元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「飛ぶ教室」

2010-04-23 06:08:25 | 映画の感想(た行)
 (原題:Das Fliegende Klassenzimmer )2003年作品。この作品の原作者エーリッヒ・ケストナーは「点子ちゃんとアントン」「ふたりのロッテ」などの児童文学の作者として有名だが、恥ずかしながら私は一冊も読んでいない。彼の代表作であるこの小説も題名だけは知っていたが、どういう話なのか今回映画を観て初めて分かった次第である(^^;)。

 原作は1933年のドイツを舞台にしているらしいが、映画では現代のライプツィヒにある寄宿学校に設定されている。言うまでもなくライプツィヒは旧東ドイツであり、統一前のドイツを生きた教師達の世代と生徒達を比較する事によって映画の裏に現代史を織り込み、話に深みを持たせようとしていることは分かる。

 ただし、作りがあまりにも素直で平易すぎて観ていて気恥ずかしい。映画館で封切るより、小学校の課外授業として体育館で吹き替え版を上映する方がふさわしいと思う。子供達をはじめ出演者は皆好演。全寮制学校の描写にも興味深いものがあった。トミー・ヴィガンドの演出は丁寧だ。
コメント
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