1970年ワールドカップメキシコ大会を無敗で制したブラジル。神様ペレを中心に、リベリーノ、トスタン、ジャイルジーニョと攻撃陣にタレントを揃えたセレソンは攻撃的な布陣で大会を制したと思う人が多いらしい。6試合で19得点。時代が異なるとはいえ、一試合あたり3得点以上の得点力で勝ちあがったと思えるだろう。しかし、当時を振り返ったペレはこういう。“皆さんは我々が offensively に戦ったと思われているが、実は defensively に戦ったんだ。”と漏らした。“当時、大会のセレソンは2ヶ月前に監督がマリオ=ザガロに交代するという緊急事態であった。そしてペレは疲れ切っていたといわわれていた。所属先のサントスはペレ人気にあやかりワールドツアーを続け、ペレは休む暇さえなかった。しかも4年前のイングランド大会で欧州のラフなDFに大会から蹴りだされ、”もうワールドカップには出たくない“と考えたときもあったらしい。 その時に、新しく指揮を振るうようになったザガロはチームに規律と役割分担を徹底させた。そしてシステムも変更した。そのシステムは 4-4-2 とも 4-5-1 とも言われた。70年代の日本は3トップが当たり前のシステムであったのでそれ自身が斬新であったかもしれないが、ペレに言わせれば”システムという言葉を借りるのなら 我々のシステムは 8-2 だ。“6月初旬の TIMES にはこの様に述べられている。そしてペレは続ける”もしボールが相手に渡ると我々はジョルジーニョを残して全てが自陣に戻りボールを取り戻そうと努めた。大会の総得点からみて攻撃的に戦ったと思われがちだが、それはあくまでも守備的なサッカーだ。そしてそれは大会の結果(優勝と得点数)からみてモダンなサッカーと言えただろう。“ だが私はその裏には選手個人の高い能力と高地のメキシコの天候と気圧に欧州勢がまず対応せねばならないと言う事実も見過ごせない。ブラジルの個人技に対抗するには運動量が必要であった。4年後の西ドイツ大会では、2次リーグの最終戦で対戦したオランダがそのトータルフットボールの集大成と言うべき試合展開でブラジルを圧倒したが、もし試合会場がドルトムントではなく、高温の南欧や南米であればオランダの選手はその運動量を維持できただろうか?
そして私は他に面白い数字を見つけた。下記を参照下さい。 これはブラジル、アルゼンチンのワールドカップ代表メンバーが欧州のクラブチームに所属していた選手の数の遍歴だ。
1974 Brazil 0 Argentina 5
1978 Brazil 0 Argentina 2
1982 Brazil 2 Argentina 3
1986 Brazil 2 Argentina 6
1990 Brazil 12 Argentina 12
1994 Brazil 11 Argentina 9
1998 Brazil 16 Argentina 13
2002 Brazil 10 Argentina 20
2006 Brazil 21 Argentina 17
アルゼンチンは歴史的に見ても南米の中で欧州との交流が長く、深かったことから選手達の渡欧が顕著であった。これはむしろ、アルゼンチンがワールドカップで優勝したのが1978年の地元開催まで待たねばならなかったと言う原因の一つでもあった。 しかし、サッカーがよりコマーシャリズムに侵食されるようになり、両国は特に“輸出国”として開拓され例え代表クラスでなくても多くの欧州のクラブチームは南米選手抜きでチーム編成は考えれなくなってきている。 前回の日韓大会ではブラジルよりも候補と見られていたアルゼンチンが1次リーグで敗退したのは、増え続ける所属先の試合数がいかに影響していたかがわかる数字だ。
だが今回はどうだろう。多くの選手にとっては時差の無いドイツはむしろ“地元”に近いのではないか? ブラジル、アルゼンチンを迎える地元ドイツ、そして前評判の高いイングランド、イタリアは今大会は“地元”の南米選手に対峙せねばならない。 もし欧州勢がタイトルを手中に出来なければ、次回は南アフリカ大会、次々回はブラジがホスト国ではと見られている。ワールドカップが欧州大陸に帰ってくるのは2018年まで待たねばならなくなるかもしれない。
アルゼンチン代表は以下の通りです
Goalkeepers: Roberto Abbondanzieri (Boca Juniors), Leonardo Franco (Atletico Madrid), Oscar Ustari (Independiente)
Defenders: Fabricio Coloccini (Deportivo Coruna), Roberto Ayala (Valencia), Gabriel Heinze (Manchester United), Juan Pablo Sorin (Villarreal), Gabriel Milito (Real Zaragoza), Nicolas Burdisso (Inter Milan), Leandro Cufre (AS Roma)
Midfielders: Lionel Scaloni (West Ham United), Esteban Cambiasso (Inter Milan), Javier Mascherano (Corinthians), Luis Gonzalez (Porto), Pablo Aimar (Valencia), Juan Roman Riquelme (Villarreal), Maximiliano Rodriguez (Atletico Madrid)
Forwards: Carlos Tevez (Corinthians), Hernan Crespo (Chelsea), Lionel Messi (Barcelona), Rodrigo Palacio (Boca Juniors), Javier Saviola (Sevilla), Julio Cruz (Inter Milan).
そして私は他に面白い数字を見つけた。下記を参照下さい。 これはブラジル、アルゼンチンのワールドカップ代表メンバーが欧州のクラブチームに所属していた選手の数の遍歴だ。
1974 Brazil 0 Argentina 5
1978 Brazil 0 Argentina 2
1982 Brazil 2 Argentina 3
1986 Brazil 2 Argentina 6
1990 Brazil 12 Argentina 12
1994 Brazil 11 Argentina 9
1998 Brazil 16 Argentina 13
2002 Brazil 10 Argentina 20
2006 Brazil 21 Argentina 17
アルゼンチンは歴史的に見ても南米の中で欧州との交流が長く、深かったことから選手達の渡欧が顕著であった。これはむしろ、アルゼンチンがワールドカップで優勝したのが1978年の地元開催まで待たねばならなかったと言う原因の一つでもあった。 しかし、サッカーがよりコマーシャリズムに侵食されるようになり、両国は特に“輸出国”として開拓され例え代表クラスでなくても多くの欧州のクラブチームは南米選手抜きでチーム編成は考えれなくなってきている。 前回の日韓大会ではブラジルよりも候補と見られていたアルゼンチンが1次リーグで敗退したのは、増え続ける所属先の試合数がいかに影響していたかがわかる数字だ。
だが今回はどうだろう。多くの選手にとっては時差の無いドイツはむしろ“地元”に近いのではないか? ブラジル、アルゼンチンを迎える地元ドイツ、そして前評判の高いイングランド、イタリアは今大会は“地元”の南米選手に対峙せねばならない。 もし欧州勢がタイトルを手中に出来なければ、次回は南アフリカ大会、次々回はブラジがホスト国ではと見られている。ワールドカップが欧州大陸に帰ってくるのは2018年まで待たねばならなくなるかもしれない。
アルゼンチン代表は以下の通りです
Goalkeepers: Roberto Abbondanzieri (Boca Juniors), Leonardo Franco (Atletico Madrid), Oscar Ustari (Independiente)
Defenders: Fabricio Coloccini (Deportivo Coruna), Roberto Ayala (Valencia), Gabriel Heinze (Manchester United), Juan Pablo Sorin (Villarreal), Gabriel Milito (Real Zaragoza), Nicolas Burdisso (Inter Milan), Leandro Cufre (AS Roma)
Midfielders: Lionel Scaloni (West Ham United), Esteban Cambiasso (Inter Milan), Javier Mascherano (Corinthians), Luis Gonzalez (Porto), Pablo Aimar (Valencia), Juan Roman Riquelme (Villarreal), Maximiliano Rodriguez (Atletico Madrid)
Forwards: Carlos Tevez (Corinthians), Hernan Crespo (Chelsea), Lionel Messi (Barcelona), Rodrigo Palacio (Boca Juniors), Javier Saviola (Sevilla), Julio Cruz (Inter Milan).