元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「第7回九州ハイエンドオーディオフェア」リポート(その3)

2010-04-11 06:32:45 | プア・オーディオへの招待

 かなりの入場客を集めていたのが、英国B&W社の新製品のデモンストレーションである。シリーズDiamondと銘打ったラインナップのうち今回展示されたのが、上から2番目の802(写真参照)とローエンドの805だ。B&Wのスピーカーの製品数は多いが、このメーカーの真骨頂は上位の800シリーズにあると言っても良い。前作もこのクラスのリファレンス的な存在でオーディオフェアの常連みたいな扱いを受けていたが、久々のモデルチェンジでどういう展開になっているのか私も大いに興味を持っていた。

 聴いた感じは、まさに“横綱相撲”である。音色こそ前のシリーズと変わらないが、音の伸びや中低域のフットワークの軽さに進歩を感じさせる。上から下までキチンと出て曖昧さがない反面、分析的な神経質さは皆無。音はあくまでも明るく、いつまでも聴いていたい気分にさせられる。スタッフの話によると、前作とは違う部材を採用しており、重量は小さくなったという。ただし、高価なパーツや手間の掛かる仕上げも取り入れた結果、価格が上昇したのがマーケティング面での懸念材料とか(笑)。しかし、これだけのパフォーマンスならば市場は受け入れると思う。

 アンプ類はB&W社が音決めの際に標準で採用しているカナダのCLASSE社のものが使われていたが、スピーカーの鳴り方から考えると、他社のアンプでも上手くドライヴ出来そうだ。それどころか、アンプのキャラクターをチェックするのには最適な機種かと思われる。今後もオーディオ関係のイベントで、頻繁に引っ張り出されることになるのだろう。802は高価で容易には手が出せないが、805ならば(前作よりも値段が上がったとはいえ)一般庶民でも少し無理すれば買える。仕上げの美しさもアピール度が高い。

 他の欧州製スピーカーではスイスのPIEGA社のフラッグシップモデルMaster ONEや独QUADRAL社の新製品ORKAN等が気を吐いていたが、私が気に入ったのはそういうバカ高い製品ではなく、独ELAC社の小型モデル310CEである。高さが20cmしかないコンパクト・サイズながら、低音の再現性には驚かされる。同社のスピーカーは指向性がシビアだが、最近のシリーズはそのあたりが改善されて一般家庭でも使いやすくなっているようだ。英国AURA社のプリメインアンプとのコラボレーションは音の相性が良いだけではなく見た目もスタイリッシュで、女性入場者の注目を浴びていた。価格もペア20万円だから、けっこうリーズナブルだといえる。正直、私も欲しくなった(笑)。

(この項つづく)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする