7.0(1)
⑨泣くな、トンズ(韓国)  7.0(1)

 ⑦「啓蒙映画」については9月28日の記事で紹介しました。
 新登場は⑨「ほうき、金魚になる」だけです。いかにも評論家好みの(?)むずかしそうな映画のようです。6万人余りが考試院に居住するというのがソウル市冠岳区新林洞のいわゆる考試村。考試生=公務員試験等の受験生、というわけではありません。(くわしくはInnolife中の記事参照) 中年の都市下層民もいる。主人公の男もその1人だが、さらに悲惨な事態が彼を襲う・・・。「金魚」は彼らの夢の象徴のようですが、それさえも水槽から出ることはできないという寓意が込められている、とある韓国サイトにありました。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[10月15日(金)~17日(日)] ★★★
         韓国サスペンス「深夜のFM」が新登場で1位に

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・・・・週末観客動員数累計・・・・観客動員数・・・・上映館数

1・・深夜のFM(韓) ・・・・・・・・・・・・10/14・・・・・・・・277,638 ・・・・・・・・・・・・・・・346,694・・・・・・・482
2・・シラノ:恋愛エージェンシー(韓)・・09/16 ・・・・154,977・・・・・・・・・・・・・・2,424,581・・・・・・・358
3・・パンガ? パンガ!(韓)・・・・09/30・・・・・・・・142,150 ・・・・・・・・・・・・・・・713,548・・・・・・・361
4・・剣雨江湖・・・・・・・・・・・・・・・・10/14・・・・・・・・・141,861 ・・・・・・・・・・・・・・・175,643・・・・・・・395
5・・ジュリエットへの手紙・・・・・・10/07・・・・・・・・・102,941・・・・・・・・・・・・・・・346,731・・・・・・・323
6・・狄仁傑:則天武后の秘密 ・・10/07・・・・・・・・・・91,117・・・・・・・・・・・・・・・391,873・・・・・・・338
7・・22 Bullets・・・・・・・・・・・・・・・・10/13・・・・・・・・・・61,605・・・・・・・・・・・・・・・・81,003・・・・・・・265
8・・食べて、祈って、恋をして ・・・09/30・・・・・・・・・・31,212・・・・・・・・・・・・・・・470,280・・・・・・・227
9・・怪盗グルーの月泥棒・・・・・・09/16 ・・・・・・・・・・23,729・・・・・・・・・・・・・1,000,913・・・・・・・156
10・・泣くな、トンズ・・・・・・・・・・・・09/09 ・・・・・・・・・・14,955 ・・・・・・・・・・・・・・115,628・・・・・・・・76

 チュソク映画が「シラノ」を残して消え、新作が1・4・7位に入り、ネチズンの評点が高い「泣くな、トンズ」がコチラにも10位に初登場。
 1位はスエがDJを演じ、サスペンスに初挑戦。生放送中の限られた2時間で、正体不明のリスナー(ユ・ジテ)に拉致された家族を救うため立ち上がる・・・。「韓国初の4D上映」とということですが、どんなのですかねー? 私ヌルボ、3Dも観たことがないのに、想像つくわけないです。
 4位はジョン・ウー監督の新作武侠映画。顔と名前を捨て、殺された父の復讐の道を選択するしかなかった剣客をチョン・ウソンが中国語で演じる。<江湖>は武侠物の小説や映画のタイトルに頻出する言葉ですが、世間一般とか武侠の世界を示す言葉だそうですよ。
 7位は1970年代のマルセーユのギャングの抗争を描いたフランス映画で、原題はL'IMMORTEL(不死)。韓国題「22 블렛」は英語題「22 Bullet(22の弾丸)」から。襲撃を受けながらも、奇跡的に生き延びた不死身のギャングを、ジャン・レノが演じる。日本公開未定。