Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

快勝のスタート ヨルダン戦も是非…. 日本 3-0 オマーン 3rd June 2012

2012-06-08 | 夏季五輪
後半42分を少し過ぎた時場内アナウンスでこの日の公式入場者数が 63,551 人だった事が発表された。
3点のリードを奪い、興奮の坩堝と化した競技場から更に大きな歓声が上がった。後で知ったけどさいたまスタジアムでは過去最高の入場者数だったらしい。 あぁあのワールドカップのベルギー戦よりも入ったのか…あの時は空席がいっぱい見られたしなぁ….あの試合のチケット買い損ねたんだよなぁ…. と10年前の事を思い出していた。 



その直後、細貝からの縦パスを受けた清武がゴール前に入れるとそこには本田が走り込む。しかし DF ③Jabe; A; Owaisi が必死のクリアーでCKに。 その左からのCKにファーサイドで待ち構えていた吉田が ⑮ Ismail Sulaiman Ashoor Al-Ajmi と Al Owaisi の2人のマークの上からヘッドで折り返すと ⑫Ahmed Mubakrak がそれをヘッドでクリアーがそのクリアーを香川が相手DFと競り合いながら放ったヘッドはクロスバーを越える。 
89分、右サイドを突破した酒井からボールを受けた香川が浮球のパスを右サイドに送るとそこにはボールを出した酒井が走り込み中に折り返す。 本田がAhmed Mubarak のマークを振り切り放ったショットは GK Al Habsi がブロック。そしてそのこぼれ球を清武が撃つがまたも Al Habsi がストップ。 観衆から溜息が洩れる。 さすがアジア No.1 のGKやなぁ…と感心してしまう。
そしてロスタイムも過ぎて主審のホイッスルが鳴り響いた。 ワールドカップ予選の初戦でこれだけバシッとした勝試合はあったかなぁ…と思いつつ、安堵の嘆息を漏らした。ただ好アシストを演じた香川にゴールも決めさせたかったなぁとも思った。
後方には満面の笑みの香取慎吾ちゃんが皆に手を振っている。 試合中何度か彼を振り返ったが真剣な表情で微動だにせずピッチ上を凝視するその姿を見ていっぺんに彼が好きになってしまった……

いよいよ始まったワールドカップブラジル大会アジア地区最終予選。 ワールドカップ、オリンピックを追い掛けていればあっという間に年月を重ねてしまう。 テレビ等では連日ワールドカップ予選3連戦の事を取り上げていた。 こういう日程を組むFIFAの真意を知りたいものであるが、日程は当然変わらない。(当たり前か?)この3連戦を好成績で乗り切る為には初戦のオマーン戦で確実に勝点3を稼ぐ事が大事、とは誰もが願う事。 70年代から五輪、ワールドカップ予選で日本が敗退するのを何度も見て来た私はこの試合でまさかの事態にならないだろうか…と1人で勝手に心配をする時間も少なくなかった。

試合当日の昼前に週末のジョギングを兼ねて競技場周囲のランニングコースまで走りに出た。 12時前だと言うのに多くの青色のレプリカを着た人達が既に競技場の周囲に集っており、カテゴリー5の自由席のチケットを持つであろう人々が列を成して開門時間を待っていた。 
自分はカテゴリー2の入場券を確保する事が出来た。その幸運に感謝しつつ自宅に戻り、再び競技場にやって来て着席したのはキックオフ半時間前であった。 そしてカテゴリー5のゾーンは既に満席になっていた。



着席した時に日本の選手が大歓声を浴びてピッチに出て来た。そして大観衆に一礼をすると更なる完成が上がりスタメン組とベンチスタート組に分かれてアップを始めた。 スクリーンに映し出される日本選手を見ながら日本のスタメンを確認する。
所属先のガンバ大阪が不振なので CB は今野ではなく伊野波が、3月に故障から回復したばかりの岡崎に替り清武が、不調の長谷部に替って昨シーズン Augsburg でシーズン通して好調だった細貝が、内田でなく右サイドバックには酒井宏樹が、と思ったけど結局今野、岡崎、長谷部、内田らのメンバーはGK川島、 左SB 長友、 CB 吉田、ボランチ遠藤、2列目左に香川、トップ下本田、ワントップ前田らと共にいわゆる“鉄板”のイレブンとなった。



一方のオマーンは “鉄板”のGK Al Habsi こそスタメンであったが他のポジションはかなり予想を外れた。
DFラインは4バックであったが左SBには3次予選初戦で2分間だけ起用された五輪チームメンバーの ②Mohamed Al-Musalami 。右SBには左SBだと予想した⑪ Saad Suhail 。 ⑬ Abudul Sallam と組むCBは3次予選で出番の無かった Jabel Al Owaisi 。 ⑫Ahmed Mubarak Obaid が2列目でなくアンカーの位置に入り、21. Ahmed Hadid と組むボランチは 攻撃的MFと思われた⑩ Fawzi Bashir Doorbeen 。2列目右の ⑥ Read Ibrahim Saler は五輪予代表選手であったが最終予選の召集は一度も無く、2列目左にはボランチと思った⑦ Al Hadhri Hussain が起用され、ワントップ ⑳ Amad Ali Al Hosni は予想通りのスタメン。 3次予選6試合フル出場の DF Mohammed Al Balushiはベンチスタート。3次予選5試合スタメン出場に31歳ベテラン DF Al Gheilan Yousef Madhafer はベンチにも入っていなかった。 次のオーストラリア戦への保存か…..



そしていよいよ選手入場と云う時に前方の方から歓声が上がった。彼らの目線を追い振り返るとなんと SMPA の香取慎吾さんの姿が。お付きの人が写真を取らないで欲しい旨を書いた紙をこちらに見せて写真撮影を止めようとするも皆一斉に携帯カメラやデジカメを彼に向ける。しかし香取慎吾ちゃんは嫌な顔一つせずこちら皆に手を振ったりポーズを取る。 
ドイツ大会予選から“日本代表応援団長”という“肩書”で予選の度にテレビ出演をするのを見る度に “何で彼が団長なんや?”と思っていたけど、この瞬間に彼がいっぺんに好きになってしまった。 そして試合中の真剣なまなざしでピッチに目を向ける姿を見て
彼も純粋なサッカーファンなんだと思った。 それにさすが芸能人、何とも言えないオーラを発していた……

日本のキックオフで始まった試合は開始から地力に勝る日本が一気果敢に攻め立てる。 35秒、スローインを受けた岡崎が右サイドを上がり、3分には前田からのパスを受けた内田がゴール前に入れる。それぞれオマーンDFがCKに逃れるがその後はゴールに迄は至らない。 8分には遠藤からの縦パスを受けた内田が香川に送るがその前にオマーンDFがクリアー。 
吉田が積極的に前に上がってくるがその際には遠藤が後方に入る等動きが良いだけでなくバックアップも良い。 そしてやはり存在感を示すのは本田圭祐。 左右に動いてボールの受けてとなりそこからの突破やパス回しも良い.。
7分46秒岡崎からボールを受けた内田がドリブルで前線に上がろうとするが後方から Jabel Al Owaisi がタックルに入って止めるがここは御咎めが無い。 イエローが出てもおかしくないプレーだったけど。この日のウズベキスタン人のイルマトフ主審はこの程度のチャージでは最後までファールは取らなかった。
しかし9分に Bashir Doorbeen のプレーが反則に取られそれに着いて文句を着けた際にはしっかりとイエローカードを提示した。



日本が優勢なうちに早く先制ゴールが欲しいと思う11分57秒、それまで内田、岡崎のいる右サイドからの攻撃ばかりであったが初めて左サイドの長友がボールを受けそして上げたクロスに中央で走り込んだ本田がダイレクトで蹴り込んだシュートがオマーンゴールネットに突き刺さり、非常に良い時間で素晴らしい先制ゴールが決まった。 本田圭祐、ワールドカップブラジル大会初ゴール、というよりもこの試合が初出場であった。 
本田のシュートも素晴らしかったが、長友のクロスが上がる前、今野が相手のクリアーボールを拾い、左サイドに流れた前田を経由し香川に送られ更に左サイドを駆け上がった長友に送られたその一連のボールの繋がりが全てワンタッチで展開されると言う素晴らしい連動性も見られた。そして兎にも角にも早い時間に先制ゴールを上げられた幸先良いスタートに試合前の不安が一掃された気になった。



そしてオマーンDF陣が落ち着かない立ち上がりに追加点をと思う先制直後の13分45秒、今度は右サイドを岡崎が内田とのパス交換で抜け出しゴール前に入れられたところに香川が飛び込んだがぎりぎりオフサイドの旗が上がった。 それでもゴール前に飛び込んだ香川が浮球をGK Al Habsi と競りながらゴールにボールを押し込んだプレーは高度なテクニックとの印象だった。 Al Habsi はこの香川のプレーをホイッスル後のプレーなのでカードを出せとばかりにイルマトフ主審に迫ったが…
このプレーの直後にも長谷部からボールを受けた本田が前線の香川に送りシュートに持ち込むがここは DF Abdul Sallam が何とかクリアーし追加点を阻まれた。
劣勢のオマーンは19分25秒左サイドタッチライン付近から Bashir Doorbeen が逆サイドの Saad Suhail に振りそのままアーリークロスを入れるそこに Ahmed Hadid が走り込むがここは吉田がマークに着きシュートを撃たせなかった。これがこの試合オマーンが初めて日本ゴールに迫ったシーンだった。 このプレーからオマーンは落ち着き始めたのかワントップの Al Hosni を前線に残し中盤とDFラインの間をコンパクトに保ち日本のパスワークに対応するとともに本田のマークに近くの選手が交替で着く様になった。 
本田とは言え次々にマークに着かれると思う様にボールをキープしにくくなった。
そうなると日本は相手DFラインの裏にボールを放り込みDFラインを下げさせたりするなど対策を講ずる。そして35分を過ぎると香川にボールが集まりだす。 だが追加点を奪えぬまま前半は終わった。



オマーンのキックオフで始まった後半開始早々の 46分48秒にはCKから前田が Ahmed Mubarak の後方から惜しいヘッドを放つ。 オマーンは後半から Bashir Doorbeenが左サイドに入り Al-Hadori が中に入りボランチの位置に入った。そしてその Doorbeen が48分24秒にカウンターからドルブルで日本ゴールに迫ろうとするがシュートは撃てない。
今度も早い時間にゴールシーンをと願うと51分、本田が遠藤との縦パスの交換から前線に上がり左サイドの香川にボールを渡す。香川はそのままドリブルで中央に寄りゴール前にボールを入れるとオフサイドぎりぎり(それともオフサイドだったか?)でボールを受けた前田が上手くトラップして Al Habsi を破ってオマーンゴールに押し込み追加点を挙げた。 
香川のドリブルからのラストパスも素晴らしかったが、香川にボールを出した本田が中央に走り込み相手DFを引き付けたオフ・ザ・ボールの動きも良かった。それにしても香川のドリブルはボールがあたかもゴルフボールがグリーン上のパットの時の様に滑らかに動いていた。 
これで2点差。オマーンの攻撃力からしてこのあと3点取る事は考えられないのでこの時点で勝点1は確実に上げられたと思った。



追加点から3分後今度は勝点3を確実にするゴールが決まる。 長友が左サイドから遠藤を経由して香川にボールが送られ、香川が再びドリブルから右サイドに流れた前田に送る。Al Musalani のマークを受けながらも前田が放ったシュートは Al Owaisi に当たり岡崎の前に転がり Abdul Sallam を振り切り岡崎が放ったシュートがオマーンゴールに突き刺さりリードを3点差に拡げた。
あとはリードを広げる事というよりも無失点で試合を終える事を願った。もっともリードが広がればもっとよかったのだけど。
1997年ワールドカップフランス大会最終予選の初戦。ウズベキスタン相手に3ゴールを先制した後に2失点を喫し最終的に 6-3 で勝利を収めたけど6ゴール上げて勝った事よりも3失点した事の方が気になりその後苦戦続き出あった事を思い出した。



57分リードしている日本ベンチが先に選手交替を行う。 右SB内田に替って酒井宏樹が投入される。この時は五輪を控える酒井に怪我だけはしないでくれよと思った。 
59分。日本がFKを得る。本田がボールをセットする。本田にとっては射程内だ。彼のFKを期待すべく歓声が上がるが本田はすぐにショートパスを送った…..
劣勢続きのオマーンは64分にようやく選手交替を行う。 Al Hadid に替って3次予選で第5節のサウジアラビア戦だけに出場した Ali Hilal Saud を投入する。 そしてその前に負傷をして外に運び出された FW Al Hosni がそのままアウトとなり Pan Arabic Games 優勝メンバーだった Al-Maqbali がピッチに送られる。 Al-Maqbali は3次予選では第3節のアウェーでのオーストラリア戦以降スタメン起用され最後のタイ戦ではゴールも決めている。 日本戦は当然スタメンと思ったけどスタメン起用されなかったのは既に1枚警告を受けていたからか?そうなるとオーストラリア戦にスタメンか? 
更にオマーンベンチは MF Al Hadri を下げて Ashoor Al-Ajmi が送られる。  Al-Ajmi は3次予選全てに出場するがスタメンは2試合。第4節からは全て交替出場だった選手。 これで前線は Al Hosni のワントップから Al-Maqbali と Al-Ajmi の2トップになった。 
だけど攻勢を続けるのは日本。 こうなると香川のゴールを見たくなる。68分には遠藤のCKを前田が落として香川がシュートに持ち込むが惜しくも外れる。 Dortmund ではゴールを決めるだけでなくゴールアシストもよく演じていたがこれからのこの試合はゴールを狙っても良いと思った。
73分日本ベンチは岡崎を下げて清武を投入する。 岡崎は4月にドイツで見た時よりも身体は絞れている様だった。故障も完治したのか? 清武も活躍よりの怪我はして欲しくないなぁ~との思いが強かった。 しかし清武も80分にはサイド突破から本田の惜しいシュートチャンスを演出する等サイドをどんどん突破し存在を見せつける。 
残り時間10分を切るとオマーンも右サイドを Ibrahim Saler , Saad Suhail の2人が結構突破してくるシーンが。そして結構深い位置でもフリーにしていた。シュートにまでは持ち込ませなかったけど….
周囲の観客席からは“次は宮市が見たい。”と云う声が多く上がっていたけど、親善試合ならともかく、まだ宮市をライバル国に見せる必要は無いと思った。 そして86分に遠藤に替って細貝萌が投入された。 さいたまスタジアムをホームにする浦和レッズからは槙野がベンチ入りから外れたのでこの試合には誰も出場していない。 “卒業生”の細貝の投入、そして長谷部の活躍には特別な思いをしたレッズサポーターもいただろう…。そして私は無失点で試合を終える事を再び願った……。

70年代からずっとサッカーを見続けた私も“ King of Asia “ をどこの国でも堂々と云う事が出来る現状を再確認し、幸福な気持ちで家路に着く事が出来た。

翌日以降に発売されたスポーツ紙、専門紙そして専門雑誌には“完璧な第一歩。(ダイジェスト)” “威風堂々。(マガジン)”
“会心ニッポン。(エルゴラッソ)”の見出しが本田の写真と共に躍った。 90分本田がプレー出来た事に次の試合以降も期待がかかる。 テレビ報道も快勝に最大の賛辞を送る。 



オマーンの Paul Le Guen 監督は日本は格が違うと言う様なコメントを試合後残したが、次のホームでのオーストラリア戦では“ベストメンバー”を組んでくるだろう。 11月のアウェーでのオマーン戦ではこの試合の様にイージーには行かないはずだ。
ただ MF Doorbeen は次のオーストラリア戦は累積警告で出場停止。これは Le Guen 監督も頭が痛いだろう。

4点目が奪えなかった、終盤は高い位置で相手選手をフリーにした等快勝の陰に隠れた改善点もあると思う。 それはしっかりと修正して次のヨルダン戦に臨んでくれるだろう。 その前にまず選手は疲れを取って….と勝手に選手を気遣った….

第二戦のヨルダン戦は5日後に再びさいたまスタジアム。 本当に今住んでいるところに家を建ててよかったわ….
6月8日も雨は降らんといてくれよ。いや中東チーム相手だと降った方が良いのか…..??



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