チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

第199話 エーデルワイス

2016年06月18日 | チエちゃん
ジュンコ先生は、ボーイッシュで、体操選手のように筋肉質な引き締まった体型の体育の先生です。
準備体操を終えたチエちゃんたちに号令をかけました。

ハイ!みんな集まってー!

体育座りをしたチエちゃんたちに向かい、

え~、今日から新しいダンスをします!
みんな覚えてね

体育の授業は女子だけにダンスの時間があったのです。
まじめにダンスをするのはちょっと恥ずかしく、誰もが仕方なくやっているという感じでした。
そのダンスというのは、フォークダンスでもなく、自分たちで創る創作ダンスでもなく、今までやったことのないものです。
それに、男役と女役があります。
動きを覚えるまでは先生の1,2,3,4、という号令でしたが、全員がマスターすると、

それじゃ、音楽に合わせて踊ってみましょう

テープレコーダーから流れてきた曲は、

♪エーデルワイス、エーデルワイス・・・・

音楽に合わせて踊ると、それはなんとも優雅なワルツだったのです。


時は流れ・・・・
チエちゃんはTVの洋画劇場でジュリー・アンドリュース主演「サウンド・オブ・ミュージック」を観ていました。

トラップ邸で開かれた舞踏会。
ゲオルク大佐と子どもたちの家庭教師マリア(ジュリー・アンドリュース)が、テラスで2人だけで踊るシーン。
2人は惹かれあっていることを意識します。

チエちゃんは、すぐに気づきました。
このダンスは、あの時、ジュンコ先生に習ったダンス・・・
曲は「エーデルワイス」じゃないけれど、間違いない。

ロマンチックとは無関係と思っていたジュンコ先生が、実はオトメチックな人だったんだと、その時驚きと共に理解したのでした。


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