ハイ!みんなぁ~! 写真撮るよ~
こっち見て~ 摂るよ、撮るよ、撮るよ~
パシャ!
きぬだ。 いつの間にか場を仕切っている。
きぬ:私ね、職場ではお局様だから、若い子たちに相談受けること多いんだよ。
それとね、この前、フォークリフトの免許取ったんだ!
私の職種には関係ないけど、挑戦するの好きなんだよね~
男子に交じって取っちゃった!
あたし、がんばってるんだよねぇ~
ユミコ:へ~ぇ、すご~い!
きぬ:お休みの日には娘とよくランチするの。
ケイコ:ふ~ん。娘さんと、仲いいんだね。旦那さんは?
きぬ:旦那は留守番。でも、旦那の分のご飯は作るよ。ご飯はちゃんと与えてるから・・・
チエ:(与える? 与えるって・・・犬や猫じゃないんだから!?)
きぬ:あたしたち、仮面夫婦なんだよね。
私ね、子どものために離婚は絶対にしないと誓ったの。
子どものために、がんばることにした。
ユミコ:・・・
ケイコ:・・・
きぬ:明日ね、娘がマラソン大会に出るから、私、明日の朝速攻で帰るわ。
お昼までに帰れば応援できるから。
正直、驚いた。
子どもの頃はおとなしかった彼女が、キッパリとこんなことを言うなんて・・・
きぬ、それは違うよ。
私なら、夫とうまくいかなくなったら、子どものためにも我慢なんてしない。
夫婦間がぎくしゃくすれば、家庭は壊れていく。
そんな中での子育ては無理だと思う。
それに、いくら仲が良い母娘でも、子どもはいつか巣立ってゆく。
また、そうでなければならない。
その後、支え合う相手がいなければ、さびしいよ。
でも、あなたの選択を他人がどうこう言うべきではないものね。
どうぞ、あなたの今後の人生がすばらしいものとなりますよう祈ります。
つづく