11月の中旬に熊本県の五家荘(ごかのしょう)に行ってきた。九州中央山地国定公園の中核を成す観光ポイントだが、私は足を運ぶのは初めてである。事前にネットなどで情報を集めた結果、中心地より遠く離れた場所であり、とにかく道が狭くて急勾配・急カーブの連続で、対向車とすれ違うにも難儀するようなハードな交通事情であることが判明。よって自家用車で行くことを断念し、バスツアーを利用することにした。チャーターされたのは通常の観光バスよりも二回りぐらい小さい車両。この程度の大きさじゃないと目的地まで到達しないのだという。
熊本県八代市に近い松橋インターから、狭い県道に分け入って山岳地帯を目指す。とにかく、物凄い山奥である。1300~1700m級の山々が周囲に迫り、まさに深山幽谷だ。残念ながら今年は紅葉のシーズンが思いの外早く、行ったときには盛りを過ぎていた。それでも時折ハッとするような美景に遭遇することが出来る。

見どころの一つは「せんだん轟(とどろ)」と呼ばれる瀑布である(写真参照)。落差は70m、幅3~4mで、滝つぼは4mもあり、近くで見ると迫力がある。そして紅葉に映えて実に美しい。近くの食堂では山女魚の塩焼き定食をいただき、大いに満足。樅木の吊橋「あやとり橋」と「しゃくなげ橋」も面白い。水面からの高さが25mで、歩いて渡るとかなり揺れる。
五家荘は平家の落人伝説でも知られる。壇ノ浦の戦いで敗れた平家の大将の一人である平清経は、水死したと見せかけて戦地を脱出。この山奥に落ち延びてきたのだ。その後実権を握った源氏が断絶したのとは対照的に、平氏の直系の血筋は今でも存続している。歴史とは皮肉なものだ。また、それより前に菅原道真の子供達が太宰府からこの地に逃れてきたことを今回初めて知った。さらに、清経たちの時代から百年以上もこの土地に人が住んでいることが外部の者は分からなかったというのだから、本当に秘境と呼ぶにふさわしい場所である。
近年は「平家の里」なる記念館も建てられ、昔の家屋も復元されている。そのため歴史好きの注目を集め、観光客も増えている。私が行ったときは平日だったのだが、ガイドの話によると週末にはそのバス会社だけでも車両10台ほど連ねた大がかりなツアーになるという。

帰りには五木村にも寄り、村の御老人による正調の「五木の子守歌」を聴くことが出来た。県の天然記念物である宮園の大銀杏も見物(写真参照)。そのデカさに圧倒される。ついでにウワサの川辺川ダムの建設予定地も遠くから眺めたが・・・・まあ、この件についてはコメントを控えよう(笑)。
九州の山岳系の観光地では阿蘇や久住、霧島などに比べると交通アクセスに難があり、またロケーションも市街地から離れている。だが、歴史マニアでなくても行く価値のあるスポットであることは確かだ。紅葉の頃がベストだと思うが、新緑の季節も良いかもしれない。夏場はキャンプをしても楽しいだろう。
熊本県八代市に近い松橋インターから、狭い県道に分け入って山岳地帯を目指す。とにかく、物凄い山奥である。1300~1700m級の山々が周囲に迫り、まさに深山幽谷だ。残念ながら今年は紅葉のシーズンが思いの外早く、行ったときには盛りを過ぎていた。それでも時折ハッとするような美景に遭遇することが出来る。

見どころの一つは「せんだん轟(とどろ)」と呼ばれる瀑布である(写真参照)。落差は70m、幅3~4mで、滝つぼは4mもあり、近くで見ると迫力がある。そして紅葉に映えて実に美しい。近くの食堂では山女魚の塩焼き定食をいただき、大いに満足。樅木の吊橋「あやとり橋」と「しゃくなげ橋」も面白い。水面からの高さが25mで、歩いて渡るとかなり揺れる。
五家荘は平家の落人伝説でも知られる。壇ノ浦の戦いで敗れた平家の大将の一人である平清経は、水死したと見せかけて戦地を脱出。この山奥に落ち延びてきたのだ。その後実権を握った源氏が断絶したのとは対照的に、平氏の直系の血筋は今でも存続している。歴史とは皮肉なものだ。また、それより前に菅原道真の子供達が太宰府からこの地に逃れてきたことを今回初めて知った。さらに、清経たちの時代から百年以上もこの土地に人が住んでいることが外部の者は分からなかったというのだから、本当に秘境と呼ぶにふさわしい場所である。
近年は「平家の里」なる記念館も建てられ、昔の家屋も復元されている。そのため歴史好きの注目を集め、観光客も増えている。私が行ったときは平日だったのだが、ガイドの話によると週末にはそのバス会社だけでも車両10台ほど連ねた大がかりなツアーになるという。

帰りには五木村にも寄り、村の御老人による正調の「五木の子守歌」を聴くことが出来た。県の天然記念物である宮園の大銀杏も見物(写真参照)。そのデカさに圧倒される。ついでにウワサの川辺川ダムの建設予定地も遠くから眺めたが・・・・まあ、この件についてはコメントを控えよう(笑)。
九州の山岳系の観光地では阿蘇や久住、霧島などに比べると交通アクセスに難があり、またロケーションも市街地から離れている。だが、歴史マニアでなくても行く価値のあるスポットであることは確かだ。紅葉の頃がベストだと思うが、新緑の季節も良いかもしれない。夏場はキャンプをしても楽しいだろう。