元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「第7回九州ハイエンドオーディオフェア」リポート(その1)

2010-04-09 06:10:33 | プア・オーディオへの招待

 去る4月2日(金)より4日(日)まで福岡市博多区石城町の福岡国際会議場(写真参照)で例年通り開催された、第7回の九州ハイエンドオーディオフェアに行ってきたのでリポートしたい。ただし、この時期は他に私用があったので、前回に比べて会場で過ごした時間は短く、そのため今回の書き込みの密度が低くなってしまったことは御勘弁願いたい(^^;)。

 イベントの一つとして昨年(2009年)に引き続き、オーディオ評論家の福田雅光による講演会が開催された。前回は“電源ケーブルの聴き比べ大会”で盛り上がったが、今度のネタはオーディオアクセサリーのあれこれを“試聴”しようというものだ。まずは電源タップの機種による音の違いをチェック。電源ケーブルの交換による音の変化はオーディオファンの間で広く認知されているが、電源タップ同士の音の大きな違いというのはあまり聞かない。もちろん音の変化は存在するが、その度合いはわずかだと思っている。しかし、会場で登場した数十万円もするタップでは様相は異なるらしく、それぞれ見事に音は変わる。この有様を目の当たりにすれば、多少金回りの良いマニアならば導入を即決するのだろう。

 しかし、電源タップというのは“必要悪”だというのも事実だ。個人的な経験から言わせてもらえば、タップを介するよりは壁コンセントから直接電源を取った方が音は良い。ユーザーサイドでは住宅事情によりどうしてもタップを使わなければならない場合も多々あるのは承知しているが、持ち家の新築や改築の際には、オーディオ機器をすべてカバーするぐらいの壁コンセントを設置することにも留意した方が良いだろう。

 さらに面白かったのは電源のノイズキャンセラーや、タングステン材質の高級インシュレーター、電源タップの“置き台”などの効果も確認出来たこと。使用前に比べると、差こそ少ないが確実に音質は変化している。この“音は変わる”という事実はオーディオの不可思議さを示していると思う。おそらく、どうして音が変わるのか科学的にはハッキリと解明されていないのだろう。だが、実際には音質は変化しているわけで、この現実がオーディオファンをして“アクセサリーの底なし沼”に引き込ませる要因である(笑)。

 そしてレクチャーのハイライトはESOTERIC製の定価35万円の電源ケーブルの“試聴”である。最初、値段を提示すると会場内から失笑が洩れた。それはそうだ。単なる電線に35万円も払う奴など、そうそういるはずもない。だが、いざアンプに実装して音を出してみると全員が息を呑んでいるのが分かった。これはまるでアンプを交換したほどの音質向上だ。情報量が完全にランクアップし、音場も(聴感上)約1.5倍ほど広がった。かくも高額なケーブルを買える人間は限られるものの、この事実を見せつけられるとオーディオにおけるケーブル選択の重要性を改めて痛感する。

 余談だが、会場になぜか大型のバッタが一匹乱入した(激爆)。客席の間を飛び回り、しまいには福田の脇の下に着陸。福田は苦笑しつつも“これがホントのバッタ屋だな”というオヤジギャグをかまし、観客の多さで多少蒸し暑くなっていた会場の温度を1,2度下げることに貢献したのは、ある意味アッパレだったかも。

(この項つづく)
コメント
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