Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

Man of the Match はサウジアラビア人主審  Australia 1-1 Japan 12th June 2012

2012-06-16 | 夏季五輪

時計はロスタイムの3分を過ぎて93分28秒になっていた。もう笛が鳴るかなぁと思った。遠藤から清武に送られ本田に渡った。ドリブルで Australia PA付近に迫る。すると Cahill が後方からチャージに入り本田は転倒すると Khalil Al Ghamdi 主審のホイッスルが鳴る。いい加減に Cahill にイエローカード出せよ、と思うが絶好の位置でのFKだ。
これがラストプレー。入らなくても勝ち点1。 ワールドクラスの本田のFKをアジアで1,2を争う Schwarzer がどう対応するか。
非常にしびれる場面だった。

“これはチャンス。はいんじゃぇえ?” 一緒にテレビを見ていた息子が言う。
“そうやな。サヨナラFKになるんとちゃうか?”
“これ決めたら本田が一番ハンサムだ。” と意味不明な事を息子が言うと
“何言ってんのよ。 内田でしょ?”と嫁はんが反論する….そして家族でテレビ画面を凝視すると……

試合終了のホイッスルが鳴った。  

時計は94分10秒になっていた。 何とも言えない幕切れ。呆然とする本田のところに Cahill が歩み寄りユニフォーム交換を申し出ている。 ザッケローニ監督は第4審判に猛抗議をしたらしい。 
最後のFKは蹴らせないといけないんじゃないか?息子が訊いてくる。 PKだったら完了しなければならないけどFKはそうじゃない。本田が蹴ってゴールに届く前にホイッスルが吹かれたらそれでも試合終了だ、と説明する。

1978年ワールドカップアルゼンチン大会。1次リーグのスウェーデン対ブラジル戦。 1-1 の同点で迎えたロスタイムにCKのチャンスを迎えそのCKからヘディングシュートが決まった。しかし Clive Thomas主審はCKが空中にある時に試合終了のホイッスルを吹き、そのゴールインを無効にした。 Rivelino を始めセレソンの選手達が主審に詰め寄る。 しかし主審は腕時計を指さし毅然とした態度でタイムアップを主張する。 このヘッドを放った選手があの Zico だった…..

同様の事は8年後のワールドカップでも見られた。1次リーグのパラグアイ対イラク戦。 パラグアイ 1-0 とリードで迎えた前半終了間際イラクがCKのチャンスを迎えそのCKから Amaiesh がヘッドをパラグアイゴールに決めたが、CKが空中にある時に前半終了のホイッスルが吹かれ、試合はそのまま 1-0 でパラグアイが勝利を収めた。 

そういう事に比べたらずっとましだし、日本は勝点1を確保した。これはワールドカップ予選でまだ試合は続く。アウェーで、しかも当面のライバルAustralia 相手の引分けは悪くは無い、そんな事を息子に説明した。

しばらくして息子はこう言った。  

この試合の Man of the Match はレフリーじゃねぇ??

それ良いなぁ。 頂くわぁ…..

嫁はんはやっとサッカーが終わった事を確認し、チャンネルをさっさと替えてしまった…..

久々の家族でのサッカーテレビ観戦であった….

ワールドカップ予選前半戦の山場、アウェーのAustralia 戦。通算対戦成績は6勝6分7敗。  Brisbane Sun Corp Stadium で開催されたこの試合。今まで何度も脚を運んだ事のある球技場なのにこんな試合を現場で見られないなんて….と思いつつ日本がAustralia 大陸で対戦した戦績を思い返した。
確か1956年のメルボルン五輪の1回戦で対戦しておりその時はオーストラリアが 2-0 で勝利を収めた試合がオーストラリア大陸での対戦も含めて対オーストラリア初対戦では無かったか? 以降、1968年。日本がメキシコ五輪前の強化試合の一環として同年3月末にオーストラリアに遠征し、オーストラリア代表と3試合行っており1勝1敗1分だった( 2-2 at Sydney, 1-3 at Melbourne, 3-1 at Adelaide ) この試合の事は尊敬する元 Socceroos の Johnny Warren の著書 Sheilas, wogs & poofters にも書かれていた。 エース釜本が初戦と第3戦に2ゴールずつ決めた。
それから28年後の1996年2月。 加茂監督下の日本代表は2月19日から香港で開催される Carlsberg Cup に出場する為の準備としてオーストラリア合宿を敢行。当地でAustralia 代表と2試合行い1勝(2月10日 4-1 at Wollongong )1敗 ( 0-3 at Melbourne ) だった。 日本代表にはキングカズの他に井原、小村、相馬、山口、そして名波らがいた。Australia は Alex Tobin, 3年前にワールドカップ予選でマラドーナ擁するアルゼンチンと戦ったメンバー Paul Wade, それから Aex Tobin Josip Skoko, 神戸でもプレーしたマシュー=ビングリーらがいた。高木琢也が初戦で2ゴールを決めたが Kazu Goal は生まれなかった。

2年後1998年2月。日本は初めてワールドカップ出場を決めたフランス大会に向けてオーストラリア合宿を行い2月15日 Adelaide でAustralia 代表と対戦。中田英寿のPKと平野孝の2ゴールで 3-0 で勝利を収めた。この時オーストラリアはあのMCGの悲劇の3カ月後。監督もテリー・ベナブルズのままで選手もAustralia 国内組ばかり。それでも後に AC Milan でプレーしたゼリコ・カラッチ、アレックス・トビン、そしてブレッド・エマートンもこの試合に出場していた。
そして記憶に残っている2009年6月17日にワールドカップ予選でMCGで対戦し 1-2 で敗れるのだけど、オーストラリア大陸での通算成績は日本の2勝4敗1分….になると思う。このワールドカップ予選では何とか3勝目をと期待した。
そして競技場は違うけど Brisbane は シドニー五輪の時の1次リーグでブラジルと対戦した地でもある。

日本では3日のオマー戦以降ヨルダンを大破した事もあり連日ワールドカップ予選の報道が続いた。日本代表が現地入りした模様も連日伝えられたが在留邦人の方の話によると9日に Suncorp Stadium で Wallabies がテストマッチを行が行われ ( vs Wales 27-18 )、試合前日と当日にも雨が降りグランドコンディションはサッカーをするには悪かったらしい。

日本は予想通り オーストラリアはワントップのスタメン

怪我で離脱した吉田に替わって栗原が起用された以外は3試合連続同じスタメン。 スタメンイレブンのうち栗原、遠藤、今野、前田以外はすべて欧州でプレーする選手。これだけ海外組が多いメンバーでワールドカップ予選に臨んだことはあっただろうか….
欧州のシーズンオフ中に3連戦できることは幸運なことだろう。
一方の Socceroos は私の予想に反してJosh Kennedy のワントップではなく Cahill と Brosque の2トップ。右SBに札幌でプレーする Jade North が入り、 Luke Wilkshire が2列目右に。 Brett Holman は結局6月のワールドカップ予選2連戦には合流しなかった。 ボランチには Carl Valeri が Mark Bresciano と組んだ。共に攻撃的選手。 スピード不足のBresciano は日本戦には起用されないと思ったんだけどなぁ….
左MFの Matt McKay は現在K-League釜山でプレーするが地元 Brisbane 出身。2005-11 の8シーズンでここをホームとする Brisbane Roar で131試合プレーし18ゴールを決めた。2010-11 には A-League Grand Final にチームを導き見事優勝を果たした。 Asian Cup 2011 から代表でも Brett Emerton からポジションを奪いまさにかつてのホームグランドに凱旋を果たした。

                                             GK 1 Mark Schwarzer ( Fullham )

                    13 Jade North    2 Lucas Neil    6 Sasa Ognenovski    11 David Carney
                        ( 札幌)              ( 城南 )          ( ex-Al Jazira )       ( FC Bunyodkor )

                                 16 Carl Valeri                              23 Mark Bresciano
                                  ( Sassuolo )                                    ( Al-Nasr )

                    8 Luke Wilkshire                                                        17 Matt McKay
                  ( Dynamo Moscow )                                                         ( 釜山 )

                                                                                20 Alex Brosque
                                                                                       ( 清水 )
                                     4 Tim Cahill
                                     ( Everton )

                                                        18 前田遼一 ( 磐田 )

                      10香川真司                    4本田圭祐                               9 岡崎慎二 
               ( Manchester United )       ( CSKA Moscow )                       ( Vfb Stuttgart )

                                    7遠藤保仁                                    17長谷部誠
                                    ( G大阪 )                                    ( Vfl Wolfsburg )

                       5長友祐都       15今野泰幸           16栗原勇蔵              6内田篤人
               ( Internazionale )       ( G大阪 )             ( 横浜FM )             ( Schalke 04 )

                                                         GK 1川島永嗣 ( Lierse )

この日のスタメンだけ見ると Socceroos は欧州でプレーするのが GK Shcwarzer と Valeri, Cahill の3人だけ、 J-League でプレーする選手が2人いてベンチにも Kennedy ( 名古屋 ) Mark Milligan ( JEF 千葉 ) 更に2人いる。 DF4人はすべてアジアのクラブでプレーしている(またはしていた)選手達。 A-League でプレーする Kewell, Archie Thompson ( 共に Melbourne Victory ) はベンチ。日本は欧州組が7人に J-League 組が4人。 隔世の思いがする。



Soccroos が押す前半...

オーストラリアのキックオフで始まった前半。 35秒にはロングボールが Brisque に渡り Cahill を経由して Carney に送られミドルを撃たれる。 ゴール枠を大きく外れたが開始早々にシュートに持ち込むあたりはオマーン、ヨルダンとは段違いに強い相手と再認識させられる。日本も1分57秒に岡崎が裏に抜け香川からボールを受けチャンスを掴むが、立ち上がりはオーストラリアの攻勢が目立つ。4分13秒には Valeri がミドルを放ち、5分29秒には Ognenovski のクリアーボールのこぼれ球を拾った Valeri を拾って Wilkshire に繋ぎ前線のCahill へ。Cahill は栗原を背負いながらシュートに持ち込む。 
立ち上がりからオーストラリアは2列目の McKay と Wilkshire が上下に早く動く。 後方からロングボールを Cahill, Brosque に放り込み、こぼれたセンカンドボールを Valeri の早い押し上げがサポートしバイタルエリア付近まで攻め込む。 Valeri は前日まで別メニューで出場が危ぶまれていたらしい。 
立ち上がりやや押され気味だった日本は6分59秒、香川が遠藤からの縦パスのリターンを受け前線に入り込んだ本田に。本田はPAの外からワンバウンドのミドルを放つと GK Schwarzer はキャッチできずに前にこぼす。このこぼれ球は Carney がコーナーに逃れ、本田のショートCKから長谷部が入れたクロスに岡崎が Wilkshireの前でヘッドを放つがゴールには届かない。 
オーストラリアは高さだけでなく試合序盤は攻守の切り替えの速さも見せた。 20時間の移動の疲労はホームゲームにはそれほど影響なかったか??



11分53秒、オーストラリアにアクシデントが起こる。 Bresiano が負傷し Mark Milligan と交替でベンチに下がってしまった。全盛時は2列目のサイドからガンガンクロスを上げていたんだけど、今年2月のサウジアラビア戦で久々復帰してからはボランチの位置に入っていた。 これでSocceroos は J-League でプレーする選手が3人ピッチに立つ事に。この交替は以降の波乱のきっかけになるとは....

     

Socceroos は Wilkshire が Asian Cup 2011 の時の様に効果的なクロスを入れてくる。前線の Cahill はボールを受ける時の強さと上手さを見せる。時にはDFを抑え込み、時には上手く倒れてファールを貰う。 Brosque はボールの受け方、受けるポジションに入るのが上手い。 また North は右サイドを攻守に渡り上手くケアーする。 Wilkshire と North のサイドが良いので長友が前の2試合と異なり上がって来られるシーンが少なく、香川が中でプレーする時間が続く。 



18分59秒、オーストラリアが決定的なチャンスを作る。 Milligan のロングフィードが PA 内に入ったCahill に渡り、 Cahill がヘッドで落としたところを Neil が走り込み GK をかわしてシュートに持ち込もうとするが撃てない。しかしそのこぼれ球を無人のゴール前で拾った Brosque が栗原を背負いながらシュートに持ち込むが必死に戻った内田がクリアーしCKに。 テレビを見ていてゴールインされたかひやりとしたシーンだった。 



その後のMcKay が蹴ったCKを川島が落としたこぼれ球を拾った Carney がミドルを撃つが前田に当たってゴールには至らない。  Carney の利き脚ではない右脚でのシュートだった。

21分40秒にはカウンターから Cahill がドリブルで持ち込んだところにチャージに入った栗原にイエローが出される。 日本DFラインはロングボールを放り込まれるのでなかなか上げられない。 またミドルパスを効果的にワイドに使われるのでなかなかプレスがかから無い上に日本のポゼッションが上がらない。 日本が攻撃に転じると2列目が早く戻りDFラインの前にもう一つラインを形成する。しかし今の日本はこのラインの間に本田や香川、岡崎がどんどん侵入しパスを受けるのでそこから何とかなりそうな気がする。

24分にはMilligan が本田に後ろからチャージに入りイエローが出された。 そして本田がまたも蹴ったワンバウンドFKは惜しくもポストの右に外れた。 
25分を過ぎると Soceroos の脚が止まりだす。やはり時差と移動距離の疲れか? こうなると香川のドリブルが効いてくる。
32分29秒、長谷部からボールを受けた香川が Wilkshire をかわしてドリブルで上がりPA内に侵入する。 Neil, Wilkshire を抜いて North がマークに入る前に長友に送る。長友はワンタッチで中に折り返すが走り込んだ前田には惜しくも合わなかった。
30分を過ぎると日本MF,DF陣のオーストラリアのロングボールに対する寄せが早くなった、と云うよりも Socceroos の寄りが遅くなって来たか?また遠藤、長谷部にボールが入る様になって来て長友にボールが渡る様になった。 この試合の Socceroos の右サイドは DF がNorth, MF が Wilkshire だった。これが 右SB Wilkshire,  MF Holman だったらこちらのサイドの裏を突くチャンスが大いにあったのだろうけど。 



42分29秒、右サイドからオーバーラップした内田が長谷部からボールを受け本田に送る。そして香川に送りスルーパスを送ると内田が走り込みシュートを放つが Neil が必死にスラィディングシュートコースを切り弾道はポストの右に外れて行った。 
前半終了間際にも香川がPAのすぐ外で右から左に流れてシュートを放つが North に当たってゴールには届かなかった。
そして前半が終了する。立ち上がりから中盤はロングボール、ミドルパスを有効に使った Socceroos の攻勢目立ったが、終盤は日本FW陣のドリブルや早いパスワークが相手DF陣を翻弄するシーンが目立った。 それだけに後半期待が出来た。

テレビカメラが観客席を映す。結構日本人サポーターの姿が目立つ。この日の観客数は 40,189 人だったらしく、空席も結構目に着いた。 6月9日に行われたWallabies の試合は 55,000 人は入ったらしい。 また翌日10日には State of Origin のラグビーの試合が ANZ Stadium 行われ、殆どの地元の Aussie 達の関心とマスコミ報道はその試合と Wallabies の試合との2試合が中心となっていたらしい。 もし対戦相手が日本でなければもっと空席が目立っていたか? しかし4年前にここでワールドカップ予選のイラク戦を観戦したけど満員に近かったなぁ….
それにしてもさいたまスタジアムでもそうだったけど、若い女の子が多い。80年代には観客数そのものが今とは比べ物にならないくらい少なかった。 だから若い女の子なんて… 本当に時代は変わった。そしてオーストラリアとサッカーでこんな激戦をかわすなんて..
サッカーに関して言えばもっと遅く生まれたかったと思った。でもあと少しはやく生まれていればメキシコ五輪の栄光は見られたか?



波乱の後半。 勝ち点1を死守?勝ち点1を失う?

日本がやや攻勢で始まった後半。 51分27秒には良い位置でFKを得る。地元サポーター達のブーイングの中、本田が蹴ったFKは壁に当たって更に大歓声が上がった。52分5秒には香川から岡崎にスルーが入り 、53分6秒には右サイドを上がった長谷部が岡崎からボールを受け、折り返したところに香川が受けてシュートに入るが Ognenovski と Milligan が必死にブロック。相手DFラインと MF の間に香川、岡崎、本田がどんどん飛び込んで行く良いリズムで試合が動いていると思った。

そしてこの試合の波乱が始まる。54分40秒。右サイド Wilkshire から前線中央にアーリークロスが入れるも内田がヘッドでクリアーに入るとそこに Milligan が走り込んで交錯して転倒する。 Al Ghamdi 主審がホイッスルを吹き Milligan に何とイエローカードを出す。これで2枚目のイエローカードであるがなかなかレッドカードを出さない。スタッフに促される様にようやくレッドカードを出した。 
Mark Milligan は私の好きな選手。しかしそれを割り引いてもこのイエローはちょっと厳しいかと思ったがそれは序曲に過ぎなかった。



1人少なくなった Socceroos は Cahill が2列目に入り Brosque をわトップに残した 4-4-1 のフォーメーションとなった。
これで日本は何度も一気果敢に攻勢に出る様になった。 North も Carney も中を絞って来るのでサイドからどんどん仕掛けられる。2度ほど Schwarzer がさすがと思わせられるセーブを見せたがそれが無ければもっと早い時間にゴールが生まれていただろう。
それにしても本田は本当にボールを取られないなぁ…



劣勢の Socceroos は更に追い打ちを掛けられる様に Valeri が脚を痛めてベンチに下がり Nikita Rukavytsya ( Hertha BSC ) が投入された。 Socceroos は怪我人の交替だけで交代枠2人を使ってしまう事に。 
そして65分、長谷部から自らのショートCKからのリターンを受けた本田が右サイドから Carney Rukavytsya をかわしてドリブルで切れ込み中に入れる。中央で前田と Wilkshire が縺れながらなだれ込むのを通り越してファーサイドの栗原に。栗原は落ち着いてボールをオーストラリアゴールに蹴り込み日本が先制ゴールを決めた。 1人少ないオーストラリアを完全に崩してのゴールだった。
またも本田のドリブルからゴールが生まれた。





1人少ない相手に先制ゴールを決めたので次にゴールを決めてリードを広げれば試合は完全に決まる。そういう瞬間も遠くないと思わせるゴールだった。
しかし事態が全く変わってしまう事がまた起きた。68分またも Wilkshire から中央に送られ、失点後前線に再び上がった Cahill が栗原と競り合いながら落としたところを長谷部が Brosque と競りながらボールをクリアー。あわやオウンゴールと思われた。そしてそのCK、 Wilkshire が中に入れると Al Ghamdi 主審のホイッスルが鳴る。最初はオフサイドかオーストラリア側にファールがあったと思ったけど何故かペナルティースポットを指していて胸ポケットをまさぐっている。 何と内田にイエローカードが出てしかもPKが Socceroos に与えられた。 
大歓声が Sun Corp Stadium に沸き上がる。 これで次のイラク戦に出場出来なくなった内田は信じられないという蒼白な顔。 どうやらポジション取り争いをしている時に Brosque を抱え込んだのがファールと取られららしいがこの試合そんなシーンは何度もあったんだけど….. 大歓声の中 Wilkshire がPKを正面に蹴り込み試合を振り出しに戻されてしまった。





これで Soccerood 達は蘇生してしまった。 70分に Carney がドリブルで上がるマークに入った内田がピッチに脚を取られて転倒した際にボールを抑えてしまった。このプレーに対してこの日2枚目のイエローが出て内田が退場にされるかとヒヤリとするがここは御咎めがなくてホッとする。
それを察したか日本ベンチは72分に内田を下げて酒井宏樹を入れる。 酒井次節イラク戦は頼んだぞ。
75分32秒、距離はあるがゴール正面で長谷部が Cahill を倒してFKを与える。そして壁が出来上がる前に Carney に蹴られて今度はCKを取られてしまう。そのCKは一旦今野がクリアーするも再びゴール前に放り込まれ攻撃参加して残っていた Ognenovski がファーサイドのゴールポストに当たるあわやのシュートを撃たれる。 壁を作るのに時間がかかったりここでマークがずれたりと日本選手達は明らかに動揺している。同点にされたがアウェーなのは日本。しかも人数は1人多い。じっくりと慌てずにボールをキープすてくれよよまず思う。
77分32秒岡崎のアーリークロスから香川がヘッドを放ち、79分には長友から香川に入り反転してシュートを放つなど香川の連続シュートで徐々に日本イレブンが落ち着きを取り戻しつつある様に見えた。



それでもセカンドボール、こぼれ球が1人少ないオーストラリア選手の足元に行く様に思えてならない。 残り10分を切るとこのまま勝ち点1を死守するのか、勝点3を取りに行くのか、ワールドカップ予選ならではの難しいところとなる。
82分カウンター攻撃に転じられ Cahill がドリブルで上がると事をものすごい勢いで本田が激走しマークに入り Cahill を倒してイエローカードを受ける。  Cahillも上手くファールを誘う。84分オーストラリアゴール前でボールを回し左サイドから岡崎が上げてクロスは Schwarzer がワールドクラスのキャッチを披露。



85分50秒、日本ベンチは岡崎を下げて清武を投入する。1人少ない相手に勝点3を狙うと言うベンチからのサインだろう。
87分長谷部が前田とのワンツーで抜け出したところを Ognenovski が倒して絶好の位置でFKを得る。 しかしブーイングの中遠藤が蹴ったFKは大きく外れる。それだけ壁が高いのか? 残り時間はロスタイムを入れても5分とないはず。両チームどの様に試合をおわらすのだろうか? そう思っていると次のドラマが起こる。
Valeri が前線にフィードし Brosque と栗原が競るとAl Ghamdi 主審のホイッスルが鳴り何と栗原にイエローカードが出される。栗原もこの試合2枚目のイエローカードとなり退場となってしまう。Brosque の位置はオフサイドとも取れる位置であったが線審がフラッグを上げる前に Al Ghamdi 主審が笛を吹いた。長谷部を始め日本人選手が主審にその前のオフサイドをアピールするが、それを制したのが Cahill だった。それはスポーツマンシップからかそれとも点数稼ぎか?サラリーマンなら出世するタイプだ。 



ゴール正面からの Wilkshire が蹴ったFKは川島が右に倒れファインセーブでストップ。ゴール裏の Socceroos サポーター達が一斉に頭を抱え込む。 この試合本田や遠藤よりも良いFKだった。
その後のネアーサイドに入れられたCKを跳ね返し、香川、清武と繋いで一気にカウンターに転じる。そして最後はこぼれ球を清武が拾ってシュートを放ったがポストの左に外れる。 ロスタイムは3分と表示される。 ロスタイムの過ごし方はどうするのだろう。
91分16秒、香川に替えて伊野波が投入されCBに入る。 するとオーストラリアベンチは Wilkshire を下げて McKay 同様に Sun Corp Stadium をホームとする Brisbane Roar で昨シーズンまでプレーしていた Robbie Kruse を投入し Brosque と2トップを組ませる。 日本ベンチの交替を先に見てから動いたのか….
時計は93分を過ぎた。もう終了のホイッスルが鳴ってもおかしくは無い。そして93分28秒、本田が後ろから Cahill に倒されFKを得る。 さっきの Wilkshire のFKを見せられた本田は絶対に決めてやると思っているだろう…本田がボールをセットし前線の選手達に指示を出す。そして……

この試合の主役となった Khalil Al Ghamdi 主審はワールドカップでは2006年 2010年大会でも主審を務めており、 Asian Cup 2007 そして北京五輪でも笛を吹いた。2010年には地元サウジアラビア紙 Al-Nadi Saudi Arabian Newspaper 紙が選ぶ Best Referee in the Year に選ばれている
ワールドカップ南アフリカ大会では主審を務めた2試合、メキシコ対フランス戦では6枚( フランス2, メキシコ 4 ) スイス対チリ戦では9枚 ( スイス3 チリ 6 ) 更にスイスの Valon Behremi に1発レッドを出す等イエローカードを出しながら試合をコントロールする主審らしい。この試合のジャッジをAFC, FIFA はどう判断するのだろう? またワールドカップ予選で主審を務めるだろうがその時が楽しみだ。



対戦相手のコンディションはアウェーの日本よりも悪い、今回は勝つチャンスが十二分にあると思っていたけど試合が始まればそんな願いは霧散してしまうくらいの Socceroos の立ち上がりだった。 改めて彼らのレベルの高さを思い知った。試合内容もあわやのシュートが多かったのは Socceroos だった。 それでもこれは国際大会の決勝戦では無くワールドカップ予選の試合の1つ。アウェーで引分けは悪くない。 9月のイラク戦で勝点3を確実に上げて貰いたい。出場停止選手は多くいるけど。
ただワールドカップではこのオーストラリアより強い相手ばかりが出て来るのだ。

そして一番後悔した事は…..この試合を観に行けなかった事…やなぁ???  



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