Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

女性の輝きは三十路から

2006-02-17 | 冬季五輪
大会7日目が終わったトリノ五輪。まだメダルは無い。一番狼狽しているのはテレビ局をはじめマスコミの連中だろう。だがそんな中、日本列島がマスコミの煽るメダル無しの狼狽に影響され話題にも上らないが大会4日目のクロスカントリー女子団体スプリントでは8位に入賞する快挙。これは本当に歴史的なことなのだが。冬場に北欧やオランダに訪れた事のある人は心当たりがあるだろう。日本で週末や早朝草野球が行われる光景が珍しく無い様に、北欧などでは朝、通勤、通学の為に人々が普通にスキーで雪道を行くのが、子供達が氷上でかけっこの様にスケートで競争に興じているのを目にする。日本が野球でフィンランドやノルウェーに負けることが考えられない様に、彼らはつい最近まで 複合競技 や スピードスケート で日本に負けることなど考えたことも無かった。あるオランダ人が言っていた”オランダで一番有名な日本人は誰だと思う?スピードスケートの SHIMIZU だ。”と、当人の主観も有るだろうが、(私は当時 フェイエノールト にいた小野伸二を期待したが。)日本では4年に1度オリンピックの時にしか話題にされない清水が当地ではスーパースターだ。また昨日は女子スケルトンで英国のシェリー=ラッドマンが銀メダルを勝ち取ったがこれは今大会英国初のメダル。これまで英国は通算10個の金メダルを冬季五輪で勝ち取っている。日本は8個。その8個を上回る英国が今大会これまでメダルが無かったとは信じられるかい?極東の日本が北欧やアルプス麓諸国とメダル争いをしかもルールを変えられてまで演じるなんてすごいことだとは誰も思わない様だ。大会4日目の スピードスケート 女子500m 岡崎朋美の4位は掲揚ものだ。特に1回目の滑走はスタートダッシュ、コーナーリングそして最後の直線の伸びで見事なスケーティングで3位に。2回目はラストの伸びが少し足らず1回目4位の任慧に逆転され僅かの差で4位に終わったが彼女の長野五輪銅メダルを含む3大会連続入賞は他に誰がいた?ボニー=ブレア ( USA ) スーザン=アオフ,モニク=ガルブレヒト ( ドイツ ) カリン=エンケ ( 東ドイツ ) ら4名 World Class ばかりではないか。私の専門である陸上競技の例を上げてみよう。持ちタイムはナンバーワン でも五輪や世界選手権では勝てない選手を山ほど見たが、欧州等で開催されるグランプリレースは1発勝負。五輪、世界選手権は予選、準決勝と勝ち抜かねばならない。こういう大会で好成績を収めるには総合的な体力や筋持久力的が必要だ。五輪のレースでは恐らくWorld Cup を含めた他の大会の2倍、3倍の体力、精神力が要されるのだろう。岡崎にはこういうもに対処する力が備わっていたのだろう。男子の加藤が6位に終わったのもなにか関係有るかもしれない。男子500mは1回目も2回目も上位3名は順番の違いこそあれ結果メダリストで占められ、1回目の4位が及川、2回目の4位は清水であった。だが日本勢のみでなく、今回の500m では他の候補も芳しくなかった。ウォーザースプーン は9位に終わり、オランダのヤン=ボスは11位、連覇を狙ったフィッツランドルフは12位。 女子でも優勝候補の王曼利は2位、もう一人の候補選手 マリアン=ティメル はフライングで失格に終わった。世界の世代交代は想像以上に早いのかもしれない。男女の500mを見て感じたのは韓国勢の台頭だ。男子は李カンソクが銅メダル。80年代後半黒岩彰の ライバル ペ=ギテ ( カルガリー五輪 5位)でも成し得なかった快挙だ。女子では リレハンメル 五輪5位のヨ=スンヒ 以来、李相花が岡崎に次いで5位に入ったが李カンソクは1回目アウトスタートの同走の選手にクロスするときにやや進路を塞がれ、李相花も最後のコーナーでバランスを少し崩し二人ともそれが無ければもっと上位に行けたかもしれない。また中国勢の躍進も目を見張る。特に女子は王曼利、任慧が2位、3位を占めた。かつて喬葉波と言う世界でもトップクラスの選手がおりアルベールビル五輪では銀メダルだった。男子も于鳳桐が加藤の上を行く5位に入った。アジアの中でも3番手に落ちはしないかと心配させられる。だがこの日の岡崎そして優勝したロシアのスベトラーナ ジュロワ(彼女も34歳)2位の王(32歳)を見て言いたい。女性は三十路から輝くと。(但しこれは嫌味に受け取られるかな??)