ラインの古城たち

 
 リューデスハイムの船着場から遊覧船に乗り込む。わーい、お船だ、お船だーッ。
 ドイツ人たちも乗ってくる。この日は雨が降り、風もまた吹いていて、フランクフルトのときとは打って変わった寒さ。みんな、しっかりコートを着込んでいる。ドイツの人々は季節に関わりなく、暑ければ夏の格好をし、寒ければ冬の格好をするみたい。
「そりゃ、ドイツ人は合理的だからねえ」と相棒。彼はこの、ドイツの合理性が好きなのだ。

 ガラスの大窓が張ってある船内はレストランになっていて、ここで食事を取ることができる。寒いので、みんな当然のように席に着く。ゆっくりと座って、食べたり飲んだりしながら、窓辺を過ぎ行くライン川の景色を見るのが、ラインの船旅の醍醐味らしい。
 が。まあやっぱり、私たちには優雅なランチなんて似合わないということで、デッキに出る。案の定、デッキの上には、酔狂な東洋人が二人だけ。

 蛇行しながら悠然と流れるライン川の両岸は、急な斜面にどこまでも広がるブドウ畑で、そこに古城や小さな町々が点在する。船はライン両岸の町々に、ギザギザと交互に泊まりながら川を下ってゆく。
 ライン川には橋が架かっておらず、対岸の町へは船で行き来するしかない。そして、両岸にそれぞれ鉄道が走っている。安易に橋を架けてしまわないところが立派。日本には真似できまい。

 ブドウの葉はまだ芽吹いていないけれど、そんな船旅はロマンティックに違いない。こんなにも寒くさえなければ。

 To be continued...

 画像は、シュターレック城。

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