ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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訂正は、忘れた頃にやっと出る(「毎日」 金正恩の写真について)

2010-10-06 12:31:16 | 北朝鮮のもろもろ
 4月20日の朝刊で「金正銀の初の近影写真」を報じた「毎日新聞」。
 本ブログでも紹介したように、その直後、各方面から誤報との指摘がありました。
 しかし、私ヌルボも注視していたにもかかわらず、「毎日」には続報は全然載らないまま。

 ところが今日(10月6日)の朝刊の8面(国際欄)に、「4月掲載「正恩氏」は別人 東京歯科大教授鑑定」との見出しで先の記事の誤りをその根拠を示して認めるとともに、「複数の情報源 事実と誤認」と題して取材の経緯、誤報となった背景と、反省の記事を載せています。

 4月、誤報との指摘があった時点で訂正記事を出さなかった理由を考えてみました。
①<北朝鮮内部の有力な情報筋>というネタ元に対する信頼度が高かった。

 ・・・こんなところでしょうか?

 しかし、今回の記事で鑑定に出した「99年に撮影された中学校のクラス写真」と、4月20日の記事に載せられた「製鉄工場視察の金正日総書記のそばに写っている人物の写真」の2枚については4月の記事掲載の前に鑑定することもできたわけだから、周到さを欠いていたとの非難は免れないところです。
 上記3つの理由の中では、やっぱり③が一番の理由だったような気がしますねー・・・。

 少しだけ弁護すれば、ことほどさように彼の国についての正確な情報は得るのがむずかしいということでしょう。具体的にはわかりませんが、<北朝鮮内部の有力な情報筋>からのネタでも信頼を置き過ぎると誤ってしまうというわけです。
 そのことは、われわれも念頭においておくべきことだと思います。北朝鮮関係の情報は常に心の中に「?」を確保しておくことです。

 上記の件と直接関係はないのですが、金正恩について何人かの知り合いとの話の中で、彼の漢字表記が話題になりました。
 「なぜなかなかわからなかったのか?」「なぜ北朝鮮当局はもっと早く公表しなかったのか?」等々。
 私ヌルボの考えでは、こうした質問が出ること自体が日本人としての1特性だと思います。
 韓国では、親しい友人でも相手の名の漢字表記を知らないケースはめずらしくありません。
 それでも韓国の新聞等の場合、簡単で便利な漢字は用い、また必要最低限の漢字はハングルの後にカッコ書きで入っていますが、北朝鮮の場合は公式サイト<우리 민족 끼리(ウリミンジョクキリ.わが民族同士)>をみると100%ハングルです。そういう国ですから、「日本人はなんでそんなに漢字が気になるの?」という感じではないでしょうか?
 ※韓国の「東亜日報」を見ると、韓・日・中・美(アメリカ)・英・北(北朝鮮)のような国名はしばしば漢字を用いています。その他、男・女・法・大等は比較的よく見る漢字。

 さて、今回明らかになった金正恩の写真について、さっそく「金日成に似ている」「似せて整形した」等々の話から、韓国サイトでは「人相から性格・人物像をみると・・・」等々、さまざまな情報が飛びかっているようです。
 本ブログでは、このネタについてはもう少し落ち着いてから(書くことがあれば)書くというスタンスでいきたいと思います。