





私にはイタリア絵画がよく分からない。何が分からないのかも、よく分からない。それが私のせいなのか、それともイタリア絵画のせいなのか、それも分からない。
でも、ま、多分、相性が悪いんだろうな。じっくり観ていても、絵が語りかけてきてくれない。だから、絵の世界に入ることができない。だから、楽しくない。
母がイタリア贔屓のせいで、母の影響下、私もイタリア絵画にだって一応触れてはきた。ダ・ヴィンチが来れば、わざわざ観に行った。
最近じゃ、豊田の「ヴァチカン美術館蔵品による美術のなかの動物表現展」で「聖ヒエロニムス」を、それから名古屋の「チャルトリスキ・コレクション展」で「白貂を抱く貴婦人」を観たっけ。……どちらも大した絵。それは分かる。が、ただそれだけ。
集中的に観てないからかも、と、図書館で、イタリア絵画の画集ばかりめくったりもした。絵画史の知識が欠けているせいかも、と、絵にそれぞれ解説の載っている通史を読んでみたりもした。それも、学生の頃の癖で、広告の裏にノートを取りながら。
で、通史を読んでみて分かったのだった。私にとってイタリア絵画とは、「魚の頭と尻尾は猫にくれてやれ」という、値動きを魚に見立てた投資格言のごとく、猫にくれてやるべき絵画の頭の部分なのだ。
ちなみに、尻尾の部分は現代抽象絵画で、こちらも私にはちんぷんかんぷん。
それでもときどきイタリア絵画を観ることにしている。いずれイタリアにも行ってみよう。いつか、何かが分かるかも知れない、と期待しつつ……
どれだけ観たって、今のところ、なにも分からないままではあるんだけれど。
画像は、F.グアルディ「ヴェニス、サンタ・マリア・デッラ・サルータ教会」。
フランチェスコ・グアルディ(Francesco Guardi, 1712-ca.1793, Italian)
他、左から、
ヴェネト「女の肖像」
バルトロメオ・ヴェネト(Bartolomeo Veneto, ca.1470-1531, Italian)
ヴェッキオ「金髪の女」
パルマ・ヴェッキオ(Palma Vecchio, ca.1480-1528, Italian)
ピオンボ「ピエタ」
セバスティアーノ・デル・ピオンボ
(Sebastiano del Piombo, ca.1485-1547, Italian)
ブルサソルチ「水浴するバテシバ」
ドメニコ・ブルサソルチ(Domenico Brusasorci, 1516-1567, Italian)
B.ストロッツィ「眠る子供」
ベルナルド・ストロッツィ(Bernardo Strozzi, 1581-ca.1644, Italian)
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