Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

Wallabies, Socceroo 高さ対策はいかがですか?

2006-06-11 | FIFA World Cup
昨日はワールドカップ2日目、これから約1ヶ月間に渡るイベントが始まったと言う実感が。昨日のトピックは何と言ってもトリニダードドバゴだ。おそらくドルトムントの競技場に詰め掛けたスウェーデンサポーター達は“自国のゴールシーンを何度見られるだろうか?”との胸算用をしていただろう。タイムアップの瞬間にベーンハッカー、トリニダードドバゴ監督がカリブ海から駆けつけたサポーターの集団に両手を挙げたシーン、そして選手達が勝ったかの様にピッチ上で折り重なって抱き合うシーンは、スポーツを愛するものを感動させただろう。サッカーのワールドカップはこれがあるからたまらない。この試合のヒーローは England Premier West Ham United 所属のベテランGKヒスロップ。そして同じくベテランMFのドワイト=ヨークの2人だ。1990年イタリア大会ではこの地区から初出場であったコスタリカがブラジルには敗れたものの、 Scotland そして Sweden を破って決勝トーナメントに進んだ。6月15日にニュルンベルグでの England vs Torinidad & Tobago が非常に楽しみとなった。

さてさて我が日本代表の初戦を明後日に控えて、更に更に日本国内ではオーストラリア分析が進んでいるが、今オーストラリアでは違った考察が行われているに違いない。今日6月11日、シドニー Telster Stadium では England 代表チームを迎えて Wallabies がテストマッチを行われる。このカードはサッカーで言えばワールドカップの決勝戦で実現するカードと言える。 Wallabies のJohn Connolly 監督はメンバーに Rocky=Elson, Daniel=Heenan, のフランカーを入れてロックの Nathan=Sharpe, Dan=Vickeman とのコンビネーションを完全にするとコメントしているらしい。この狙いは England 戦でラインアウトを制するのが目的との事。ここでも空中戦を制する事に重きを置かれている。
そして2003年のワールドカップ優勝者 England に対して Force Hooker のポジションにTai= McIssac プロップに Rodney Blake の起用が仄めかされているが、この2人は何と代表初選出。もし England 戦の出場となると大変な代表デビューとなる。 もはやサプライズ人事はサッカーだけではない、というよりも新人選出自身をサプライズ人事と表現するのがサプライズなのかもしれない。

しかし、Hiddinki 監督はもとより、John Connolly Wallabies 監督を含めてオーストラリアでどうやらSocceroo には空中戦での advantage は日本のマスコミが思っているほどは無いと思われている様だ。
6月9日付けの地元紙では Blue Samirai have capacity to soar when it matters ( Blue Samurai 達は必要時には上昇能力を持っている ) との見出しをつけている。ドイツ戦の日本はセットプレーからの空中戦で2失点を喫し、アーノルド・コーチを始め空中戦に活路を見出せると世論は言うが果たしてそれほど差があるのだろうか?と。 下記の様な比較表があった。

JAPAN’S DEFFENDERS BY WEIGHT AND HEIGHT
Teruyuki Moniwa 181cm 77kg
Yuichi Komano 171cm 71kg
Tsuneyasu Miyamoto 176cm 72kg
Koji Nakata 182cm 74kg
Alessandro Santos 178cm 69kg
Keisuke Tsuboi 179cm 67kg
Akihiro Kaji 175cm 67kg
Yuji Nakazawa 187cm 78kg
AUSTRALIA’S ATTACKERS BY WEIGHT AND HEIGHT
Mark Viduka 188cm 91kg
Harry Kewell 183cm 85kg
Tim Cahill 180cm 69kg
Marco Bresciano 182cm 73kg
Jason Culina 175cm 75kg
John Aloisi 188cm 83kg
Archie Thompson 171cm 70kg
Joshua Kennedy 192cm 82kg

Mark Viduka は188cm、そして最近話題になっている Dinamo Dresden ( 来季より 1FC Nurunberg ) の Joshua Kennedy の192cmを知る人が増えたが、 Kennedy がスタメンに名を連ねるとは考えにくい。中盤選手は一番の長身が Grella の 183cm で最も低いのが175cmの Culina 。しかし日本のDF陣は中澤が187cmで Viduka のマークには充分だ。それに新たに召集された茂庭が181cm そして仲田浩二が182cm だ。怪我が完治しスタメン起用が現実的になってきた Cahill のヘッドは文句なしに Socceroo の中では定評が高いが、彼は 180cm だ。 ならばGKの川口は180cmにも満たない( 公式発表は179cm ) だからもし“身長の優位をのみでアジア王者に対抗できると思っているのであれば。” 川口の“我々はこれまで数え切れないほど、こういった(身長で優る)チームを相手にしてきたが、もしその度に屈していたらここには(ワールドカップ)いない”というコメントを引用し、オーストラリア一般で唱えられている楽観論に警笛を鳴らしている。 しかし、上記の様に数字を出して解説をするところは日本のマスコミはしない事だ。いや、そこまで頭が無いのだろう。

そして先日、ロッテルダムで行われたオランダとの試合では強豪相手に 1-1 と引分けた。日本はドイツと引分けただけで、ベスト16間違いなしとか、金星に等しい、とかの見出しが躍り続けた。 オーストラリアでもそういった風潮はあるが、 Sydney Morning Herald 紙は この試合で明らかになったことが2つある。 GKにはシュヴァルツァーをそして Duke (ヴィドゥーカ)にはこれ以上PKを蹴らさない事だ。となかなかユーモアとペーソスの効いたコラムがあった。 善戦は結果だけであった、内容はGKシヴァルツァーの4度に渡るワールドクラスのセービングがあったからで、もしワールドカップ本番でPKを得たのならヴィドゥーカは遠慮をするべきだろうと。ウルグアイでのPK戦でもヴィドゥーカだけが決められなかった。 

試合前の分析やその分析内容はどうやらオーストラリアの方がリードしているといわざるを得ない。

FIFA World Cup 2006 開幕 頑張れ第三勢力 !!

2006-06-11 | FIFA World Cup
いよいよワールドカップが開幕した。経ってみれば4年間はあっという間に、と言う感が否めない。
開幕戦は地元ドイツが勝利で飾った。ホスト国の進撃がなければ大会も盛り上がらないので大会委員会としては安堵をしただろう。クリンスマン監督としてはバラックを欠きながらの4得点を挙げたFW陣に安心させられたか?それともコスタリカ相手に2失点を喫したDF陣を改善点と考えるのか?それにしても今大会の公式球はよく“跳ねる”というか“スピード”が出る。これはFKに advantage のある日本には吉報か? もう1つの Group A の試合ではエクアドルがポーランドを2-0 で破った。昔、大会初日は1試合のみで2日目から本格的に試合が始まったものだった。 今大会から前大会の優勝国が自動的に出場権を得ることが無くなったので、開幕戦はホスト国のドイツが登場する事になった。 我が日本代表の登場は大会4日目からだ。幸せな事にフランス大会から日本は連続出場してくれているので、昔と大会の見方が大きく変わった、いや更に面白くなったと言うべきだろう。70年代から大会の度に優勝候補の戦いぶりや知っている選手の動向を追っかけていたが、それと共にアジア代表を含む“ Third World “ 国の戦いぶりにも非常に興味をもっていた。アジア、アフリカ、北中米、オセアニアから出て来る国々と欧州、南米との差から日本の位置を測っていた。しかし、それはただ世界との隔たりを再認識させられるに過ぎなかった。1974年西ドイツ大会の予選で England が地区予選落ちをした時は下記の様なコメントがあった。

“ there were the usual justifiable grumbles about the failure to “ dezone “ the weaker Third World teams. This resulted in some second-grade footballing countries qualifying with comparative ease while considerable stronger European and South America teams eliminated one another. “

そこには“ dezone : 隔離された地域 “ 格の落ちる第三世界のチームはどうしようも出来ないと言う、まさにいつもの不平があった。二線級の国のいくつかは比較的容易に予選を勝ち抜け、一方注目に値する欧州や南米の列強の国々はお互いに“消しあわねば”ならない。 
そして下記の通りにも述べられている。

The Justification for these grievances was emphasized by the grossly unfair insistence that the winner of the European Group and one south American group must play-off for a single place.

その“苦情”を正当とする証拠は 欧州と南米の勝者で1つの出場枠を巡って Play Off を行わねばならないという酷くアンフェアーな主張によって強調された。

1974年大会予選ではチリがソ連とそして1978年大会ではハンガリーがボリビアと Play Off を行った。1974年大会はアジェンダ左翼政権をクーデターで倒した軍事政権下にあったチリにアジェンダ前政権を支持するソ連との試合となったが、軍事政権が政治犯収容所としてつかっていたのが首都サンチャゴの国立競技場。チリが興行的な事もありFIFAの指導にもかかわらず国立競技場での試合開催を譲らなかったのに対し、ソ連はその国立競技場での試合を拒否しモスクワでの試合を 0-0 となった後のチリのホームゲームを棄権し、チリの出場が決まったというエピソードも生まれる事に。 1982年のスペイン大会から総出場国数が16から24に拡大され、第三諸国にも出場枠が広がったが、それこそ当時の提唱者アベランジェ氏の狙いで、それらの地域の有権者からの票を集めて後にFIFAの会長に就任したのだった。
16年前のワールドカップイタリア大会北中米予選ではトリニダードドバゴはアメリカと激しく出場権を争う事に。最終戦、トリニダードドバゴは地元ポートオブスペインでのアメリカ戦で、しかも当日は建国記念日、勝点でリードしていたトリニダードドバゴは引分けてもイタリア大会出場が決まるところだった。そして政府の命令で観客全員がナショナルカラーである赤いシャツを着て競技場に詰め掛けた。試合は地力に優るトリニダードドバゴが徹頭徹尾攻めこむが、アメリカが当時ドイツでプレーするカリギウリがミドルシュートを決めて先制する。それでも攻め続けるトリニダードドバゴであったが、最後までゴールを割る事が出来ず、イタリア行きの切符を手に出来なかった。フィールド中央に集って感涙の号泣を続けるアメリカ選手に大観衆は罵声1つ浴びせることなくその後整然と競技場を後に。この観客に対してFIFAはフェアープレー賞を送った。私はこの試合のビデオを今でも持っている。しかし、これはFIFAが次回のホスト国であるアメリカを出させる為にメキシコを締め出した結果とも言われている。1985年ソ連で行われたFIFA U-20 大会で年齢詐称をした選手を起用したという理由で出場停止中であったが、その裁定が下ったのは大会後しばらくしてから。しかも後年ブラジルが参加資格の無い選手をユース大会で起用したのが発覚した時は“選手個人の問題で協会も騙されていた”と言う寛容な裁定とは大違いで、今でもFIFAの意図的な工作と思われている。その後大会総出場国はさらに32に拡大され、そのおかげで日本もワールドカップに出場できる事になった。今大会はアジア4、アフリカ5、北中米4、オセアニア1と合わせて14カ国の第三勢力が出場している。開幕戦のコスタリカに続いてGroup B の北中米代表国トリニダードドバコが今日スウェーデンと対戦する。北中米地区予選18試合、そしてバーレーンとの Play Off 2試合を経て初出場を決めた。チームの中心選手はオーストラリア Sydney FC というよりも A-League のスーパースター そして元 Manchester United の中心選手でもあったドワイト=ヨーク予選では12試合に出場した。そしてイングランド、コベントリーシティーでプレーする予選19試合出場12得点のエースのスターン=ジョン。DFでは Scotland Premier Rangers 所属の中村のライバル? マーヴィン=アンドリュースは18試合出場した。それから元横浜FCの中盤シルビオ=スパンもいる。 監督のレオ=ベーンハッカー氏はかつて Real Madrid そしてオランダ代表の監督も歴任し、地区最終予選で開幕3試合( 1-2 USA, 1-5 グアテマラ、0-0 コスタリカ)の後を受けて就任し、見事にチームを初めてのワールドカップに導いた。本大会1次リーグでは Sweden, England , Paraguay が相手で3戦全敗も考えられる厳しいグループだ。初戦のスウェーデンはFWイブラヒモビッチが192cm DFの3名, ルチッチ187cm メルベリ 185cm ニルション 185cm と北欧らしく長身揃いだが今大会のメンバーは Barcelona 所属の12年前の大会経験者FWラーション178cm Arsenal 所属のMF リュングベリ 175cm スベンション 177cm ヒルヘルムション 178cm リンデロート 176cm と上背の無いが多い。一方トリンダードドバゴのDFデニス=ローレンスは 201cm だ。GKは37歳のベテラン、ウェストハム所属のヒズロップがいるが、正GKはScotland Premier の Dundee United のケルビン=ジャックだ。しかし、スウェーデン代表監督のラガーベック氏はこの1962年に独立した北中米の国の資料が無いのではないかな?だがこのカリブ海に面した国にとってワールドカップ出場は建国以来2度目の大快挙だ。最初の快挙は1976年7月24日、モントリオール五輪男子100mでクロフォードが金メダルを勝ち取ったことだ。この種目での金メダリストは過去7カ国の選手(他には米国、南アフリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、ソ連、)しか勝ち取っていない。クロフォード(もし元気であれば)スタンドに座れば選手達を勇気付けるだろう。
頑張れ!! The Third World !!

TRINIDAD & TOBAGO
Goalkeepers: Kelvin Jack (Dundee/SCO), Shaka Hislop (West Ham United/ENG), Clayton Ince (Coventry City/ENG).
Defenders: Dennis Lawrence (Wrexham/ENG) Cyd Gray (CL Financial San Juan Jabloteh), Marvin Andrews (Glasgow Rangers/SCO), Brent Sancho (Gillingham/ENG), Ian Cox (Gillingham/ENG), Atiba Charles (W Connection), Avery John (New England Revolution/USA)

Midfielders: Silvio Spann (unattached), Chris Birchall (Port Vale/ENG), Aurtis Whitley (CL Financial San Juan Jabloteh), Anthony Wolfe (Jabloteh), Densill Theobald (Falkirk/SCO), Carlos Edwards (Luton Town/ENG), Dwight Yorke (Sydney FC/AUS), Russell Latapy (Falkirk/SCO).

Forward : Stern John (Coventry City/ENG), Kenwyne Jones (Southampton/ENG), Collin Samuel (Dundee United/SCO), Jason Scotland (St Johnstone/SCO), Cornell Glen (LA Galaxy/USA).