2004年作品。高名なCMプランナー多田琢とディレクター関口現のコンビによる変則オムニバスもの。作者の広範囲な人脈を利用してか、浅野忠信や三浦友和、阿部寛、千葉真一、ヴィニー・ジョーンズといった豪華なキャストを集めている。
内容としては、何度殺して埋めてもその度により凶暴になって蘇ってくる妻の話や、催眠術をかけられて自分を鳥だと思い込んでしまった中年サラリーマンとか、3人組のホモの窃盗団がスクリーン上をウロウロするエピソードなど、まあ“思い付き”のレベルを出ないシロモノばかり。
確かにサイケデリックな色彩感覚とセンス満点の選曲は認めたいし、岸部一徳のお笑い演技や橋本麗香のコスプレなど面白いシーンもあるのだが、演出タッチは“数十秒の作品”であるCMと一緒。いくらその範囲で良い仕事をしていようが、同じ方法論で2時間の上映時間を保たせられるはずもない。5つの話をラストに強引にまとめようとしているのも“いらぬ御世話”でしかなく、かえってストーリーのテンポを遅くしているだけだ。
小泉今日子扮する傲慢なCMディレクターの扱いに至っては“ちょっと自分達の立場を反省してみました(本当はしていない)”という慇懃無礼なポーズが鼻について実に不愉快。CM屋の奇をてらったお遊びに付き合わされた観客こそいい面の皮である。
内容としては、何度殺して埋めてもその度により凶暴になって蘇ってくる妻の話や、催眠術をかけられて自分を鳥だと思い込んでしまった中年サラリーマンとか、3人組のホモの窃盗団がスクリーン上をウロウロするエピソードなど、まあ“思い付き”のレベルを出ないシロモノばかり。
確かにサイケデリックな色彩感覚とセンス満点の選曲は認めたいし、岸部一徳のお笑い演技や橋本麗香のコスプレなど面白いシーンもあるのだが、演出タッチは“数十秒の作品”であるCMと一緒。いくらその範囲で良い仕事をしていようが、同じ方法論で2時間の上映時間を保たせられるはずもない。5つの話をラストに強引にまとめようとしているのも“いらぬ御世話”でしかなく、かえってストーリーのテンポを遅くしているだけだ。
小泉今日子扮する傲慢なCMディレクターの扱いに至っては“ちょっと自分達の立場を反省してみました(本当はしていない)”という慇懃無礼なポーズが鼻について実に不愉快。CM屋の奇をてらったお遊びに付き合わされた観客こそいい面の皮である。



