大福 りす の 隠れ家

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僕と僕の母様 第67回

2011年04月21日 14時42分04秒 | 小説





                       日の元 大和の民が 一つの大きな和になりますように










僕と僕の母様 第67回



高校の文化祭は 学年ごとにテーマが決まっていて そのテーマにのって 自分たちが体を使って 体育館のステージの上で 表現しなければいけない。

例えば ダンスというテーマであったら 何でもいい ヒップホップでも民族舞踊でも その踊りをずっと踊っててもいいし 一つのストーリーを作って まるでミュージカルのように 仕上げてもいいのだ。

しかしあくまでも ステージの上に上がるのは クラス全員と限られたことでは無い。

大道具小道具係り、カーテンの上げ下げや音響であったり、照明であったり色々と担当がある。

勿論僕は一度もステージには 上がっていない。 毎回、俗に言うスタッフだ。

僕は一年目、二年目とライトの係りをして 三年目は音響係りをした。 と言っても 大したものではない 音響はカセットテープを タイミングに合わせて 鳴らすだけだ。

その上、三年間とも直接道具には 触っていない。 二人組みでするものだから いつももう一人にやってもらっていて 良く言えば僕はそいつの見張り番、兼、話し相手。

その相手はいつも順平だった。 ヤツは喋りだすと そっちに夢中になってしまうので タイミングを逃してしまいそうになるのだ。

そんな時に 僕が頭を一つポカンと叩いて「ライトの色変更」、「次カセットBに入れ替える」 とか笑いながら言って 何もしないでいる。

順平も何もしないでいる僕を責める事も無く ずっと喋りながら作業をしている。

こんなところは本当に 可愛いヤツだ。

他のクラスや色んな学年の パフォーマンスも見ていると ムチャクチャしてたり面白かったりと 楽しめる事があったのは確かだ。

かったるく思っていた 中学のときよりかは 少しはマシだったかもしれない。

でもステージに上がって バカ騒ぎをしたり、まじめに劇に取り組むというような事は 出来なかった。

こういう所も 母様の言う皆と盛り上がれない というところなのだろうか。   



学校行事も一段落した頃 放課後僕が部室の前の廊下を歩いていると ブラバン同級生と バタフリーが話しをしていた。

やっぱりバタフリーは コイツを狙っていたのか。

何を話しているのかは聞こえないが バタフリーが携帯を 鞄から取り出したのが見えた。

どうもアドレスを 聞いているようだ。

ブラバン同級生は いらない っていうような手振りをしている。

きっとアドレスを教えない とでも言っているのであろう。

僕はそのまま部室に入って行ったので その先どうなったかは分からないが あの様子だと きっと振られたんだろう。

カワイソウに アタックしても、しても 撃沈のようだ。

その時丁度 順平からメールが入ってきた。 

その返事をするついでに 可哀相と思いながらも 僕はすかさず今の様子を メールで送った。

きっと携帯の向こうで 順平は大笑いするだろうな。




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