鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

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お気に入りその1854~鬼平犯科帳パート114

2019-11-11 12:36:16 | 鬼平
今回のお気に入りは、鬼平犯科帳パート114です。

大のお気に入りの鬼平犯科帳。
今回は第9巻です。

「雨引の文五郎」
ひとりばたらきの本格派、雨引の文五郎が登場します。
隙間風という異名が格好良いですね。
技を極め、筋を通す男には平蔵だけでなく読者も惚れます。

「鯉肝のお里」
ドラマでは実現しなかった五郎蔵とおまさが夫婦になる話です。
本人たちも驚く展開に、彦十があわてて平蔵に報告しますが、平蔵はニヤリ。
まんまと平蔵の策がハマったのでした。
おまさを思いやる平蔵の心憎い采配です。

「泥亀」
現役時でさえ盗人宿の番人くらいしか役に立たなかった鈍な男が登場します。
当時のお頭が亡くなり、妻子が苦労していることを知り、ひとりばたらきで大金を作って届けようとします。
痔の痛みに苦しみつつただやみくもに歩き回る不器用な男。
その様子を、逐次密偵が平蔵に報告します。
平蔵は別の盗賊が所持していた50両を男に持たせる心憎い采配をします。
また病んだ老密偵に無理を頼んだ際は、寝込んだ密偵のために御殿医を呼び、密偵たちを感動させます。
人というものはこういう場面で感謝し、感動するもので、その気持ちから“この人のためならたとえ火の中、水の中”という気持ちが生じるものと改めて学びました。

「本門寺暮雪」
のちに平蔵の愛犬となる柴犬クマとの出会いが描かれています。
凄い男と平蔵が斬り合う場面は迫力満点です。

「浅草・鳥越橋」
お頭を裏切り、仲間をだまし、小細工の末、身を滅ぼす盗賊。
まさに因果応報。
その身勝手な行いにより報いを受けたのでした。
気を付けましょう。

「白い粉」
恋女房を無事返してほしくば平蔵に毒を盛れ。
ばくち好きのため追い詰められた料理人。
ラストで遠島の刑に処せられた夫について聞かれた妻はキッパリ答えます。
「長官には申し訳ございませんが、私のために行ったことゆえ、うれしく思います」
確かに女性ってこういうところでしっかり割り切りますね。

「狐雨」


平蔵の情の深さを感じる話が多い巻でした。
冷えた体のまま張り込みに戻ろうとする粂八に「酒でも一杯ひっかけて温めていけ」と労をねぎらう一言を発し久栄に用意させるという小さな場面では、粂八だけでなく読者の心も温めました。
たった一言の大切さ・・・勉強になります。


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