Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

頼む 勝利を 彼らの為にも

2006-06-15 | FIFA World Cup
敗戦から3日が過ぎたが、肝心の選手達は精神的に切り替えられただろうか?日本を代表する選手達だからたかだか私の様な人間が心配する必要もないが。 
オーストラリアでのワールドカップ初勝利は我々の想像を超えているようだ。そして勝ったから言うのだろうか?それとも負けたらもっと激しかったか?日本選手を批判する内容の論評が続いていた。

まず、第一の矛先は中村の先制ゴールを認めたエジプト人主審ABD EL FATAH Essam 主審に向けられる。
6月13日付の Sydney Morning Herald 紙には “このエジプト人の主審には大型画面のついた最新のDVD対応モニターを贈るべきだ”との行に始まり、中村のロビングを処理しようとしたGKシュヴァルツァーに“ぶつかった”タカハラについては“彼の名前は TAKAHARA 。日本にラグビーを普及させたいようだ。”との文章が。 そして再びEssam 主審に触れて“どうやらこの主審はホームチームに気を使った様だ。”と、そのホームチームとはドイツでプレーする日本人選手を指し、その日本人選手を“ブンデスリーガの HSV Hamburg で Occasionally ( たまに ) プレーしていた”との説明が。 確かに、後に Essam 主審は誤審を認め、私を含め多くの日本人でさえ、“幸運な先制点”と思っている。 高原が2点目を決めてくれておれば、おそらくもっと彼の事を悪く触れただろう。
そして中村俊輔に就いては“ Soceroo がよって来ればすかさず倒れる。ZICOが監督に就任して以来日本人に足らなかったマリーシアは習得した様だ。”と。 しかし、結構中村への後方からのチャージには寛容であった様な気もする。そして彼のテクニックにオーストラリアDF陣が何度か翻弄される事も。 試合前にオーストラリアの解説者は“ナカムラとナカタにスペースを与えては何をされるかわからない。”とコメントしていた。 彼の技術力は確かに証明されたが、勝利には残念ながら結び付けられなかった。
そしてDFグレッラのコメントを “ R-E-S-P-E-C-T :…… “ との見出しで紹介。 グレッラは日本は我々を Respect ( 尊敬 ?)しなかったと。 スポーツをするに当たって全ての競技者は自分以外の参加者に敬意を払うものだと。その意味は私もよく理解する。しかし、グレッラは日本からはその RESPECT が感じられななかった,とのコメント。それは“簡単に”倒れる日本人選手に主審が迷わずファールを与え、それにより日本選手達は更に“容易に”倒れる様になった、とのことだ。 ある選手は“こちらが寄せてくるのを確認して倒れるタイミングを計る日本人選手がいた。”と。そしてフィジカルで優るオーストラリアは日本の様な相手だと審判は公平に笛を吹かない。要するに身体のでかい選手が審判の先入観で不利な判定を下される。 との事だ。 ここでも日本の先制点の事を言いたいのだろう。
しかし、もっと言いたいのはオーストラリアのブックメーカーではなかったか?オーストラリアの知人はこの試合を正に完全アウェーの状態のカジノでテレビ観戦していたらしい。そして First Goal の賭けをしており、中村俊輔に賭け、見事な“勝利”を収めたらしいが、そのオッズは何と17倍だったらしい。親元であるカジノか、地元のサポーター達の不平が聞こえてきそうだ。
しかし、ケーヒルの逆転ゴールが決まった瞬間に私が思ったのは商用でよく訪れるオーストラリア大陸におられる在住邦人の方達の事だ。6月10日付けの Sydney Morning Herald 紙に以下の様な記事があった。

http://www.smh.com.au/news/aussie-update/socceroos-match-divides-household/2006/06/10/1149815358404.html

シドニー在住のチバマサノリさんは1993年にオーストラリア人のリンダさんと結婚し、二人の子宝に恵まれているらしい。長男のリキ君、地元のサッカーチームに所属する12歳の男の子だ。お気に入りの選手は中田英寿。昨夜の試合には日本を応援すると語っていた。11月にKAZUが Sydney FC に移籍した時はお父さんに試合に連れて行ってもらったらしい。長女のエミちゃんは8歳でまだどちらを応援するか決めかねているとのことだった。 
オーストラリア各紙を見ると前日の逆転勝利が大きく報道され、選手達の一挙手一挙動は英雄的に伝えられている。当地に在住される邦人の方達は試合後そして翌日、どういう思いであっただろう。特に子供達、日本人学校でなく地元の学校に通う子供も多い。大人と異なり子供同士だと遠慮なく物事を話せる。それが悪い事にならねばよいが。 この2日間はまさに “ Australian day “ だった。11日にはシドニーの Telster Stadium でラグビー( Union ) の世界王者の England を 34-3 で一蹴し、3年前、地元で開催されたワールドカップ決勝戦の雪辱を果たした。そして12日はサッカーのワールドカップで初得点、初勝利。日本の様にワイドショーを始め、サッカーとおおよそ関係の無い人々までこの試合に終日言及する事は無いだろうが、少なくとも1次リーグが終わるまではオーストラリアではワールドカップ絡みの話題は途切れないだろう。 

オーストラリア在留邦人はやや肩身の狭い思いをしているのではないかな? 
彼らの名誉復権の為にも、クロアチア戦では勝つ試合を見せて欲しいものだ。