ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[5月7日(金)~9日(日)]

2010-05-11 23:50:09 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 5月2日(日)朝、NHK「おはよう日本」の中でアジアプレスの石丸次郎さんが北朝鮮の内部を伝える雑誌「リムジンガン」の北朝鮮通信員による写真を紹介していました。チャンマダン(闇市場)のようすや、荷台に大勢の人を乗せて稼ぐ軍用トラックなどが写されていました。

 北朝鮮といえば私ヌルボ、前から注目していた「クロッシング」を昨日観てきました。今週末から近くのシネマ・ベティでもやるのですが、待ちきれず銀座シネパトスまで足を運びました。

    
       【銀座シネパトスの館外に貼られていました。

 映画の内容はあえて紹介しませんが、政治的プロパガンダを排し、北朝鮮の人々とその生活をリアルに描写した映画です。そのことがむしろ、訴える力を強くしています。上記のテレビだけでなく、最近一般紙にも市場の写真が掲載されていましたが、映画ではそこにたむろしているコッチェビ(浮浪児)たちの姿も描かれています。また強制収容所も・・・。
 この映画で描かれる悲劇と同じような悲劇はおそらく千単位どころか万単位、いや10万単位でもきかないかも・・・。(はっきりした数字はつかめませんが、1990年代半ば頃には餓死者が200~300万人にものぼったそうですから・・・。)
 そしてそんな悲劇はまさに現在も続いている。また新たに生み出されているということを、もっと世界の人々は認識すべきだと思います。
 この映画のパンフレットに一文を寄せている人たちの中には、政治的な考え方が私ヌルボとは相容れない人もいますが、まず現実を知ることが大切という点については右も左も変わりありません。娯楽の対極にあるような映画ですが、できるだけ多くの人に観てほしいと思います。

    
    【「クロッシング」のキムテギュン監督からのメッセージです。

 韓国・朝鮮とは直接関係はありませんが、昨年韓国でも高評価を得たドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」の上映が問題になっているようです。和歌山県太地町のイルカ漁を告発した映画で、アカデミー長編ドキュメンタリー受賞作です。地元の漁協が強く映画の内容に抗議し、右派団体も上映中止を求めて運動を展開していて、6月の公開予定が危ぶまれている状態とのことです。
月刊誌「創」6月号森達也・綿井健陽・想田和弘の3人がこの映画を批判的に論じつつも、観る機会自体を封印してしまうことには強く反対しています。その他の記事も含めて、マイナーながらもしっかりした論陣を張っている、骨のある雑誌だと思います。

   ★★★ Daumの人気順位(5月11日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①しあわせの隠れ場所  9.4(519)
②境界都市2(韓国)  9.3(66)
③トイ・ストーリー3D版  9.3(57)
④トイ・ストーリー2 3D版  9.2(44)
⑤Desert Flower  9.2(42)
⑥義兄弟(韓国)  9.2(2063)
⑦信念の勝負  9.1(36)
⑧実家の母(韓国)  9.1(293)
⑨アバター  9.1(4882)
⑩ミルク  9.0(61)

 ディズニーの3Dアニメの③と④が新登場。日本では2月に公開されました。

【専門家による順位】

①アバター  9.3(8)
②預言者(A Prophet)   8.3(9)
③境界都市2(韓国)  8.2(8)
④ハート・ロッカー  8.1(9)
⑤パリ20区、僕たちのクラス  8.0(7)
⑥シリアス・マン  8.0(6)
⑦ハハハ[夏夏夏](韓国)  7.7 (10)
⑧マイレージ、マイライフ  7.7 (4)
⑨ミルク  7.5(4)
⑨ディア・ドクター(日本)  7.5(4)

 ①~⑥まで先週と全く同じなので今週も「全然変化がないです」かな、と思いつつ見ていったら⑦と⑨「ディアドクター」が新しく入っていました。
 ⑦、<夏>という漢字の韓国での音読み=<하(ハ)>が3つ。笑い声や感動詞の意味も込められているそうです。カナダに移民する決心したムンギョンは先輩チュンシクとマッコリを飲む。夏の出来事を話していた二人は、ともに少し前統営に旅行したことが分かる。しかも彼らは同じ人々に会っていた! ニ人の漫談のような話が、統営での人々の出会いを、微妙な色合いの絵の具で完成していく・・・。盛り上がりのなさそうな(?)、いかにもホン・サンス監督らしい映画のようですねー。
 ⑩、昨年の日本映画の話題作。韓国題は「우리 의사 선생님(われわれのお医者さん)」です。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[5月7日(金)~9日(日)] ★★★
         「アイアンマン2」が今週もダントツ

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・週末観客動員数累計・・・・観客動員数・・・・上映館数

1・・アイアンマン2・・・・・・・・・・・・04/29・・・・・・・・・680,250・・・・・・・・・・・・・・3,419,749・・・・・・・895
2・・雲から抜けた月のように(韓)・・04/29・・・・・・256,973・・・・・・・・・・・・・・1,076,770・・・・・・・543
3・・ベストセラー(韓) ・・・・・・・・・04/15・・・・・・・・・・98,204・・・・・・・・・・・・・・・・993,656・・・・・・・321
4・・大韓民国1%(韓)・・・・・・・・・05/06・・・・・・・・・・79,752・・・・・・・・・・・・・・・・232,378・・・・・・・342
5・・実家の母(韓)・・・・・・・・・・・・04/22・・・・・・・・・・71,123・・・・・・・・・・・・・・・・417,049・・・・・・・322
6・・ブラザース・・・・・・・・・・・・・・・05/05・・・・・・・・・・27,583・・・・・・・・・・・・・・・・・52,902・・・・・・・163
7・・しあわせの隠れ場所・・・・・・04/15・・・・・・・・・・25,441・・・・・・・・・・・・・・・・325,370・・・・・・・・97
8・・ケロロ軍曹 誕生!・・・・・・・04/29・・・・・・・・・・17,545・・・・・・・・・・・・・・・・103,671・・・・・・・100
  究極ケロロ 奇跡の時空島であります!!(日)
9・・ハハハ[夏夏夏](韓)・・・・・・・・05/06・・・・・・・・・・・6,951・・・・・・・・・・・・・・・・11,539・・・・・・・・25
10・・タイタンの戦い・・・・・・・・・・・04/01・・・・・・・・・・・5,184・・・・・・・・・・・・・・2,652,996・・・・・・・・72

 1位「アイアンマン2」、先週より勢いは少し鈍ったものの今週も独走で300万人突破。
 新登場は6位と9位の2つだけ。 6位、2004年作デンマーク映画「ある愛の風景」のリメイクで、アフガニスタンで行方不明となった兄と、その妻子の面倒をみる弟の兄弟愛を描く。日本公開未定。
 9位については上述。