福島県福島市在住@チエちゃんです
2011年3月11日(金)
「ボブ!おいで! こっちにおいで!」
何度呼びかけても、彼は動こうとしなかった。
私たちは、そのままにして置くことにした。
その後、私たちは地震発生時の様子を互いに教え合った。
その間も、頻繁に大小の余震が襲う。
その度に、私は緊張を強いられた。
しばらくして、日が暮れかけていることに気付いた。
そうだ! 停電だ。電気製品は使えない。何とかしなければ・・・
反射式石油ストーブを捨ててしまおうというヒロシに、日頃から私は口を酸っぱくして言っていた。
暖房器具をすべて電化製品にしては、ダメだと。
何かあった時のために、反射式ストーブは絶対に取っておくべきだと。
けれども、その反射式石油ストーブでさえ、文明の利器だ。
灯油が無ければ、使えない。
私は、灯油が残り少ないことを思い出していた。(週末に買いに行く予定だった)
ストーブを引っ張り出し、ケトルをのせて、湯を沸かすことにした。
この時点で、我が家はまだ水が出ていたので助かった。
ヒロシが、ろうそくを出してきた。
襖の滑りが悪くなったので、半年ほど前100円ショップで買い求めたもので、10本残っていた。
17時頃、長男が帰ってきた。よかった。無事だった。
私たちは情報を得ようと、携帯のワンセグを見ることにした。
勤務先で避難していた時、すでに津波警報が出ていることは知っていた。
被害の状況は?
ワンセグに映し出された光景は・・・
濁流が車を、家々を、船を押し流していた。凄まじい映像だった。
その8へ つづく