New Alfa Romeo Spider

　小生の年代にとっては常に気になる存在の車であり続けるアルファ・ロメオ。かってのジュリエッタのような女性的な柔らかいボディー・フォルムはもう戻らないものの、一時の最悪のデザインからは随分と良くなってきました。１２年ぶりのモデル・チェンジとなる新しいスパイダーなかなか美しいです。いわゆる車が乗り手を選ぶというか、チョイ悪を気取って車に似合う乗り手も重要ですね。
　
　ところでアルファのエンブレムはマニア垂涎の家紋のようなクラシカルなデザインですね。アルファロメオの前身はロンバルディア自動車製造会社（Anonima Lombarda Fabbrica Automobil）の頭文字をとって「ALFA」に社名変更され誕生しました。十字架と蛇のエンブレムは、この年から使われているといわれています。その後、軍需工場を営んでいたニコラ・ロメオが買収し、彼の名前のはいった現在のアルファロメオ社となりました。赤い十字架はアルファロメオ社の本拠地ミラノ市の紋章で十字軍を意味しています。あと半分の「大蛇」はミラノ市の貴族、ビスコンティ家の紋章「人を喰う四つ巻きの大蛇」をディフォルメしたものです。つまり蛇の口から出ている赤いものは舌や炎ではなく食べられている人間ということになります。



アルファのスパイダーと言えば、そのスタイルが一番良かった頃の映画『卒業』が頭に浮かびますね。ダスティン・ホフマンの駆るアルファロメオ・スパイダーは格好良かった。エレーンが結婚式をあげる教会を目指している途中の肝心なところでアルファのせいではありませんがガス欠で動かなくなってしまいます。そして有名な最後のシーンでは花嫁をさらってバスで逃走します。この卒業の後日談となるパロディＣＭがあります。娘の結婚式にアウディＡ６で乗り込んでちょうど母の時のように娘を連れ去るダスティン・ホフマン。なぜ娘の結婚式に親が出席していないんだなんて細かいことを考えてはいけません。