Mr.コンティのRising JAPAN

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EURO2012 残すところ僅か2試合  やはり欧州は面白い

2012-06-29 | EURO Football
ワールドカップ最終予選開始とほぼ同時期に始まったサッカー欧州選手権 EURO2012 もあっという間に準決勝戦と決勝戦をを残すのみとなってしまった。スペインの決勝進出が決まり、世界王者スペインへの挑戦権を得る為に今夜前回の雪辱に燃える?ドイツがイタリアと対戦する。
それにしても EURO は本当に面白い。1次リーグからドイツ対オランダ、ポルトガル対オランダ、スペイン対イタリアといった対戦がある。今やワールドカップでは出場国がかつての2倍に拡大された事から(だから日本も出場出来る様になった?)これだけのレベルの試合がそう多く望めない。ただ日本は当然だけどこの大会は部外者。 大会の“中”に入って行けない寂しさはあるけど。
それだけに傍観者の一人としてただ楽しむ事は出来る。だけど Asian Cup だってもっと全アジア的に盛り上がって欲しんだけどなぁ….
それからポーランドとウクライナが開催国というのも隔世の思いだ。 初めて行った外国がポーランド。(その前日にパリでトランジットスティしたけど。)それは80年代の末。あの時の事を思い出したらここで欧州選手権が…想像出来なかった。
昨日ドイツの地元紙にイタリア戦に望むドイツ代表 Joachim Löw 監督のインタビューが掲載されていた。準々決勝のギリシア戦のFW3選手総入れ替えの事等にも触れられていたなかなか面白かった。




"Die Zeit ist reif, gegen Italien zu gewinnen" イタリアに勝つ為の機は熟した

独占インタビューの中でJoachim Löw監督は Bastian Schweinsteiger が起用出来るかどうか、リスクを覚悟でプレーをすることを続けること等に就いて語った。 Joachim Löwは最初のエスプレッソをブラックでのみ、少なくとも5人のコーチ達は1日1杯はエスプレッソをのむよと語った。チームのホテルには自前のエスプレッソマシンが持ち込まれている。Löwは EURO2012の準決勝戦を前にあたかも地元 Freiburg のカフェに居る様であった。
前夜彼はPK戦に迄縺れ込んだイタリア対イングランドでイタリアがドイツとの準決勝戦に勝ちあがってくるのを見た。
6年前にアズーリと対戦した時、Löwは Jürgen Klinsmann のアシスタントコーチだった。そしてその試合後Löwは監督に昇格した。

‐ Mr.Joachim Löw、率直に最初に準決勝でイタリアとの対戦が決まった時最初に何を思いましたか?2006年の夏、ドイツの夢物語が終わった時の事を思い出しましたか?

Löw:全く思わなかった。2011年2月 1-1 で引き分けたイタリア戦の事を思い出した。そこで相対したて見たのは新いイタリアだった。 それはそれ以前では見られなかったイタリアだった。 Cesare Prandelli 監督のもとイタリアは全く違っていた。今のイタリアは予想されるかつてのイタリアよりもずっと攻撃的だ。

‐ イングランド戦のPK戦で見せた Andrea Pirlo の巧妙なPKに就いてどう思いますか?

Löw:素晴らしいの一言だ。 PK戦で劣勢に立っているチームを立ち直らせる、まさに目を見張るものだった。

‐ ドイツの選手達も同じ事を許しますか?

Löw:ボールがゴールに入る限りは。 普通ボールをゴールの中央に蹴り込む事を試みる事でさえ安全なオプションとなる。Pirlo のは単に強いシグナルだった。“まだまだ我々は挽回出来るんだ。”と云う。 その直後のイングランドの選手はショットをクロスバーにぶつけ、 Ashley Young のPKはセーブされてしまった。それはその前には考えられなかった。




‐ イタリアはドイツの天敵であると思いますか?これまでワールドカップ、欧州選手権では7回対戦してまだ勝った事がありません。そして今(親善試合を含めて)3連敗中です。

Löw : 我々がいつもイタリアに苦戦しているのは事実です。しかし今は違います。イタリアに勝つ為の機は熟しました。

‐ Prandelli 監督は今回は苦戦必至と考えている様です。 ドイツの方が2日間インターバルが多かったとかで。

Löw:これまでイタリアはフィジカルの点では不利であると思った事がありません。彼らはよくプレーしました。イングランドとの準々決勝戦でも彼らは明らかに相手を支配していました。彼らは決して脚がふらついていたり調子が悪かったとは感じませんでした。中3日あれば充分に疲労から回復できます。だから我々が明らかに有利だとは思えません。

‐ ならば Prandeli の戦術的な試合になるのでしょうか?

Löw:それは解りませんし気に掛けていません。 Prandelli はかつてドイツの様な攻撃的で年齢バランスの取れた若い選手を多く使うチームが理想と語っています。 彼はよく成功しています。そして準決勝戦ではどちらが有利かと云う定義は有りません。 イタリアは強固な守備と攻撃とを続けられる非常にバランスの取れたチームです。

‐ 攻撃選手の一人 Mario Baloteli は予測不能な選手です。 アイルランド戦ではゴールを決めた後に他の選手が Balotelo がチームのコーチに侮辱的な言葉を吐くのを防ぐために彼の口を塞ぎました。 もしドイツチームにこの様な事態がおこればどうなりますか?

Löw: 解りません。我の事に就いては新聞で読んだだけです。こう言う問いに答える為には彼の人間性を知らねばなりません。サッカー選手としては彼は大変良い選手です。素早くゴールを上げます。特別な才能を持った素晴らしい選手でしょう。

‐ しかし明らかに難しいキャラクターですが。

Löw: そうですね。明らかに彼はコーチが望まない事を引き起こす選手でしょう。しかし私は Pandelli と Balotelli の関係は常に順調と信じます。



‐ 悲しい事にあなたはまだ彼の様な選手がチームに不在であると思われますが。

Löw:勿論。チームを統一させるのはメンバーを選抜するのに重要な要素となりますが特別な選手が入る余地が無いと言う訳ではありません。

‐ 専門家達は欧州選手権のレベルに就いて悲観的です。 あなたはスペクタクルな試合は今やそれほど重要で無いとお考えですか?

Löw: (しばらく考え) これは私を難しくさせる瞬間だ。 1次リーグではハイレベルのチームが敗退しました。 ロシアの様に私が予想しなかったチームが敗れました。 準々決勝戦に進出したチームでそれほど高いクオリティーを持っていなかったのがギリシアでした。 準々決勝戦では試合のペースは速いと思いました。 トータル的にレベルは良いと思いましたが、スペクタクルとは思いませんでした。

‐ ドイツは1次リーグ全勝でギリシア戦も4-2 で勝ちました。 これには満足ですか?
Löw:全ての試合に批判は受けました。 ギリシア戦では相手のプレッシャーを受けず5,6回のミスパスをしピンチを招きました。2失点を喫する前にも我々はあまり良くはありませんでした。 全体として我々は早くに主導権を握り、対戦相手により多くのプレッシャーを与え続けようとしています。 しかしギリシア戦の攻撃陣に就いて言えば前のデンマーク戦よりはずっと良い動きでした。 だから少しは改善出来たと思います。しかし初戦から4連勝は明らかに嬉しい結果です。

‐ 悪いパスからくる問題は Bastian Schweinsteiger から起こっていた様に見えました。そして彼自身しきりに自己批判を繰り返していました。しかし同様に足首の怪我が彼を悩ませているとも話してました。 彼に就いてはどうですか?

Löw: 彼はいま2日間練習を休みました。足首は今はかなり小さな問題になっています。 基本的に彼のスタミナには納得しています。彼は長い距離を走れます。 最近の試合で Schweinsteiger の欠けているのはスピードとダイナミズムです。それらは次の試合でやって貰わねばならないことです。
‐ 彼は同じ様にもしあなたが決めたならベンチに座るだろうと言っていました。

Löw:いいえ。もし彼の脚が問題がないのであれば、彼をあきらめはしません。もし彼が練習量を減らさねばならないのであれば別の決定をせねばならないでしょう。

‐ギリシア戦では Lukas Podolski とThomas Mueller をスタメンから外すと言うサプライズを見せました。 替えられない選手は何人いますか?

Löw:今あなたにはメンバーリストは見せられない。 遂に何人かの選手をある試合で試す事が出来て嬉しい。 他の試合でh他の選手を使えた。 それは常にその時の事情による。 ギリシア戦では異なった質を持った Marco Reus と Andre Schuerrele の2選手を Podolski と Muller の替りに両サイドで起用した。 

‐ どの様にしてこの様なスペクタクルな起用を決めたのですか?

Löw デンマーク戦後に考えた。“今我々は何をしているのか?” 他の攻撃のハイライトに就いて長い間考慮しており早い段階で計画を立てていた。 そして対戦相手がギリシアと解った時にすぐにギリシア選手達のプレーがより抽象的になった時に。 ギリシャ選手達は専守に終始するだろう。それはゴール前では殆どスペースが生まれないと言う事だ。 我々は限られたスペースでプレーせねばならない。どういうタイプの選手が必要だったか?例えば Marco Reus は俊敏な動きを見せる。 Andre
Schuerrle は1対1に強い。 Miroslav Klose は Mario Gomez よりもコンビネーションプレーを得意とする選手だ。 私は彼ら攻撃的な3選手を前線に置いた。

‐ 4選手も替えるのは普通ではなくあなたはリスクを取りました。もしこれが失敗したらどうなるかと訊ねられませんでしたか?

Löw : それは私にとってリスクではありません。トレーニング中の選手を見て彼らは信頼できると解りました。 例え1人のコーチがその後何が起こるかを案じようともこの時はそれを振り払わねばなりません。 私は常にそれが起きたらどうなるのかと自問します。そしてもし自分が止めた時に何が起こるかと。 もしギリシア戦に敗れたら。とにかく、批判されていたでしょう。

‐ どれだけの間あなたはコーチをやっていられますか?例え解雇されても。

Löw;まず経験を積む事だ。 私は前にリスクを冒す多くのコーチに仕えて来た。 それは私の中で常にそういうコーチであれと促すものだ。 私はリスクを冒す事を好む。何故ならそれはそんなに悪い事ではないからだ。 

‐しかしそれは批判を受ける易い事でもあるとわかっていますよね。

Löw ; 私は常に批判を受けやすい。何をやっても。しかし私はミスをするコーチと共にこの仕事を行わねばならない。しかし今大会中にメンバーを替える事は多くの考えの下に決めた事だ。私は誰をいつどういう状況で起用するかを考え続けている。

‐ Lukas Podolski やThomas Mueller の様な選手にどうやってスタメンから外す事を教えたのでしょうか?

Löw : 両選手とも大変なプロフェッショナルだ。何故なら彼らはまだ自身を伸びる余地があると思っているからだ。  Mario Gomez は恐らく少しはがっかりしただろう。 彼はそれまで3ゴールを上げていた。そしてこの瞬間にも100%スタメンであると信じていただろう。 しかし彼はベンチスタートを受け入れた。

‐ このリスクを楽しむのはどのコーチをベースとしていますか?

Löw: 選手として私は多くのコーチがミスをすることを案じる2部リーグの選手だった。それは常に不機嫌な私をクレージーにさせた。 これは信じがたいセキュリティーな考えだ。 私は常にそれに押し込められていた。 それで私は個人で決定すると言うリスクを持って試合に臨んでいた。選手としてでさえ私はハイリスクと楽しみを持っていた。 つい最近私の意見は確認された。
私は選手達にはもっとリスク覚悟で試合に臨んで攻撃的になって欲しいと思う。我々のCBは常にリスクの高い縦パスを出す。横には出さない。 さもなくば私がそこに入り隣にパスを出すだろう。(笑い)

‐ 準々決勝戦で見せた様なサプライズを準決勝戦でも準備していますか?

Löw: 勿論試合のプランは持っている。 選手達のやり方は替える気はない。 重要なイタリア戦に向けて我々の哲学通りに臨む。問題はどの選手がこれに合っていて、イタリアの弱点は何であるか?そして我々の中で誰が有利を齎してくれるか?
あなたは驚く事だろう。

‐ EURO2012 で優勝すればベルリンでセレモニーを行いますか?

Löw : まだ Oliver Bierhoff とその事に就いて話していません。 後で話ましょう。

イタリア戦のキックオフまであと数時間。 スペインの決勝戦の相手はドイツかイタリアか??