goo blog サービス終了のお知らせ 

魔法の絨毯 -美術館めぐりとスケッチ旅行-

 世界をスケッチ旅行してまわりたい絵描きの卵の備忘録と雑記

ギリシャ神話あれこれ:カリュドンの猪狩り(続)

2008-01-17 | 僕は王様
 
 勇士らは、猛り狂って突進してくる巨大な野猪めがけて、てんでに槍を投げつける。が、ことごとく的をたがい、却って暴怒する野猪に翻弄される始末。
 そこに、アタランテが矢を番え、ハッシと射かけると、矢は野猪の耳の後ろ深く突き刺さる。ここぞとばかり、メレアグロスが槍を投げ、野猪の背を貫く。

 とどめを刺したメレアグロスは、猪の皮を剥ぎ、その首とともにアタランテに差し出す。……強く勇敢な乙女よ、一番槍(弓だけど)の誉れはあなたのものだ、これを褒美として受け取ってくれるよう、と。
 これには一同、不服の声を上げる。なかでもメレアグロスの伯父たちは、甥が自分の手柄を譲るなら、その名誉は当然、王の義弟である自分たちのものであるべきだ、と騒ぎ立て、アタランテから猪の首と毛皮を奪い取ろうとする。

 この暴虐にプチ切れるメレアグロス。ほざけ、糞爺い! と、彼は激情に任せて、横暴な伯父たちを切り殺してしまう。

 さて、兄たちの死の悲報を聞いた、メレアグロスの母アルタイアは、兄たちを殺した息子に対して、俄かに激しい怒りに取り憑かれる。不意に彼女は、戸棚の奥にしまい込んであった、あの運命の薪を取り出すと、冥府で死者に詫びるがよい! と、炉の火のなかへと放り込んでしまう。

 火はあっという間に薪を燃やし尽くした。狩猟の勝利の後、群集の歓呼に応えていたメレアグロスは、突然、身体に激痛が走ったかと思うと、火に焼かれるような訳の分からぬ痛みに覆われ、やがて気を失って倒れたまま、事切れる。
 こうして、英雄メレアグロスは、母の呪いによって呆っ気なく死んでしまう。

 事の顛末を知ったオイネウス王は、二度と這い上がれない悲嘆の底に沈む。我に返ったアルタイアは、悔恨の自刃。クレオパトラも、夫メレアグロスの後を追って自刃する。
 ここまで来て、ようやく満足したアルテミス神は、憐れ心を催して、嘆き悲しむメレアグロスの妹メラニッペたちを、もうこれ以上悲しまずに済むよう、ほろほろ鳥に変えてやったという。
 女神、怖。

 画像は、ルーベンス「メレアグロスとアタランテ」。
  ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens, 1577-1640, Flemish)

     Previous

     Bear's Paw -ギリシャ神話あれこれ-


最新の画像もっと見る