Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

ゴールラッシュで連勝。さあ豪州征伐だ !! 日本 6-0 ヨルダン 8th June 2012

2012-06-10 | 夏季五輪
あと何ゴール決まるのだろう。得点は多ければ多いほど良いのはわかっているけどこれはワールドカップ予選。目の前で起こっている事が少し信じられなくなって来た。 まぁこう言う事なら良いのだけど。周囲の席は何故か女性ばかり。私よりも年配と思われる方も多かった。 試合終了まであと2,3分かなぁ.. バックスタンドのサポーター達が手を振って連呼するリズムに乗って彼女達も手を左右に振ったり握りこぶしを突き上げたり。 本当に幸せな時代だ。僅か?20年前なら全く考えられない。大体女性と云う生物は何故スポーツをする男性の事を馬鹿にするのだろう? 自分達もマハラジャやジュリアナでは結構な運動量を披露しているのになぁ~と思っていた時代はまだ社会の教科書に紹介される程古い事象の事ではないのだけれど。
90分が過ぎ、韓国人の金東慎主審のタイムアップのホイッスルが鳴った。5日前にも勝るとも劣らない大歓声が沸き上がった。
それにしてもヨルダン、こんなに弱かったかなぁ? オマーンよりも強いと思っていたんだけど….

オマーン戦の快勝から5日後のヨルダン戦。この日は金曜日。会社はあるがこういう大切な日はいつもは普段の売上実績をたてに誰が何と言おうと午前11時には会社を後にするのだけどこの日はあいにく出張者や見本市のアテンド者が相次ぎ少なくとも社則に定められた終業時刻まではいなければならなかった。
定時を数秒過ぎて会社を後にし直接さいたまスタジアムに向かうがいつも通勤で使う埼玉高速鉄道は大変な混雑に加えその影響で遅れる始末。 朝の通勤時でもこれだけ混む事はなく、ましてや混雑で遅れる事等皆無に近かったのだけど。
スタジアムに入る直前に両チームのスタメン発表が始まり着席した時はキックオフの5分前あった。
オマーン戦の座席はカテゴリー2.このヨルダン戦はカテゴリー1であったが、後方だったので2階席に遮られてバックスタンドの後方に設置されているスクリーンは見られなかった。 全体の見晴らしもカテゴリー1クラスとはとても言えず、オマーン戦で観戦したカテゴリー2の方がずっとよくピッチを見られた。 それに後方には香取慎吾ちゃんや石橋貴明らも来ていたし….
もうこれからカテゴリー1のバックアローは買わない。 カテゴリーのホームアローが無ければカテゴリー2を選ぼうとこの時誓った。

日本のスタメンはオマーン戦と同じメンバー。ヨルダンは前節のイラク戦から4選手を入れ替えた。
4バックのDFライン、⑲Anas Bani Yassen と組む CB は⑧ Bashr Bani Yaseen ではなく② Mohammad Munir。Asian Cup 2011 では日本戦を覗く3試合にスタメンフル出場したが3次予選は最終戦の中国戦以外はベンチにいて出番が無かった選手。右SBにはベテラン31歳の ⑮Shadi Abu Hashhashに替って本来MFの⑬ Khalil Baniateyah が回ってきた。④ Baha’a Abdulrahman と組むボランチは常にベンチ入りは果たすのだがAsian Cup 2011では出番が無く, 3次予選では初戦のイラク戦、最後の中国戦の2試合合わせて17分しか出場時間が無く、イラク戦でも最後までベンチで過ごした⑥ Saeed Al Mur が起用され、攻撃陣は2トップ⑩ Anmed Hayel Ibrahim とルーマニアの Gaz Matan Medias でプレーする ⑱ Ther Al Bawab が初めて起用された。イラク戦スタメンだった ⑳ Hamza Al Daradreh はベンチスタート。 2列目右サイドはイラク戦に続いて⑨ Odai Al Saify 。左サイドにはイラク戦では ⑮ Al Daradeh に替って後半から投入された⑭ Abdallah Deeb Salim が起用された。 
Asian Cup 2011 の日本戦のスタメン出場経験者は GK Amer Shafi, ④ Baha’a Abdularahman ⑨ Odai Al Saify ⑭ Abdallah Deebの4選手のみ。⑧ Bashr Bani Yaseen ⑮Shadi Abu Hashhash の様なレギュラー選手が何故起用されなかったんだろう?3次予選では2得点を挙げた⑦ Amer Deeb の怪我による離脱も痛かったか。





日本のキックオフで始まった試合はこの試合も大歓声に後押しされ日本がヨルダンゴールに迫る。47秒にはショートパスでビルドアップしヨルダンPA付近でワンタッチパスを繋ぎ最後は長谷部がミドルを放つが相手MFがブロックしカウンター攻撃に移られるが高い位置で前田がマークに入り遅らせるとすぐに攻撃に転じる。 本田の中央から前線へのパスがCB ② Monir に当たりゴール前に上がったところに岡崎がGK Shafi と競り合いながら飛び込むがここは GK Shafi がキャッチ。 Shafi はキーパーチャージを金東慎主審にアピールしそれが認められる。
3分14秒には左サイド本田からのパスを受けた香川が浮球のパスを長友に送り再び長友からボールを受けシュート体勢に入るが② Monir, ④Abdulrahman が香川の足元にスライディングを入れてシュートを撃たせない。
4分32秒には早くも決定的なチャンスを迎える。右サイドの浅い位置から斜め前方に繋ぎ香川から左サイドの長友に送られ⑬ Baniateyah のマークをかわして遠藤に戻すと遠藤はヨルダンゴール前にロブを送る。 フリーで抜け出た岡崎が胸でトラップし後ろ向きの態勢でシュートに持ち込むが GK Shafi がストップ。 惜しいチャンスだった。そして遠藤のすばらしいパスだった。
8分58秒には香川からの縦パスに走り込んだ長友が左サイドを突破 ⑬ Baniateyah を振り切り逆サイドの本田に上げるがヨルダンもマークに2人付きシュートを撃たせない。
オマーンはどちらかと言えば中を絞ってと云う守備で両サイドに面白い様に侵入で来たが立ち上がりからヨルダンはオマーンと異なり両サイドバックまたは2列目の選手が日本の両サイドを埋めてサイド攻撃に対応していた。そして何よりも身体の強さを見せていた。それでも日本は遠い位置から相手DFラインの背後を狙う様なロビングを上げて来る。
10分21秒、長谷部から縦パスを受けた岡崎がヨルダンゴール左ポスト際に浮球を送るとそこに香川と前田が雪崩込むが ⑬ Baniateyah がヘッドでCKに逃れる。そのCKを遠藤が直接ヨルダンゴールに向かって曲がるが GK Shafi がパンチでコーナーに。
12分16秒に長谷部が内田からボールを受けそのままドリブルシュートを放つが ② Monir がクリアーでCKに。
そのCKを本田が入れるが GK Shafi で今度は前にクリアー。 ゴール前の空中戦ではGK Shafi が良く出て来てクリアーをする。
16分12秒、香川から中央の本田に送られそのままダイレクトで放たれたショットはGK Shafi が好セーブでストップ。オマーン戦と異なり結構シュートまで持ち込めていた。ただオマーン戦で最初にシュートが撃たれたのは11分。そしてそれが先制ゴールであったが。 
しかし18分に日本に先制ゴールが生まれる。 この日5本目のCKを香川のリターンを受けた遠藤がファーサイドに送り今野が
相手DFと競り合いながら飛び込むがCKに。その6本目のCKに前田が⑥ Al Murjan と競りながら“肩”でヨルダンゴールに
押し込み対ヨルダン戦初めて先制ゴールが決まった。 前の試合同様早い時間にリードを奪う事が出来た。



そしてオマーン戦と違い、この試合はすぐに追加点を奪えた。遠藤から入れられた浮球のパスに本田が走り込み ⑥ Al Murja,
⑲ Bani Yassen のマークをすり抜けそのままヨルダンゴールにシュートを叩きこんだ。遠藤からのパスが出る前に内田がパスをカットされたがその後内田も直ぐにボールを追い、ミスパスを誘いそれを遠藤が拾って前に送った。



25分45秒劣勢のヨルダンに追いうちを掛ける出来事が。 中盤で長谷部と空中で競り合った時に長谷部の額に ⑭Abdallah
Deeb の肘が入りこのプレーにイエローカードが出され、⑭Abdallah Deeb は24分24秒にも前田へのチャージに警告を受けていたので2枚目のイエローカードと云う事で退場となってしまった。長谷部はこのあと頭部にバンテージを巻いてプレーする事に。



これでヨルダンはFW ⑱ Thaer Bawab を2列目左に下げて⑩ Hayel Ibrahim のワントップにした。
ヨルダンはShafi がGKを蹴る時でもDFラインはあまり上がらず 浅い位置から2トップめがけてボールを放り込んでいた。そして
2列目が早い押し上げで最前線をサポートしようとしていた。ただ日本の攻撃を警戒してDFラインはあまり高い位置を取らなかった。
相手より1人多くなった日本は31分岡崎がヨルダンPA内右サイドで遠藤からのロブを受け放ったシュートが⑯ Basem Fathi
に当たり本田の前に転がったところを本田が押し込んでこの試合2ゴール目。日本がリードを3点に拡げた。⑯ Fathi に当たらなければ岡崎のショットはそのままヨルダンゴールに吸い込まれていたか? 本田は何か持っているのかもしれないなぁ。
遠藤の2点目に続いた浮球のゴール前のナイスパスも見逃せなかった。



こうなるとこの試合はあと香川がゴールを上げられるかに興味が大きく移って来た。



しかしそれは早く実現する。 35分本田のワンタッチパスが右サイドに走り込んだ長谷部に送られ⑯Fathi と競りながら中央に入った前田にクロスに岡崎が飛び込むとボールはゴール中央に。一旦は前田と競ったGK Shafi が弾き出すがこぼれ球を拾った内田が左にいた香川に送ると香川は⑲ Bani Yassem がマークに入る前に狙いすましたようにミドルを放つとそのままヨルダンゴールネットにシュートが突き刺さった。 これでリードはあっという間に4点差に広がった。こんな展開誰が予想しただろう…..





しかし良い事ばかりは続かない。 37分中盤で吉田が④ Baha’a Abdullahman と競り合った際に脚を滑らせ膝を痛めて倒れて起き上れなくなってしまった。 プレーが続いていたが ⑬ Baniateyah がボールを外に出してプレーを切って担架が入る。
吉田もスタッフもOKのサインを出してプレーに戻ったが私はここは無理せずベンチに下がってくれれば…と思った。 
そして44分に吉田は再びピッチに座り込み、日本ベンチは栗原を投入する事になった。 翌日の朝刊に膝の内側の靱帯を痛めたと言う事でオーストラリア戦は欠場となった。 上背のある Socceroos を相手に吉田の離脱は痛いなぁ…と思った。





同時にヨルダンベンチは⑤ Mohamed Abdulsamee を⑯ Fathiに替えて投入する。
日本の4ゴール目が入っても岡崎、長谷部が惜しいシュートを放つなど更に得点が入りそうな雰囲気のままロスタイム3分も過ぎ
前半が終わった。日本のシュート数は13.ヨルダンは1本もシュートを撃てなかった。 


後半に入り立ち上がりはヨルダンが攻勢に試合に入って来た。 トップの ⑩ Hayel Ibrahim の両脇に2列目の ⑱Thaer Bawab ⑨ Odai Al Saify が近い位置からサポートをしボールを前線に運んだ。 
47分18秒には長友が ⑬ Baniateyah を倒してFKを与えると ⑬ Baniateyah が入れたFKに中央で 前田のマークの前に入った⑥ AL Murjan がヘッドで合わせ日本ゴールを襲う。弾道はゴールポストの左に外れてくれたが危ないシーンだった。
47分29秒には ⑱ Taher Bawab のドリブル突破を許し右サイドにパスが送られると ⑨ Odai Al Saify の強烈なショットが日本ゴールに飛ぶがポストの左に外れて行った。 ⑱ Thaer Bawab のドリブルの時周囲に数人選手がいたが誰もマークに入らなかった。49分54秒、香川のミストラップを拾った ⑱ Thaer Bawab がドリブルで上がり右側に上がった⑩ Hayel Ibrahim がミドルを放つが川島の正面に。


 
立ち上がりちょっといやな展開はあっさりと払拭される。左サイドでボールを受けた前田が巧みなステップで ⑬ Baniateyah を抜きにかかると ⑬Baniateyah の脚が前田に掛かり転倒。金主審はすかさずペナルティースポットを指し、⑬ Baniateyah にはイエローカードが出される。誰がPKを蹴るんだろう、とPA内に目を移すと本田がボールを抱えている。 そして本田がそのPKを決めリードをまたまた拡げた。これで本田はハットトリック。代表Aマッチでのハットトリックは Asian Cup 2011サウジアラビア戦の岡崎以来。ワールドカップ予選ではあの King Kazu 以来と云う事だった。



5点差となり私はもうノートを閉まってメモを取るのを止めた。 
日本ベンチは57分、殊勲の本田を下げて中村憲剛が投入される。私のお気に入りの憲剛の登場にこちらも興奮するが周囲の女性サポーター達からも喜びの歓声が。 本田にはしっかりと休んでオーストラリア戦でまたゴールを決めて欲しいと願った。



憲剛は59分19秒に中央から素晴らしいミドルを放った。



5点差を付けられたヨルダンはその直後にMF⑱ Thaer Bawad を下げて23. Anas Jamal Mohammad Hijah を投入する。
そして72分に今野が下がりビッセル神戸の伊野波が投入される。 このワールドカップ予選では今野に替ってのスタメンも…と思ったのだけど。  74分50秒には遠藤のCKから栗原がヘッドを放ちゴール枠を捉えるが④ Abdulrahman がクリアー。そのこぼれ球を伊野波が撃つがここも Abdulrahman が身体に当てて跳ね返す惜しいシーンだった。
76分28秒大量リードされているヨルダンベンチは FW ⑩ Hayel Ibrahim を下げて⑮ Shadi Abu-Hashhash を投入する。イラク戦にはスタメンフル出場し、3次予選も6試合フル出場。 Asian Cup 2011は1次リーグ3試合全てフル出場し最後のシリア戦で警告を受け準々決勝のウズベキスタン戦には出場出来なかった選手なのに何故彼の実績をこの試合で生かさなかったのだろう? その直後に伊野波が相手DFを倒して献上したいやな位置からの、正面からのFKは⑲ Anas Bani-Yaseen が直接狙うがクロスバーを大きく越えてくれた。 
残り時間は約15分。日本はもう失点しない事と無駄なイエローカードを貰わない事と怪我をしない事を願った。
しかし失点もイエローカードもこれ以上の怪我人も無く、89分の終了間際、日本に6点目が入る。遠藤のショートコーナーから憲剛を経て長友がフリーで逆サイドに送るとドンピシャのタイミングで栗原が競った ⑤Mohamed Abdulsamee のはるか上から叩きつけたヘッドがヨルダンゴールに突き刺さり遂に 6-0 となった。



いったいあとは何点はいるのだろう… そんな事を思い始めた。

ヨルダンはもっともっとやると思った。試合の前々日にようやく日本入りする事が出来ると言う厳しいコンディションの中実力の半分も出せなかっただろう。 アウェーのヨルダン戦はこうはいかないだろう。 
Adnan Haman 監督が試合後に話した “ 今日の出来ならブラジルと対戦しても勝てる。”が現実になれば良いが。



ホーム2戦2勝で終えて次のアウェーのオーストラリア戦は引き分ける事が出来る…まぁ専門分野のオーストラリアの分析はこれからじっくりとしよう….そんな事を考えながらピッチを眺め、駐輪場に向かった。 さいたまスタジアムを振り返り私は少しの寂しさを感じた。 これでワールドカップ予選のホームゲーム2試合が終わった。 恐らく次の9月のイラク戦は仕事が入るだろうしなぁ~、そうなると来年6月のオーストラリア戦か~。 あと1年待たねば次のワールドカップ予選を観戦できないのか…

“帰ったら今夜は EURO を見ようよ。” “対戦相手はポーランドとどこだったっけ?”とはなす女性サポーター達の声が聞こえた。
あぁ幸せな時代になった。 欧州選手権、 Europermeisterchaft なんて知っている女性なんて1990年代にはどれだけいたかなぁ?1980年代は皆無に近かった。 それにワールドカップも…..

それにしても、 Brisbane に行きたかったなぁ~…