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ギリシャ神話あれこれ:心の愛(続々々々々)

 
 プシュケはステュクスの川の渡し守カロンに銅貨一枚を受け取らせ、彼の舟に乗ってステュクスの流れを渡る。さらに、冥王の宮殿の門を守る番犬ケルベロスに、ソップという蜂蜜入りのお菓子を投げ与えて眠らせ、門を通り抜ける。
 宮殿に着くと、ペルセフォネはプシュケに豪奢なご馳走を勧めるが、これも塔の言葉を守って一つも口をつけずに、無事、小箱を手に入れる。
 
 帰りも同様に、ケルベロスにお菓子を投げ与えて門を抜け、カロンに銅貨を受け取らせて川を渡って、さて、ここで、ようやくエロスに会えると安堵したプシュケ。ふと、やつれた我が身を悲しく感じた彼女は、「美」の誘惑に抗えなくなる。
 で、決して小箱の中身を見てはならない、という塔の言葉を忘れて、つい箱を開いてしまった。

 と、小箱のなかから霧が立ちのぼり、プシュケを取り巻く。プシュケはその場にパタリと倒れ伏し、そのまま昏々と眠り始める。

 が、そのとき、傷の癒えたエロス神が飛んで来て、プシュケに取り付いた「眠り」を小箱に戻す。眼を醒ましたプシュケに、エロスは、母から言い付かった仕事を片付けてしまいなさい、と言うと、自分はゼウスのもとへと向かい、ゼウスに訴えて、母アフロディテの許しを得る。
 アフロディテの試練(と言うより、嫁いびり)を乗り越えたプシュケは、エロスに伴われ、神々の列に加わる。改めてエロスと結ばれたプシュケの背中からは、蝶のような翼が生えてくる。

 そして、エロス(性愛)とプシュケ(心)のあいだには、娘ウォルプタス(喜び)が産まれる。
 これでめでたくハッピー・エンド。

 画像は、ブーグロー「プシュケとクピド」。
  ウィリアム・アドルフ・ブーグロー
   (William Adolphe Bouguereau, 1825-1905, French)


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