Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

2.10 日米対決から

2006-02-12 | 日本代表
2月10日 San Francisco Giants のホームグランドで行われたアメリカ代表とのテストマッチ。この 2-3 と言う結果に最も満足したのは米国農林省の牛肉輸出担当者(そんな担当者いればだけど)に違いない。米国産牛肉を輸入しない国は星条旗の制裁が下るのだと言いたいだろう。結果は1点差負けだけど、試合内容はもっと差がついていた。ただ米国は1月4日から始動を始めて昨日がAマッチ3戦目。米国のスタメンはChris=Klein 以外は29日のNorway 戦のスタメンでもスタメンで起用され、その Klein 自身も途中出場。日本は始動が1月29日。昨年の北朝鮮戦(2月9日)一昨年のオマーン戦(2月18日)の出来を考えれば今のコンディションは推して知るべし。試合開始から米国に押し捲られたのもまずはそこが原因だ。敵、味方のボールの反応や競り合いで後手を踏み続けたのがその苦戦の原因であった。開始5分までは日本も前線にボールが繋いだり加地がミドルを放ったりするが、以降は完全な米国のペース。11分 Dempsey の突破を三都須、加地が二人がかりでも止められずようやく ファウル で止めるしまつ。12分は Donovan の突破から、13分 Twellman のミドルと左サイドを突かれて、15分、今度は右サイドを突かれ クリアーボール を拾われてピンチを招く。両サイドをワイドに使われ空いた スペース に人が入り数的優位を保たれて防戦一方に。17分にはCKから Conrad のヘッドで合わされ、そのコースを Wolff が変える。最後は川口が神がかり的なセーブで凌ぐが、Conrad, Wolf 共にフリーにさせていた。19分にはDF Eddie=Pope の鋭いミドルが日本ゴールを襲うが川口の正面に。 Wolf, Pope 共に2000年のシドニー五輪で日本戦に出場している。21分には左からのスルーパスを受けた Twellman が22分にはCK から Pope がそれぞれ フリー で打たれるが奇跡的にゴールネットは揺さぶられなかった。しかし 23分、左からDunivant に ロングボール を入れられ Twellman が頭で落としてそのこぼれ球を拾った Pope がシュート。美技を連発していた川口もこれは止められずついに米国にゴールを破られる。米国はロングボールも正確で、ボールを受ける選手だけでなくその周囲のフォローも早く日本は ボール に触れない。その起点になるのはエースの Landon=Donovan 。前回のワールドカップでも非凡な所を見せ、 Bundesliga に渡ったがそこでは活躍できず現在は韓国の洪明甫も在籍した Los Angels Galaxy でプレーするが、海外組が増える中、今でも Donovan は米国代表の重鎮である。シドニー五輪の日本戦でも途中出場をした。27分には Donovan のFKから Conrad に、30分にも Donovan の右からの突破から Dunviant にシュートを撃たれてしまう。右に、左に現れる Donovan を日本DFも捕らえられない。また Donovan だけでなく Noonan Dunivant らの左サイド突破も顕著になってくる。そして38分に追加点を奪われる。Dunivant に左からのロングを Wollf, Dempsey, Twellman と繋がれ再び フリーの Dempsey に。そのまま Dempsey は難なく日本ゴールに蹴り込んだ。ここでもマークが不十分な為 ペナルティーエリア 内で良い様にボールを回された。その失点直前にも Dunivant にクロスを入れられ川口がキャッチしたが、ペナルティーエリア 内には米国選手が4人もいた。2点目直後も Dunivant のサイド突破から繋がれた Twellman に粘られ最後は Wolff に撃たれる。両サイドを制圧され、エース Donovan を自由にさせるので突破の糸口を掴めない。ようやく40分を過ぎて福西がやや中の スペース に切れ込み ボール が繋がるようになる。42分は福西が左サイドをドリブルで上がって コーナー を取るがこれが最初のCK。45分には小野が起点になり三都須に繋がるが最後は久保に届かなかった。 Zico 監督は後半から遠藤、久保を下げて巻、佐藤を入れて2トップに。そしてトップ下には小笠原を配して小野を ボランチ に システム 変更。1トップの久保は防戦一方の展開でボールを貰えずアピールの場も無かったのではないか?前線の枚数を増やして挽回を計るが、49分 Donovan のCK から 中澤のマークを振り切ったTwellman に3点目を入れられる。野球場での試合でピッチの状態が非常に滑りやすく日本選手は何度も足を取られ、足技の技術に優る日本には不利なピッチではあったが、ここでも中澤は足を取られた様であった。Twellman は先の Norway 戦の ハットトリック に続きここ4試合で4得点目。選手層の厚い米国FW争いに一躍名乗りを挙げることに。3点目後も53分に Dunivant が、54分には CK から Pope に連続して シュート を撃たれる。Zico は阿部、長谷部を投入。前線に巻、佐藤と ターゲット が2枚になり、長谷部の効果的な ドリブル が効き出しようやく ボール が繋がるように。そして60分三都須から右の小野に繋がりさらに右サイドを上がった加地に。加地の粘り強い ボールキープ から最後は巻の頭に合わせて2006年最初のゴールが生まれた。見逃せないのは相手DFを引き付けた佐藤の囮となった動き。これも2トップの効果。前半は ボール が取れても両サイドが押し込まれて後方に残され前線に出て来る枚数が少なく ボール が出せなかったがようやく中盤でボールが繋がり、前線に出るようになった。。67分 本山が小野に替わって投入される。小野もこういう展開で攻撃的な展開で ボール に絡めなかったが得点は彼の展開から。本山の投入で思い出されるのはシドニー五輪のアメリカ戦。延長に入り ドリブル の得意な本山はいつ投入されるかと思われたが、トルシエ は動かず、そしてPK戦で散った。本山の ドリブル は疲れの見え出した米国中盤に影響を与える。そして左から三都須の上がりがようやく出て来る。70分には小笠原のミドル、ペナルティーエリア内で佐藤、三都須が ワンツー で抜け出しあわやという展開が見られる。 Bruce Arena 監督も多くの選手をテストすべく交代 カード を切る。55分には次代を担うFWと言われる Edo=Johonson, 67分には MLS の ハワイ 出身選手 Brian = Ching 69分は Ben=Oresen が投入されるが、下がった選手が Wollf, Twellman, Dempsey と見せ場を造った選手達であったことも有り、日本が主導権を握る。73分には三都須のドリブルから阿部がミドルを。そしてCKから中澤が惜しいヘッドを放つ。何とか2点目をと願うがネットを揺らせない。ロスタイムに入り長谷部の スルー から巻が撃つが GK Hartman が コーナー に逃れる。そしてそのコーナーから中澤が足で押し込み1点差に迫った。中澤はこの日の日本代表の出場選手で唯一 シドニー 五輪のアメリカ戦に出場した選手だ。中澤の ゴール に日本からの応援ツアーに参加したサポーターそして在留邦人から大歓声があがる。彼らの為にもあと1点と思うもそのまま タイムアップ。今年の代表は黒星スタートとなった。やはりアメリカは進化している。コンディション の違いこそあれ個々の スキル、クロス、ロングフィードの正確さ。それに全体のバランスの保ちかた、従来日本がせねばならない事を反対しされてしまった。中澤のロスタイムでの2点目は Zico Japan の良き特色であるが、これが親善試合で無く、アメリカが逃げ切りに入っていれば生まれたかどうか? アメリカ戦を仮想オーストラリアと見たらしいが、スピード、バランス、規律はアメリカが上かもしれない。個々のスキルは Australia が上だろうが。この試合、Socceroo の Hiddink監督はどう分析するだろう?日本代表は2月にはあと2試合残っている。この結果よりも内容を問われるのはあと何試合あるのだろう。