私がこのアルバムを初めて聴いたのは大学生だった70年代前半だ。だから当時からすると10年程前の録音ということになる。まずこの渋いジャケット・デザインにまいってしまった。ヴィレッジ・ヴァンガードというクラブの名前を知ったのもこの頃のことだ。夜に灯りを消してこのアルバムを聴くと、グラスの氷の音やざわついた声が混ざったそこはもうヴィレッジ・ヴァンガードの空間というわけだ。こんな雰囲気のなかで静かに燃える恋心を唄った曲をこんな自分の世界に浸って演奏できるビル・エバンスとは只者ではないと思ったわけだ。このアルバムは1961年6月25日の日曜日の録音だが、10日後にスコット・ラファロは自動車事故死することになる。世の中ではケネディーが大統領になって人類を月に送ることを目指すと演説した頃である。
The night is like a lovely tune, beware my foolish heart!
How white the ever constant moon, take care, my foolish heart!
There's a line between love and fascination,
That's hard to see on an evening such as this,
For they give the very same sensation.
When you are lost in the passion of a kiss.
Your lips are much too close to mine, beware my foolish heart!
But should our eager lips combine, then let the fire start.
For this time it isn't fascination, or a dream that will fade and fall apart,
It's love this time, it's love, my foolish heart!
ビルエバンスの生前の演奏の映像は色々とあるのだが、やはり二度とない演奏と思えるスコット・ラファエロを含むトリオのよるレコード演奏をどうぞ。
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