ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

「毎日新聞」で日韓併合100年関係の連載スタート

2010-02-12 22:14:01 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 今年は1910年(8月22日)の日韓併合から100年ということで、すでに韓国の新聞では昨年から連載特集が組まれたりしています。

 日本の新聞・TV等でもそのうち特集をやるのだろうな、とか、その場合、<視点>の設定に作り手は苦慮するかもな、とか思っていたところ、今朝(2月12日)の「毎日新聞」で「忘れ得ぬ人々 日韓併合100年」という連載記事が始まりました。

 初回は「農業の偉人 父は国賊」という見出しで禹長春をとりあげています。

 農学博士・禹長春は戦後の1950年韓国に招かれて農業振興に携わった人物で、済州島を蜜柑の大生産地とした功績はよく知られています。
 ところが、彼の父は日清戦争後、朝鮮王妃閔妃の暗殺に関与し日本に亡命した朝鮮王朝の元軍人・禹範善で、母は日本人女性。
 このような明治~戦後の昭和にまたがる<複雑>な経歴の人物を、連載の初回に持ってくる点が「毎日新聞」らしいところかも・・・。
 なお、彼については、角田房子「わが祖国―禹博士の運命の種」(新潮文庫)という本がありましたが、今は品切(絶版?)です。

 この「毎日新聞」の連載がいつまで続くのかはわかりませんが、注目!です。

 また、このカコミ記事がある9面の右(8面)には、「韓国、経済成長で自信 日韓併合100年」との見出しで最近の韓国民の対日意識調査の結果等を紹介するとともに、日韓両国の識者3人の見解を載せています。



韓国映画「霜花店(サンファジョム) 運命、その愛」の感想

2010-02-12 19:32:21 | 韓国映画(&その他の映画)
 「霜花店(サンファジョム))運命、その愛」、「韓国内では約400万人を動員する大ヒット」ということで、どんなものだろうと、昨日初めてシネマート新宿に足を運びました。案の定、観客の8割方は女性で、その大半はオバサマ方。

 しか~し・・・。
 大体、韓国の宮廷物歴史ドラマは、概して(実際の歴史がそうであったように)お世継ぎとか権力とか、インシツな争いがこれでもかと繰り返され、あるいは王の寵愛を得んがため等々の愛憎をめぐってのこれまたインシツなドラマがどこまでも続き・・・、というのがよくある筋書き。・・・と断定できるほど見てはいないので、<無責任な決めつけ>といわれるかもしれませんが・・・。

 さて、この映画の梗概はというと、次の通り。
 「女性を愛することができない王、そんな王を幼い頃から慕う護衛隊隊長。王の世継ぎ問題をきっかけに愛憎の渦にのみこまれていくふたりと王妃、三者三様の狂おしい心模様を描く歴史ラブロマンス。大胆なラブシーンに体当たりで臨んだチョ・インソンとチュ・ジンモの渾身の熱演が評判になり、韓国内では約400万人を動員する大ヒットを記録した作品。」

 つまりは、上述のインシツな話になる要素が完備しているわけですね。それも<男A-男B>、<男A-女>の三角関係だから、そりゃあもうぐちゃあーっとなりますがな。・・・といきなり大阪弁。最前に読んだムービーウォーカーのレビューで「けっこう過激でビックリしまっせぇ~」と書いてたオッチャン(?)の大阪弁がうつってしもたがな。

 物語の展開は詳述しません。
 私ヌルボ以外の、ごく少数の男性客×2人、「救いがないなあ・・・」と言いながら出て行きました。アクション等もろもろ、いろいろとエグいです・・・。イタイです、と言った方が当たってるかも・・・。
 もしかしたら、韓国の約400万人の観客の何割かは濃厚な濡れ場目当てだったのかなあ? 

燐光群の演劇のことなど・・・・

2010-02-12 02:09:20 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 たまたま知人から声がかかって、吉祥寺シアターでの燐光群公演・「アイ・アム・マイ・オウン・ワイフ」という演劇を観てきました。
 内容をあえて簡単に言ってしまうと、ナチス政権時代~戦後の東ドイツを、女装を通して生きてきた実在の男性シャーロッテ・フォン・マールスドルフさんの物語、というか、彼からインタビュアーが話を聞く、という形式がミソで・・・。チラシによると、<事実をもとに組み上げたドキュメンタリー演劇>とのことです。→燐光群のサイト参照

 体制が体制だから、倒錯的な嗜好や文化は差別されたり取締りの対象になったりするわけで、私ヌルボとしては、またしても、ふっと今の北朝鮮のことを思ったりもしました。何しろ、首都には障害者は住まわせない国だから・・・。

 燐光群の芝居は、数年前「だるまさんがころんだ」というのを観たことがあります。地雷をテーマにした、とても見応えのある作品でした。(なぜか沖縄市文化観光課の)Kozawebというサイトでは「<イラク戦争の現実に拮抗する日本唯一の演劇表現>として高い評価を得ると同時に、各方面に圧倒的反響を呼び起こしました」と紹介しています。また<しのぶの演劇レビュー>というブログには詳しい内容が載っています。

 劇団燐光群を主催する劇作家(にして日本劇作家協会会長)坂手洋二さんは、このような<ジャーナリスティクな視点>に基づいた作品で知られ、また外国でも彼の作品が上演されたりしています。

 昨年6月に池袋で<第1回 日韓演劇フェスティバル>が開かれたのですが、その中で彼の作品も上演されました。

 また韓国では昨年6~7月、ソウル大学路のアルコ小劇場で<坂手洋二フェスティバル>が開かれ、「屋根裏」と「だるまさんがころんだ」が上演されました。ちなみに、韓国語のタイトルは「屋根裏」は「다락방」とそのまんまですが、「だるまさんがころんだ」は「오뚜기가 자빠졌다」と直訳せず、内容も<韓国人の情緒に合わせて翻案>し、「무궁화 꽃이 피었습니다(ムクゲの花が咲きました)」というタイトルにして再誕生させた、ということでした。
 関連のブログ記事と、韓国サイトの記事があります。下の画像はそのフェスティバルのポスターです。

    

 韓国も演劇文化の豊かな国で、私ヌルボも観劇の機会が2回(?)くらいありましたが、何せ言葉の壁を乗り越えないことには・・・ということをタダ痛感した次第でありました。
 韓国の演劇情報を探索してみると、<日韓演劇交流センター>と、<よくわかる! おかやんの演劇講座>というサイトがみつかりました。

 ・・・うーむ、このネタは前書きにして、帰りに観てきた韓国映画「霜花店(サンファジョム)」について書くつもりだったのが、これだけでもう1000字ですねー。
 他に久々に職安通りで仕入れてきた韓国本や雑誌について等々、10コ以上のネタ(기삿거리)がどかっっとたまりました。これをウレシイというべきかシンドイというべきか・・・。