チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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第4話 さんま 苦いか、しょっぱいか!

2006年10月28日 | チエちゃん
 秋に獲れる刀のような魚と書いて、さんま。
現在さんまは、旬の時で1尾100円前後でしょうか?
出始めの時は、1尾300円~500円ぐらいすることもありますよね。
とんだ、高級魚の仲間入りです。

 あの頃、さんまはバケツ1杯(そして、い~っぱい)10円と言われた時代がありました。(これは、チエちゃんの記憶なので、正確なところは?)
もちろん、今の物価とはずいぶん違っています。
高卒程度の初任給が10,000円だった頃ですから、その15倍~20倍といったところでしょうか。とすれば、
バケツ1杯のさんまは、150円~200円ということになります。
1杯には、20尾前後のさんまが入っていました。

 その頃は、とにかく、さんまが豊漁で需要より供給の方が高く、売れないまま何トンも処分されたというニュースが流れたほどです。

 こんなことでしたから、チエちゃん家ではさんまを買ってくると、さんま、さんま、さんまの日が3~4日続きました。
 最初の日は塩焼きにして食べ、残りは生姜で臭みを消し、甘辛く煮付けにしました。なにしろ、冷蔵庫のない時代でした。

 チエちゃんは、初日の塩焼きはおいしくいただきます。そんなとき、みぃもご相伴にあずかったことは言うまでもありません。
でも、生姜煮の方は1度お箸をつければ、あとはもうご免でした。
家族中の皆が飽きてしまっても、最後までさんまを食べていたのはお母さんです。

 でも、お母さんは、特別にさんまが好物と言う事ではありません。食べ物が勿体ないからです。子供の頃、戦争で思うように食べる事ができなかった経験がそうさせるのです。
 そして、それは嫁であるお母さんの務めでもありました。

 さあ~て、今夜はさんまでも焼こうかなあ~。