珍らしくダイニングルームでゆっくりと庭を見ながら朝食をとる。改めてこの時期、残雪の上に落ちたカラマツ、カエデなどの種子をついばむ野鳥の種類と数の多さの驚く。その中に見慣れぬ鳥、カメラに収めるてよく見ればそれはアトリであった。数百の大きな群れをつくるアトリがなぜここに一羽、渡りが近いというのに。ちょっと気になる。
ドスン、窓ガラスに激突する野鳥、大丈夫だろうか?窓を開け、下を見る。無事飛び去ったようである。今年もたくさんのシメが庭にやってきている。フィーダーに毎日やって来ていた孤独のシメはこの群れに加わったのだろうか?午後降り出した雨の庭にふと目をやる。またか。シメが横たわっている。後で埋葬しなければならない、と暗い気分になる。が数分後見れば苦痛に耐えるように目をつぶって起き上がっている。気になって何度どなく窓外のシメを見るが、うれしいことに無事シメは消え去っていた。毎年窓ガラスに衝突する事故が起こる。シメは目が悪いのだろうか?その対策はあるのだろうか、と考えてしまう。
外が騒がしい。窓越しに庭に目をやると、カンボクの木にヒヨドリが群れている。2、30羽はいるだろうか。これだけのヒヨドリの見ることは珍しい。渡りの途中なのだろうか?盛んにカンボクの実を食べている。今年は山の実りが豊作だった。まずいカンボクは最後まで残るだろうと思っていたのであるが・・・
猪苗代湖湖南の田圃、すでに雪は解け、数百羽の白鳥が集結し、シベリアに帰る準備を始めている。そこに灰色の幼鳥の姿はない。シベリアに帰るたくましい白い成鳥となった。無事帰国してほしい。そして11月には再会、冬を引き連れて・・・心より祈る。
昼過ぎの気温5℃、暖かい。猪苗代湖は波静か、霞がかかり穏やか。給餌の時間なのだろうか、長浜のカモやハクチョウは大騒ぎ。毎日これだけの鳥たちに餌を与える仕事は大変なことだろう。3月の末にはシベリアに旅立つ。長旅に備え、ハクチョウよ、オナガガもよ、たくさん食べ食べるがいい。
今日も雪。幸運なことに裏磐梯では、2,30cmの積雪ですみそうである。もうこれ以上雪はいらない。それは野生動物にとっても同じであろう。激しく吹雪く庭にヒヨドリが来てホーバリングしながらカンボクの実をついばんでいる。その近くを食べ物を探して動きまわるリス。その姿にはいつもと違った、この厳しい寒さの中で生き残るための必死さがある。この吹雪でどれほどの野生動物の命が失われたことであろうか。
ギー、ギー、庭にコゲラが来ている。いつもはカラ類と一緒に群れていることが多いが、今日は珍しくコゲラだけの5,6羽の群れ。盛んに枝をつついている。何を食べているのだろうか。一番小さいキツツキの仲間、コゲラ。よく見るととても愛らしい眼をしている。
なぜか白鳥に会いたくなる。もう雪のある田んぼには白鳥はいない。猪苗代湖に行く。白鳥・・・このやさしい眼差し・・・今日初めて知った。くちばしが黄色い、ハクチョウの場合、当てはまらない事を。年若く経験が足りない、未熟である幼鳥はくちばしがピンクであることを・・・
昨夜は雪にならず、雨が降り続いた。朝の気温4℃、暖かい。庭に雪もほとんど融けてしまった。そんな雪の融けた庭にミソサザイがせわしなく動き回っている。こんな暖かい日の後が怖い。数年前の猛吹雪の晩、ミソサザイが部屋の中に入ってきてしまった。スキー室のドアの下のごく狭い隙間から進入したのであろうか。ようやく外に出したが、また部屋の中に入ってきてしまった。よほど吹雪がつらかったのであろう。明日から雪が降り続く予報。厳しい猛吹雪にならなければ良いのだが。
秋風そよぎ、暖かい陽光降り注ぐ草原、何頭もの蝶が舞っている。咲き残りのアカツメクサにヒメアカタテハが羽を休めた。美しい蝶だ。間もなく深い霜、木枯らし、そして吹雪。ヒメアカタテハよ、裏磐梯の短い秋を十分楽しむが良い。そして居心地の良い越冬場所を見つけ、生き残り、残雪輝く早春の空を元気に飛び回ってほしい。(秋元湖湖畔にて)
日本最強毒蛇、マムシに路上で出会う。裏磐梯に来て初めての事だ。車から降り、堂々として動かないマムシをゆっくり観察する。いかにも毒蛇、オドロオドロしい風体、毒液は少ないものの、毒性はハブを凌ぐという。マムシ咬傷被害は年間約3,000人、死者は10名程度。スズメバチなどの被害より少ないものの、十分注意しなければならない。不幸にも咬まれてしまった場合は一刻も早く医療機関で血清を投与してもらう事が必要。自然豊かなところにマムシ有り。改めて注意しなければ、と思う。
ミヤマアカネが好きだ。草原を飛び回るたくさんの赤とんぼの中からついミヤマアカネを探してしまう。そしてしつこく追い回す事となる。ミヤマアカネはそれを察したかのようにカメラを意識し、ポーズをとってくれる。羽の茶色い帯、赤い偽縁紋、色彩華やか、締まった小ぶりの体型、アキアカネとは比べ物にならないほどいい。(秋風の吹く草原にて)