不況下の佐賀県の炭坑町で両親のいない4人兄弟が貧しくも健気に生きる姿を、10歳の末妹の目を通して描く今村昌平監督作品(昭和34年製作)。
いきおい“お涙頂戴路線”になりそうな題材を、阿漕な“不幸の押しつけ”もなく、終始抑制の効いたタッチで端正に仕上げてられている点が好感が持てる。労働者を虐げる不況や朝鮮人の扱いなど社会派映画になりそうなネタを配置しつつ、あくまで焦点を主人公達から外さないことも作者の冷静さを感じる。
丁寧に撮られた秀作だが、これで文部大臣賞を得た今村は「不名誉」だと感じたらしく、次作からお馴染みの“今村イズム(猥雑路線)”に突入してゆくのだが、この作品でのヒューマニズムは後の「黒い雨」を生み出す布石となっているあたりも興味深い。
姫田真佐久のカメラと黛敏郎の音楽も手堅い仕事ぶりだ。それにしても、長男を演ずる若い頃の長門裕之は桑田佳祐そっくりで笑える(^^;)。
いきおい“お涙頂戴路線”になりそうな題材を、阿漕な“不幸の押しつけ”もなく、終始抑制の効いたタッチで端正に仕上げてられている点が好感が持てる。労働者を虐げる不況や朝鮮人の扱いなど社会派映画になりそうなネタを配置しつつ、あくまで焦点を主人公達から外さないことも作者の冷静さを感じる。
丁寧に撮られた秀作だが、これで文部大臣賞を得た今村は「不名誉」だと感じたらしく、次作からお馴染みの“今村イズム(猥雑路線)”に突入してゆくのだが、この作品でのヒューマニズムは後の「黒い雨」を生み出す布石となっているあたりも興味深い。
姫田真佐久のカメラと黛敏郎の音楽も手堅い仕事ぶりだ。それにしても、長男を演ずる若い頃の長門裕之は桑田佳祐そっくりで笑える(^^;)。