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ギリシャ神話あれこれ:心の愛(続々々々)

 
 ますます腹を煮え繰り返らせて、アフロディテは今度は、生命の泉の水を汲んでくるよう命じる。泉は断崖絶壁の山の頂の洞窟にあり、怖ろしい竜が住んでいるという。
 が、またもやプシュケが途方にくれていると、どこからともなくゼウスの大鷲が現われ、プシュケが手にした瓶を奪って、難なくそれに水を汲んできてくれた。

 性悪なアフロディテは、とうとう、これでもかとの嫁いびりの最後に、冥府に赴いて、ペルセフォネから「美」の入った小箱を貰ってくるよう命じる。

 未だ冥府には、生きた人間が足を踏み入れた例がない。冥府への行き方すら分からないプシュケは、冥界は死者の行き着ける世界と考え、川岸の塔から身を投げようとする。
 そのとき、塔自身がそれを制して、冥界へと続く洞窟を場所を教えてくれる。
 
 プシュケは塔の助言どおり、手のなかにお菓子二つと銅貨二枚を握って、洞窟から冥界へと降りてゆく。途中、亡者たちが手を貸してくれと頼んでくるが、手のなかに持ったものを失ってしまうため絶対に差し伸べてはならない、という塔の言葉を忠実に守り、亡者たちを無視して先へと進む。
 ……死者に(同様に、死んだも同然に生き長らえ、ただ生活しているだけの生者にも)手を差し伸べても、無駄に彼らの道連れとなるだけなのだ。

 To be continued...

 画像は、ウォーターハウス「黄金の小箱を開けるプシュケ」。
  ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス
   (John William Waterhouse, 1849-1917, British)


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