歩く・見る・食べる・そして少し考える・・・

近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

「谷中の長七?」と「ガレージセールス」そして円楽

2007年09月03日 | 東京の風景
昨日の続きです。

金ピカ観音の全生庵を出て、三崎坂をぶらぶら下りながら、通りの向こうを眺めると、古い煤けた色の建物に「面白い物」を見つけました。


雨戸の戸袋に「細工」がしてあるのです。「鏝(コテ)絵」のようです。外壁の材質はモルタルです。


普通は漆喰の壁に「細工」するのですが、左官屋の「遊び」で鏝絵を描いたのでしょう。

もしや?「伊豆の長八」の流れを汲む「谷中の長七」の仕事か? 何チャッテ冗談です。

鋭い「眼」と「くちばし」は鷹の様に見えますが、胴体や翼の部分はかなり抽象的な表現になっています。なかなかケッコウな趣向です。


角の店で見つけた「圓朝まつり」のポスターです。

落語会は8月18日開催で、もうとっくに終わっています。出演者は当然、三遊亭圓朝の流れを汲む人達です。

好楽、円橘、鳳楽、三人とも「三遊亭円楽」の弟子です。円楽には「文化人」を目指していたような「節」があり、ある意味で「圓朝」に近いタイプの落語家でした。最近引退したようなので過去形です。

ポスターの店を右に曲がります。この路地も始めて歩きます。

曲がると直ぐに煉瓦塀と、赤茶けた錆びに被われた門扉。その先の塀は「大谷石」、このバラバラ感も「味わい」です。


バラバラ塀の向かいには、「丸安商店」です。

商店とは云っても、入り口から玄関までの「地べた」に、品物を並べて置いてあるだけの簡易店舗です。これって、谷中版「ガレージセールス?」

商っているのは「穀類」です。全て「ハカリ売り」と云うのも「新しい?」です。

商品が「硬い」穀物ですから「堅い」商いです、店主もきっと「堅物」なのでしょう。裸電球の灯る薄暗い「店内」には、人の気配はありませんでした。

人通りの少ない路地で、多分「長年?」商いを続けている訳ですから、それなりに利益は出ているのでしょう。

これは、なかなか素晴らしい!

緑の蔦が、水色の「トタン板」に映えます。トタン板が「青い大空」に見えます。

路地の視界が急に広がり、「広場」が出現しました。ゴチャゴチャと込み入った谷中に、スッキリ、広々と開けた空間があったのです。

門、柵、タイル、ベンチ、案内板、どれも新しいです。一年も経っていない様子です。

遠くに見える「寄棟造」の大きな屋根が、全生庵の本堂です。木の間から僅かに金ピカ観音が見えます。

元は何があったのでしょうか? こんな処に、こんな広場を造ってしまう東京都はスゴイです。

広場の名前は「防災広場 初音の森」とありました。この名称で調べてみたら判りました。

広場は今年の7月9日のオープンでした。出来立てのホヤホヤです。以前にはゴルフ練習場があったのです。

国、都、区の三者で建設されたようです。東京都だけでは有りませんでした。検索しているときに、面白い?貴重な?写真を見つけました。


左から二番目の紳士が、参議院議員の「保坂さんぞう氏」です。オープニングセレモニーに来賓で出席したのです。

この日から20日後に、参議院議員のバッチを失うのです。これまで全てトップ当選をしていたのに、この時、そんな事になるとは夢にも思わなかったでしょう。

政界は「一寸先は闇」だったのです。

話しが逸れてしまいました。


谷中の街、もう少し歩きます。


それでは、また明日。 




コメント
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