NHKドラマ「花子とアン」での「修和女学校」に蓮子さんが初めて来校し、花子さんが「あれ、何この人?」と嫌嫌ながら案内せざるをえない場面がありました。もし、視聴者がこの蓮子さんの15才で無理に結婚させられ、20才まで連れ添う羽目になった初婚の夫の背景を知っていたら、泣けてくる場面です。一人の人間、明治時代の華族の歴史、特に、この蓮子さんの家の事情を知れば、花子さんに同情する人、逆に蓮子さんに同情する人、実に様々なドラマの楽しみ方が展開していきます。ドラマは楽しいのですが、良いか悪いかわかりませんが、或知識を知ってしまった人が、この場面を見た解釈と、その知識を知らないで、その場面を見た解釈が、本当に相当違ってくるのです。ですから、私達の人生の途上で出会う色々の人と初対面した時、最初から、第一印象だけで、人を嫌うタイプの人は愚か者、と言われる場合があるのです。どんな初対面でも、最初から人を嫌う危険性を意識して生きていきたいと私は常に意識して生きています。このように一人の生育史を知り、意識化すると、恨みや妬み、憎悪の感情が逆転し、そこに人間らしい深い愛情、友情が誕生してくる場合もあるわけです。互いの生育史を知るまでは、最初から毛嫌いしないことが自分の幸福感(平安感、友好的な感情、健康感、幸福感、統御感)をこんこんと湧きださせる知恵ともなりそうです。互いの生育史を知るまでは、思い込みで相手を判断しないこが、自分の幸せを増やす重要なファクターなのだ、と知るようになります。
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