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元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「公共の敵2」

2005-12-18 17:26:44 | 映画の感想(か行)
 第19回福岡アジア映画祭出品作品。ソル・ギョング扮する前回の型破り刑事が本作では検察官に出世。高校時代の同級生で、今は阿漕な手段で巨大財閥を牛耳る若手エリートとの戦いを描くカン・ウソク監督作。

 シビアなクライム・アクションとオフビートな笑いとが絶妙のマッチングを見せた前回に引き続き、カン監督はキャラクターの練り上げに余念がない。だが、前作ほど面白くないのは、主人公が偉くなりすぎて建前上の行動の制約が緩くなったことと、脚本の詰めが甘いこと。

 犯人が金持ちの割にやることがセコく、そのため刑事上の“罪状”がハッキリしないのに加え、検事の立場を利用して学生時代の確執に拘っているような主人公には違和感を覚えるし、何よりこのネタで2時間半は長すぎる。一介の検事では太刀打ちできないほどの“巨悪”を用意し、主人公が徒手空拳で立ち向かうという単純な図式でビシッと締めた方が良かった。

 それにしても、映画祭の主催者の“前作も今回も日本の配給会社は購入できなかった。観られるのはここだけ”という自画自賛には鼻白むばかり。要するに製作側が高く吹っ掛けているだけではないか。映画祭の上映がきっかけで国内配給が実現してヒットした・・・・という筋書きの方が、よっぽど理に適っていると思うのだが・・・・。
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「オープン・ウォーター」

2005-12-18 08:04:16 | 映画の感想(あ行)
 これは“少々良くできた「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」”である。小汚いデジカム映像といい、何か起きそうで起きない展開といい、作劇を放り出したような結末といい、魅力のない無名の役者しか出ていないところといい、一発芸的な際物臭さが全編に漂う「ブレア~」と実によく似ている。


 ただし「ブレア~」と違って実話を元にした“ありそうな設定”を採用したことが広範囲にアピールできた理由だとは思う。しかし“大海原に置き去りにされた恐怖を描く”とはいっても、ダイビングをはじめとするアウトドア系の遊びにまったく興味のない当方にとっては、単に“いい加減な業者を相手にした主人公たちの自業自得”としか感じないのは辛い。彼らが次第に“壊れて”いく過程も、まあ予想通りで特段言及する必要もない。

 物語を娯楽映画として普遍的なレベルにまで持って行きたいのなら、大規模な空撮と海中撮影を動員した“引きのショット”を多用すべきだが、この低予算では望むべくもないだろう。結果、中盤以降はずっと海上の接写ばかりのせいで、観ている側は船酔いしか覚えなくなっている(笑)。同じ“実録遭難モノ”ならば「運命を分けたザイル」の方が数段レベルが高い。

 見どころと言えば、調教されたサメに混じって天然もののサメが登場するらしいことか。もっともそれだって映画の内容から外れた話題であるのが、いかにも「ブレア~」の類似品らしい。
コメント (1)
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