4月中旬の韓国の全国紙、朝鮮日報には下記の様な記事があった。
WBCの韓日看板バッター、イ・スンヨプ(読売ジャイアンツ)と鈴木イチロー(シアトル・マリナーズ)が相反した成績になっている。イ・スンヨプは日本プロ野球の‘巨人’になった一方、イチローは‘屈辱的な’打率でシーズン初盤に面目をつぶしている。 WBC当時、重みのある5本塁打で活躍したイ・スンヨプと、自国ファンの目を引くため終始大げさに振舞い続けたイチローゆえに、いっそう対照的だ。
イチローは13日現在(以下韓国時間)、9試合で打率2割3分1厘、1打点、出塁率3割1分8厘という低調な成績にとどまっている。それさえも13日のクリーブランド・インディアンズ戦で3安打と固め打ちしたおかげで2割台になった。前日までは19打席無安打、打率1割7分6厘だった。14日の試合でシーズン初本塁打を放ち、そろそろペースが上がってきそうな兆しだが、相変わらずがっかりするような成績だ。
年俸1253万ドル(約120億ウォン)をもらう選手らしくない。いや、イチローらしくない成績だ。わずか2年前の2004年に大リーグ1シーズン最多安打新記録(262本)を打ち立てた。去年は2001年の米進出以降、最悪の不振という評価にもかかわらず206安打、打率3割3厘をあげた。デビューの後5シーズン連続200安打以上を記録した大リーグ初の選手だ。 ( 以下省略 )
上記の記事が掲載された理由はWBCで2勝1敗と勝ち越した相手である日本が優勝したと言う悔しさと、でっちあげられた“イチローの30年発言”によるものと想像するには容易だ。4月のイチローはここ11年間見られなかったスランプで打率が2割にも満たない日が続いた。イチローの不振に韓国マスコミもネタ作りに困らない日が続いただろう。だが、イチローの不振をネタに紙面作りが出来たのも4月までであった。5月にはいるや否や俄然調子の出てきたイチローのバットからは連日マシンガンの如く快音が弾き出され、打率もあっという間に3割を越えてしまった。その快進撃は月が変ってもとどまるところを知らず、6月5日のロイヤルズ戦では2安打を放ち、連続試合安打を6に伸ばした。試合前にはアメリカンリーグの週間MVP受賞が決定。しかも“この賞がまだあったことに気付いていなかった”と地元の記者達に漏らしていたらしい。泣かせる一言ではないか? しかし、この1ヶ月のイチローの活躍こそ、私は今週末から始まるワールドカップに臨む日本代表への無言のエールではないか?と思う。日本のマスコミは連日忙しい。ドイツ戦で引分ければ“対戦国の警戒が強くなった”との報道。オーストラリアがオランダと引分ければ“ヒディングマジック健在”。そして日本がマルタに引分ければ“こんなことではいけない” と場当たり的な論調が続く。 芸能人、知識人、そして政治家までが“是非とも決勝リーグを”と願って止まず、週刊誌には1次リーグ予想が氾濫している。そしてここJリーグ発足以降雨後の竹の子の様に沸いて出てきた無知な評論家達は“日本が決勝トーナメントに進んだときの経済効果、そうでない時の損失”となかなか笑えるコメントを。だが勝ちたいのは他ならぬ代表選手達本人だ。確かに我々の声も届いており、その期待を受ける立場にある事に誇りを感じている事だろう。だからこそ、イチローの活躍を代表選手も糧にして頂きたい。 WBCの実現により野球界での世界選手権がようやく始まった。誰よりもこれを喜んだのはイチローではなかったか?かつてサッカーで世界サイズの大会が有ることをイチローは非常に羨んでいたと聞いた事がある。松坂が五輪メンバーに入ることをこの上なく喜んでいた様に、イチローも世界の土俵で戦える幸せを感じていたのだろう。“アメリカで野球人生を始めてここの野球界でも人種差別がある事がわかった。だからこそ日の丸を着て闘いたい” “野球人生で一番屈辱的な日” “この前はしゃくにさわりましたから。野球は喧嘩じゃないですが、今日はそんな気持ちでした。” “(ブーイングは)大好きだわ。もう少し強いほうが気持ちいいんだけど。” “今日負けることは、日本野球界に汚点を残す事になる。勝てて最高” 有言だけではない。2次リーグ初戦、アメリカ戦での先頭打者本塁打。準決勝の韓国戦では3安打1打点。決勝のキューバ戦では2安打1打点。そして、大会開始前から闘っている姿を見せてくれたのはイチローだけ。それはメジャーリーガーになり、初めて日の丸を意識したイチローが国を代表して野球が出来るという事の価値を知っていたからであろう。
今イチローはドイツにいる代表に“言葉でエールを送るよりも”快音よドイツまで届け“と思い打席に入っている事だろう。
欧州での大概のホテルは CNN が映る。私もCNNのスポーツニュースを通じてイチロー、松井の活躍を知ることが多かった。選手達の休息時間にCNNのスポーツニュースがあるかは知らないが、ここ数週間のイチローの快打連発こそ彼からの無言のエールと捉えて頂きたい。
WBCの韓日看板バッター、イ・スンヨプ(読売ジャイアンツ)と鈴木イチロー(シアトル・マリナーズ)が相反した成績になっている。イ・スンヨプは日本プロ野球の‘巨人’になった一方、イチローは‘屈辱的な’打率でシーズン初盤に面目をつぶしている。 WBC当時、重みのある5本塁打で活躍したイ・スンヨプと、自国ファンの目を引くため終始大げさに振舞い続けたイチローゆえに、いっそう対照的だ。
イチローは13日現在(以下韓国時間)、9試合で打率2割3分1厘、1打点、出塁率3割1分8厘という低調な成績にとどまっている。それさえも13日のクリーブランド・インディアンズ戦で3安打と固め打ちしたおかげで2割台になった。前日までは19打席無安打、打率1割7分6厘だった。14日の試合でシーズン初本塁打を放ち、そろそろペースが上がってきそうな兆しだが、相変わらずがっかりするような成績だ。
年俸1253万ドル(約120億ウォン)をもらう選手らしくない。いや、イチローらしくない成績だ。わずか2年前の2004年に大リーグ1シーズン最多安打新記録(262本)を打ち立てた。去年は2001年の米進出以降、最悪の不振という評価にもかかわらず206安打、打率3割3厘をあげた。デビューの後5シーズン連続200安打以上を記録した大リーグ初の選手だ。 ( 以下省略 )
上記の記事が掲載された理由はWBCで2勝1敗と勝ち越した相手である日本が優勝したと言う悔しさと、でっちあげられた“イチローの30年発言”によるものと想像するには容易だ。4月のイチローはここ11年間見られなかったスランプで打率が2割にも満たない日が続いた。イチローの不振に韓国マスコミもネタ作りに困らない日が続いただろう。だが、イチローの不振をネタに紙面作りが出来たのも4月までであった。5月にはいるや否や俄然調子の出てきたイチローのバットからは連日マシンガンの如く快音が弾き出され、打率もあっという間に3割を越えてしまった。その快進撃は月が変ってもとどまるところを知らず、6月5日のロイヤルズ戦では2安打を放ち、連続試合安打を6に伸ばした。試合前にはアメリカンリーグの週間MVP受賞が決定。しかも“この賞がまだあったことに気付いていなかった”と地元の記者達に漏らしていたらしい。泣かせる一言ではないか? しかし、この1ヶ月のイチローの活躍こそ、私は今週末から始まるワールドカップに臨む日本代表への無言のエールではないか?と思う。日本のマスコミは連日忙しい。ドイツ戦で引分ければ“対戦国の警戒が強くなった”との報道。オーストラリアがオランダと引分ければ“ヒディングマジック健在”。そして日本がマルタに引分ければ“こんなことではいけない” と場当たり的な論調が続く。 芸能人、知識人、そして政治家までが“是非とも決勝リーグを”と願って止まず、週刊誌には1次リーグ予想が氾濫している。そしてここJリーグ発足以降雨後の竹の子の様に沸いて出てきた無知な評論家達は“日本が決勝トーナメントに進んだときの経済効果、そうでない時の損失”となかなか笑えるコメントを。だが勝ちたいのは他ならぬ代表選手達本人だ。確かに我々の声も届いており、その期待を受ける立場にある事に誇りを感じている事だろう。だからこそ、イチローの活躍を代表選手も糧にして頂きたい。 WBCの実現により野球界での世界選手権がようやく始まった。誰よりもこれを喜んだのはイチローではなかったか?かつてサッカーで世界サイズの大会が有ることをイチローは非常に羨んでいたと聞いた事がある。松坂が五輪メンバーに入ることをこの上なく喜んでいた様に、イチローも世界の土俵で戦える幸せを感じていたのだろう。“アメリカで野球人生を始めてここの野球界でも人種差別がある事がわかった。だからこそ日の丸を着て闘いたい” “野球人生で一番屈辱的な日” “この前はしゃくにさわりましたから。野球は喧嘩じゃないですが、今日はそんな気持ちでした。” “(ブーイングは)大好きだわ。もう少し強いほうが気持ちいいんだけど。” “今日負けることは、日本野球界に汚点を残す事になる。勝てて最高” 有言だけではない。2次リーグ初戦、アメリカ戦での先頭打者本塁打。準決勝の韓国戦では3安打1打点。決勝のキューバ戦では2安打1打点。そして、大会開始前から闘っている姿を見せてくれたのはイチローだけ。それはメジャーリーガーになり、初めて日の丸を意識したイチローが国を代表して野球が出来るという事の価値を知っていたからであろう。
今イチローはドイツにいる代表に“言葉でエールを送るよりも”快音よドイツまで届け“と思い打席に入っている事だろう。
欧州での大概のホテルは CNN が映る。私もCNNのスポーツニュースを通じてイチロー、松井の活躍を知ることが多かった。選手達の休息時間にCNNのスポーツニュースがあるかは知らないが、ここ数週間のイチローの快打連発こそ彼からの無言のエールと捉えて頂きたい。